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データガバナンスとは?
その概要や必要性から実施手順までを解説

Tableau(タブロー)

データが企業や消費者を動かす現代、データの取り扱いは経営においてもとても重要になりました。データドリブン経営を実現するためにはデータの信憑性を担保するためにもしっかりとしたデータマネジメントが必須ですが、中でもデータを適切に活用するためにはデータガバナンスが重要です。そこで本コラムでは、そもそもデータガバナンスとは何なのか、データガバナンスが必要になった背景からそのメリット、そしてデータガバナンスを実施する手順までを解説します。

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データ活用やDXが進まない理由と対策~1万人規模の組織を動かすデータ活用事例~

データガバナンスとは

データガバナンスとは、データマネジメントをルール通りにうまく実行できるように、サポート・監督するものです。

そもそもガバナンスとは、例えば、会社の方向性を決めるなどの広い範囲を統制することを意味します。データガバナンスは、データマネジメントにおけるルールを管理するだけではなく、データマネジメントを、PDCAを回すことでしっかりとデータを活用できるようにコントロールすることが目的です。

データガバナンスでは、データマネジメントにおいて以下がしっかりと実行されていることを監督します。

  • データマネジメントにおける体制やルールを決める
  • データマネジメントを指揮し結果を出す
  • 課題に対する管理や報告を行う

これらをPDCAにて常により良いデータマネジメントができる体制を整備することがデータガバナンスの役割です。

データマネジメントについては、「DX時代のデータマネジメントを徹底的に見直す~全社におけるデータ活用に備えるポイント~」で詳しく解説していますので参考にしてください。

データガバナンスとは

データガバナンスが必要な背景

データガバナンスを知るためにも、関連する用語を抑えておきましょう。ここでは、3つの関連用語を解説します。

そこで企業組織がうまくコントロールしなければならないのがデータです。データを適切に管理することでデータドリブン経営による迅速な意思決定が可能になります。そのためには、組織のサイロ化により分散されたデータも統合的に管理して取り扱えるようになる必要があります。企業組織全体でデータをどのように運用するかを決める必要があるということです。顧客の購買行動や利用状況などをデータで把握することで、売上向上やコスト削減を実現することも可能になりました。

このようなデータの活用は、適切なデータマネジメントによって支えられています。信頼性のあるデータとして正しくデータマネジメントを実施するために欠かせないポイントが、データマネジメントを統制するデータガバナンスです。

つまり、データドリブン経営で活用するデータの良し悪しは、データガバナンスをしっかりと制定できているかどうかに大きく左右されるということなのです。

データガバナンスに関連する用語

データマネジメント

データマネジメントとは、目的に応じたデータを最適な状態で活用するために管理をすることです。

企業経営においてデータで経営判断をするために、データを蓄積したり可視化したりする手段を講じて、データが持つ価値を引き出すためのデータマネジメントを行います。データマネジメントには、データの登録や更新、収集や変換・加工、そして可視化などのプロセスが含まれ、全社データをうまくデータマネジメントすることでデータドリブン経営に役立てられるものです。

マスターデータマネジメント

マスターデータマネジメントは、データの品質向上に重点をおいた管理方法のことです。データの品質を保つために、企業内で利用されるアプリケーションの依存関係や、データを記録する従業員のオペレーション、あるいはデータの型や構造などを含め、冗長やゆらぎのない一貫性のあるマスターデータを管理します。

マスターデータは、データを基にした意思決定の基礎となるデータであり、このデータの一貫性が失われるとデータの信頼性がなくなります。

データスチュワード

データスチュワードは、あらゆるシステムやデータの専門家であり、データの定義やその利用方法を指南したり、データガバナンスで発生した問題などの調整を行って解決へ導いたりするポジションを担います。

つまり、データマネジメントとデータガバナンスとの間に立ち、双方に責任を持って管理運用するものです。

データガバナンスのメリット

それでは、データガバナンスのメリットを見ていきましょう。

企業組織におけるデータの共通理解ができる

データガバナンスを図ることで、企業組織内でのデータに関する共通理解が得られます。データが何に利用されるのか、どう活用されるのかを意識できる一つのルールを軸として、部門をまたいだデータの統合もしやすくなります。

データに信頼性が生まれる

データガバナンスに従ったデータの取り扱いにより、信頼あるデータを蓄積できるようになります。データの正確性や一貫性が生まれ、データドリブン経営に欠かせないデータの信頼性を生み出せます。

データマップによって効果的にビジネスの成果と結びつくようになる

それぞれのデータがどのように関連しているのか、その背景などをデータマップによって示せます。出力されたデータはなにが基になっているのかが明確化されることで、裏付けのあるデータとしての価値が見いだされ、ビジネスの成長と結びつきます。

データマネジメントにおけるセキュリティポリシーを監視して、コンプライアンス違反を防ぐ

データガバナンスを図ることで、データの取り扱いに対するセキュリティポリシーの軸に沿って監視することが可能になります。これによりコンプライアンス違反を防いだり、違反に抵触する自体が起こったときに迅速な対応ができたりするのです。

データマネジメントの効率化と向上

データガバナンスによってデータマネジメントが監視できますので、結果的にデータマネジメントの効率化につながります。データの取り扱いやセキュリティを監視することで、「データが信用できない」などといった根本的な失敗を防ぐことができ、統制されたデータの活用が実現するのです。

データガバナンスを実施する手順

ここでは、実際にデータガバナンスを実施する手順を見ていきましょう。

1. データマネジメントの目的を明確化

データガバナンスは、データマネジメントを統制するために実施するものですので、まずはなぜデータマネジメントを始めるのかという目的を明確にしなくてはなりません。したがって、データマネジメントで得たいものは何なのかを確定することから始まります。

2. データマネジメント活動に必要な規約を作成

データマネジメントの目的が明確化したら、その目的を達成するためにデータマネジメントをどのように統制していくのかを決めていきます。ここからデータガバナンスが始まります。データマネジメントに必要な項目を洗い出し、データガバナンスでデータマネジメントを監視できる粒度で規約を作成しましょう。

3. データガバナンスに対して人員を配置

データガバナンスを軸に、データマネジメントが正常に行われているかを監視する人員が必要です。ここでは、データマネジメントを行うに当たり、例えば、データの安全性やコンプライアンス、データへのアクセス権限などを監視する役割を果たす人員を配置していきます。

4. 日々の活動にデータガバナンスを適用する

人員の配置までが完了したら、いよいよデータマネジメントをデータガバナンスによって運用していきます。企業が日々生み出すデータの蓄積や、データの活用など、データマネジメントに関わるすべてのプロセスにデータガバナンスを適用します。

5. データカタログ

データガバナンスのもとでデータマネジメントを開始したら、データカタログを利用するとよいでしょう。データカタログでは、データの全体像を把握することが可能です。分析データがどのデータに接続されているのか、いつ、だれが、どのようなデータを変更したのかなどを確認できます。またメタデータを可視化することで、データの一貫性が保たれているかなどを把握できるのです。

データガバナンスとデータの信頼性に対する課題解決

データマネジメントを行う際にデータガバナンスは必須だといえます。データガバナンスによってデータの信頼性をより精度の高いものにするためです。

データの信頼性が担保できなければ、そのデータを活用して行われる意思決定も信頼性が欠けてしまいます。データの信頼性を担保するためには、データの作成から更新、データへアクセスするための権限管理などの統制が必要です。そのためには、高い柔軟性を持って権限管理が行えるツール導入も必要になります。

このようなデータの信頼性に関する課題には、データガバナンスの制定に加え、データのライフサイクルや収集~活用までのプロセスに応じた適切なツールを導入するなど統合的に解決するための検討も大切です。

まとめ:信頼性のあるデータのために

データガバナンスは、データマネジメントで期待する結果を出せるように統制するものです。企業組織の中で生成されたデータや、データに対するセキュリティなどを監督し、信頼性のあるデータを生み出します。データの信頼性は、いつでも正確なデータを扱えるといった高可用性を維持し、データドリブン経営において正確で効率的な意思決定を実現するのです。まずはデータマネジメントの目的を明確にし、その目的を達成するためのデータガバナンスを実施して、データマネジメントを上手に機能させることが大切です。

データ活用やDXが進まない理由と対策
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