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サイロ化によるデータ活用の根深い課題とその解決策
Tableau(タブロー)サイロ化とは、各部門でデータが連携されていない状態のことを指します。昨今話題に挙がるデジタルトランスフォーメーション(以下、DX)で社内の業務効率を上げていくには全社でのデータ共有・連携・統合が必要不可欠ですが、多くの組織がデータのサイロ化に悩まされています。今回はサイロ化の内容とその解決策についてお伝えしていきます。
データ活用やDXが進まない理由と対策
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データ活用を目指す際に課題となるサイロ化
サイロ化とは、システムが部署ごとに分かれ、データが連携されていない状態のことです。サイロとは、牧場において飼料を貯蔵する円筒形の貯蔵庫のことで、データが縦割りで分断され、連携されていない様子をサイロに見立てて言葉が定義されました。
日本の企業では一般的に縦割りで部門が構成されます。会社の機能ごとに部門を作るのは理にかなった方法の一つですが、部門ごとにデータ基盤が分断された状態では部門間の連携によるシナジーは期待できません。部門間データ連携のコストは、どの部門が持つのかという議論さえ発生してしまうことがよくあります。
サイロ化が組織に及ぼす悪影響とは
サイロ化による悪影響は、意思決定の遅れやコスト、データ活用の仕組みが活かせないなど、データドリブンの障壁になっていきます。どのような悪影響があるかを具体的にみていきましょう。
データドリブン全体の概要については以下の記事もご覧ください。
意思決定の遅れ
どのような場面でも意思決定にデータは必要不可欠です。多くの企業がDXの取り組みとして適切な意思決定のためのデータ統合を開始しています。意思決定にあたっては、必要なデータに自由にアクセスできることが重要ですが、データがサイロ化している状態では必要なデータをまとめられず、意思決定にどうしても遅れが生じてしまいます。
データ活用の仕組みが活かせない
データ活用は、個々のデータを連携させてこそ真価を発揮します。特に大きな組織においては、部門間の連携などに課題が多く見つかります。ただしサイロ化された状態では、個々のデータを連携させたデータ活用の仕組みが活かせません。特に最近ではAIを用いたデータの活用が注目されていますが、AIに読み込ませるデータは統合・整理されたデータでなければならないため、サイロ化されたデータではうまく活用できません。
データの統合にかかる手間
サイロ化してしまったデータを統合していくためには手間がかかります。システムによって異なるIDで管理されているなど単純にはデータの統合ができない場合が多いので、まずデータの整理から対応していく必要があるためです。既にサイロ化が発生している状況では、これ以上サイロ化が進まないように対策することが重要です。
データドリブンにおけるサイロ化解消のカギとは
サイロ化を解消するためには、主となるデータが存在するツールおよびシステムに、他のツールやシステムのデータ形式を合わせることから始まります。データの統合にあたっては、経営層からのアプローチと、現場からのアプローチ両方が欠かせません。
経営層からのアプローチとしては、まずは組織的なデータ活用の実施・推進の弊害になるものを取り除きましょう。関連部門間でのサイロ化解消や縦割り組織から風通しのよい組織への構造改革、共通的なKPI・KGIの設定などを指示し、スモールスタートで動きだすとよいでしょう。その際には、データが格納されているITインフラを極力単一のものとし、部門ごとのデータがサイロ化しないように対応する必要があります。ITインフラが統一されていない場合、もちろん可能であれば全社でITインフラを統一する試みについて検討・計画すべきです。現場と連携をとり、ITインフラが乱立する状態は極力解消するように対応していきましょう。
現場からのアプローチとしては、統合のキーとなるデータが存在するツールおよびシステムの構成に他のツールやシステムを合わせるような対応が必要になってきます。各部門で使用しているシステムでユーザーのIDが異なっていたり、そもそものデータの形式が異なっていたりと、サイロ化には様々な留意点があります。経営層は詳細な対応を現場からのアプローチに譲り、現場の意見を聞きつつ、全体最適の観点で組織の統合やシステム統合に関する意思決定の参考にしていきましょう。
サイロ化解消については各種ソリューション活用も有効
前述した通り、サイロ化の解消については経営層と現場の両面からのアプローチが必要で、データ基盤の統一やデータ形式の統一など、相応の時間と費用をかけて対応していく必要があります。ただし、企業規模や事業規模が大きくなればなるほど、データ基盤の統一やデータ形式の統一の難易度も上がるため、一筋縄ではいかない部分もあります。
また、データ基盤を統一する以外にもアクセス権限の適切な設定など、幾つか押さえるべき留意点があります。例えばアクセス権について言及すると、全員が平等にアクセスできればよいわけではなく誰がどんな権限をもってデータにアクセスできるのかという点が重要です。個人情報などの情報漏えいは現在でも頻繁に発生しており、データへのアクセス管理は企業における最重要課題の一つになっていますが、このような情報へのアクセスルールを厳格にすればするほど、部署間のデータ連携はしにくくなってしまいます。
そこで、Tableauなどのデータ分析プラットフォームを活用し、点在しているデータを可視化する方法がおすすめです。即時のデータ形式統合が難しい場合でも、データをブレンドしてダッシュボードにまとめ、同一の指標にもとづくコミュニケーションが期待できます。前述の取組みとデータ分析プラットフォームを組み合わせれば、データのサイロ化にも有効な施策を打ち出すことが可能です。
またサイロ化はデータだけではなく、クラウドなどでも発生します。複数のクラウドソリューションを利用している企業では、システムやデータの連携不足といった課題を抱えている場合も多いのが事実です。クラウドソリューションのサイロ化解消について、NECソリューションイノベータではサイロ化したクラウドを統合管理・運用するための仕組みを提供しています。
例えば、複数のクラウドソリューションのID管理基盤を提供する「OneLogin」と呼ばれるサービスがあります。同サービスはシングルサインオン、多要素認証、アクセス制御などの機能を備えたActive Directoryと連携可能なID管理基盤で、主要なクラウドソリューションに対応しています。1人のユーザーに関連付けられる情報としてメールアドレス・社員番号などの複数の内容を柔軟に設定可能で、既存IDには手を加えることなくシングルサインオンが実現できます。
まとめ:サイロ化の解消で効率的な組織的データ活用を
サイロ化とは、部署などの単位でデータが分割されており、データが連携されていない状態を指します。部門ごとにデータ基盤が分断された状態では、部門間の連携が期待できません。サイロ化による悪影響は、意思決定の遅れやコスト増、データ活用の仕組みが活かせないなど、データドリブンの障壁です。
サイロ化解消のためには、経営層と現場の両面アプローチで主となるデータへの形式合わせやITインフラの統合を実施していくことになります。現場からの意見をくみ取り意思決定の参考にしていきましょう。
思うようにデータの統合ができない場合でも、データ分析プラットフォームを使えば点在しているデータを可視化し、データをブレンドしてダッシュボードにまとめ、同一の指標にもとづくコミュニケーションが期待できます。前述の取組みとデータ分析プラットフォームを組み合わせれば、データのサイロ化にも有効な施策を打ち出すことが可能です。クラウドなどで発生したサイロ化についても、統合管理・運用するための仕組みを組み合わせて利用することにより解決可能です。
サイロ化の解消で効率的な組織的データ活用を推進していきましょう。
データ活用やDXが進まない理由と対策
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