株式会社フジトランスコーポレーション様導入事例 | SuperStream（スーパーストリーム）会計・人事システム

SuperStream-NX導入事例

株式会社フジトランスコーポレーション様

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SuperStream-NXで経営データを可視化しDX推進に貢献
データドリブン経営の基盤を整備し、法制度改正への柔軟な対応も実現

事例の概要

課題・背景
- システムが老朽化しており、法制度改正対応に時間やコストが膨らんでいた
- パッケージの業務に合わせて会計業務を変革する考え方にシフト
- グループ全体で経営判断に必要なKPIを可視化すること、またリアルタイムで
  グループ全体の実績や進捗を可視化する環境を構築することが求められていた
導入効果
- 法制度改正への対応がバージョンアップで対応できるようになり運用負担は大きく軽減できた
- SuperStream-NXを中心とした財務会計の基盤刷新によりペーパーレス化が進み、環境負荷軽減目標の達成に貢献、キャッシュレス化も進んだ
- 業務単位の機能コード活用により、グループ経営管理の枠組み内で科目別とは異なる管理会計としての詳細な情報把握をグループ全体で実施していく環境が整いつつある

導入の背景：中期経営計画の具体的な施策としてDX推進を加速

株式会社フジトランスコーポレーション様は1952年に藤木海運株式会社の設立を経て、現在は港湾運送事業や内航海運業、国際物流、保管・梱包事業などを手掛けています。最先端の荷役機械を駆使した港湾荷役をはじめ、日本全国17カ所に支店・出張所を設けて自社船含めた内航船にて自動車などの海上輸送や陸上輸送などを行う国内物流、13か国に現地法人を設置して通関や輸出入業務の代行を行う国際物流、ロケットや航空機部材といった巨大なものを運ぶ長大貨物輸送、名古屋港を中心に設置した保管施設において在庫管理含めた保管や梱包など、社会のニーズに応えるさまざまな事業をグローバルに展開しています。

現在は「『和』の精神＆ KEEP ON TRYING」をスローガンに掲げた中期経営計画「フジトランス2030」を推進しています。「ドライバー不足や船員・港湾労働者不足、IT分野における人財不足やセキュリティリスクといった物流業界における社会課題に対処すべく、安定的に働き手を確保するためのさまざまな施策に取り組んでいます。また、CO2排出量の削減含めたサスティナブルな環境づくりにも注力しており、自社船舶の積極的な省エネ化も進めています」と語るのは管理本部本部長常務取締役永井宏和氏です。また、独自のFDX（FUJITRANS DX）として業務プロセスの刷新と新しい価値の創造を実現するためのDX推進を加速させており、デジタル技術に強い事業基盤の整備や業務の効率化、物流のデジタル化対応、新たなサービス創出など、改善DXと戦略DX双方に向けた施策を推進しています。

導入前の課題：システムの老朽化、法制度改正の柔軟な対応を目指してパッケージに期待

そんな同社では、かつて汎用機で動かしていた会計システムからレガシーマイグレーションによってオープン系システムへの移行を行っていましたが、仕組み自体はCOBOL言語を用いてスクラッチ開発された環境でした。「システムの老朽化が課題となっていましたが、ちょうど稼働させている仮想サーバーの刷新にあたり、バージョンアップ含めて相当手を入れる必要が出てきたのです」と情報システム部システム開発課課長大畑政浩氏は当時を振り返ります。一方、業務目線でいえば「長年業務に適した形でカスタマイズを加えていたことで、ある意味使いやすい、成熟した環境でした。それでも、老朽化した環境で動かし続けるのは難しいため、新たな環境への移行を検討したのです」と経理部次長岡村徹氏は語ります。

毎年実施される法制度改正の対応についても、個別に対応を進めていたことで改修の時間やコストも膨らんでいました。「法制度改正が確定してから改修を完了させるまでのサイクルがタイトになる傾向にあり、なかには数カ月間を要するケースも。スクラッチ開発したシステムだけに、マンパワーを確保するだけでも厳しい状況になりつつあったのです」と大畑氏。

また、グループ全体で経営判断に求められるKPIの可視化も必要不可欠だったことから、手作業で経営層へレポーティングする運用をできる限り軽減し、リアルタイムにグループ全体を可視化できる環境づくりも求められました。その結果、会計業務に合わせてシステムを構築していくという従来の考え方から見直し、パッケージの業務に合わせて、会計業務を変革していく考え方にシフトしていく方針を掲げたのです。

システム選定と導入：
SuperStream-NXを軸に柔軟な対応が可能なNECソリューションイノベータのソリューションを選択

株式会社フジトランス
コーポレーション
情報システム部システム開発課課長
大畑政浩氏

パッケージ活用を前提に、従来の業務運用を保ちながら営業部門に展開できる形を模索しました。「請求書発行1つとっても部門ごとにカスタマイズしていたため、どのように営業部門の要望をかなえていくのか検討する必要がありました。我々経理部門の業務としても、外貨の処理や業界慣習である取引先との立替処理といった独自の運用があり、既存システムとのギャップを埋めるために、パッケージを最大限活用するのと同時に各ベンダーの周辺ソリューションを組合せることにより機能追加を最小限に抑えられるかを検討したのです」。

システム要件としては、法制度改正への柔軟な対応を目指してパッケージを選択したうえで、特にSaaSなどのクラウドサービスに限定せず、営業部門の要望を踏まえてうまく対応可能なソリューションを検討。そこで、複数の企業から提案を受けるなかで注目したのが、SuperStream-NX＋NECソリューションイノベータの周辺ソリューションでした。「機能要件は満たしているもののシステムの柔軟性が低く、今後の機能拡張が難しいパッケージもありました。その点、機能はもちろん、費用も含めて総合的に判断するなかでSuperStream-NX＋NECソリューションイノベータの提案力を高く評価したのです」と大畑氏は言います。

海外製ソリューションも選択肢に残っていましたが、希望する納期に稼働させるためには、社内の人的リソースを大きく確保する必要があり、選択することが難しい状況でした。「NECソリューションイノベータであれば希望納期に柔軟に対応できるという提案を受け、安心して任せられました。またできる限り当社の負担を減らしながら、稼働まで導いてくださると、当社に寄り添った提案をいただけたことが大きかった」と岡村氏は言います。

そこで、最終的には業務改善含めたBPRに取り組むことを前提に、財務会計の基盤としてSuperStream-NXを選択し、業務フローをパッケージに適合させるところから仕組みの実装、運用支援も含めてNECソリューションイノベータに委託することを決断したのです。

導入ソリューション

SuperStream-NXとNECソリューションイノベータの周辺ソリューション

導入効果：ペーパーレス推進と情報への迅速なアクセス、法制度改正への柔軟な対応が可能に

現在は、グループ会社含めた10社が利用する財務会計の基盤としてSuperStream-NXをAWS上に展開し、経理担当者90名ほどが日常的に活用しています。財務会計・管理会計（GL）や債務管理（AP）、債権管理（AR）などをはじめ、固定資産管理（FA）や手形管理（PN）を利用し、ペーパーレス化の推進などを実現。尚、導入目的の1つとして掲げた経営判断に必要なKPIの可視化については、グループ経営管理（GM）を利用して実現する環境は整いつつありますが、業務単位の機能コードなどグループとしての分析軸について、まだ検討の余地があります。具体的には、業務単位の機能コードを活用することで、グループ経営管理の枠組みの中で、科目別とは異なる管理会計としての詳細な情報把握を、グループ全体において実施していく想定です。

営業部門では、請求書、支払経費は各業務システムで入力し、ワークフローシステム「EXPLANNER/FLⅡ」へ連携、経理部門の伝票承認をEXPLANNER/FLⅡで実施した後は、SuperStream-NXへ自動的に仕訳が計上されるようにしています。SuperStream-NXの人事給与システムや業務系システムなどとの連携はシステム連携ツールのConnectを活用しています。「業務システム側で伝票入力し連携するだけでなく、NECソリューションイノベータのソリューションを活用して新たな伝票入力画面を構築。入力承認を確実に行う事で、正式に確定した情報をSuperStream-NXに取り込めるよう工夫しています。」と大畑氏は説明します。

さらに、経理担当者は、SuperStream-NX 内で直接データを閲覧することができます。また、営業部門では、NEC ソリューションイノベータのBI ツール「SimpWright」を利用して、データの分析や可視化を行っています。さらに、電子帳簿保存法への対応として、証憑管理ツール「ReportFiling」を活用しています。これにより、請求書などの証憑書類は、ワークフローシステム「EXPLANNER/FLⅡ」で申請から承認が行われ、その後、経理部門が「ReportFiling」を通じていつでも簡単に確認することができるようになり、後から証憑を探す手間が減りました。

SuperStream-NXを中心に財務会計の基盤を刷新したことで、ペーパーレス化が進み、環境負荷軽減目標の達成に貢献しています。「以前は小口現金での経費精算などが日常的に行われていましたが、システム刷新後はキャッシュレス化、ペーパーレス化ともに大きく推進できました。」と永井氏は言います。また使い勝手の面でも評価の声が寄せられています。「今はSuperStream-NXから素早く情報にアクセスでき、Excelなどへの出力やデータ加工などが容易になりました。「数字を把握するにも、ドリルダウンしていくだけで伝票単位の情報まで確認できるなど使いやすいです。」と岡村氏は評価します。

システム面では法制度改正への対応がバージョンアップで対応できるなど、従来に比べて運用負担は大きく軽減できています。「我々独自の考え方も少なくないため複雑な仕様になっている面はありますが、NECソリューションイノベータの周辺ソリューションとSuperStream-NXを組合せた業務運用を議論し、新経理システムを構築しました。SuperStream-NXが汎用的なマスタの設定ができるようなパッケージだったからこそ標準機能のままで実現できたのだと思います。」と大畑氏は評価します。

今回の導入プロジェクトは、SuperStream＋周辺ソリューションを活用することにより1年をかけて稼働にこぎつけました。財務会計の基盤はもちろん、新たに伝票起票の仕組みやワークフロー、電子帳簿保存法に関連した証憑管理、BIも含めたデータ可視化の環境も全て同時に刷新しています。「納期がタイトななか、既存業務の洗い出しやパッケージと我々独自の会計に対する考え方のギャップ調整、運用見直しも含めた移行手法、営業部門への啓発など苦労したことも少なくありません。構築途中でインボイスなど新たな要件にも対応する必要があるなど、想定運用を検討しながら開発を進めてもらう場面もありました。そんな状況下でも、社内のメンバーとともにシステム構築を成功に導いたNECソリューションイノベータのおかげで、うまく軌道に乗せることができました」と岡村氏は評価します。

今後の展望：業務改善を進めながら、経営情報のさらなる可視化を目指す

現在は、営業部門に負担をかけないよう従来の運用を維持した形でSuperStream-NXを中心に周辺ツールを使って運用していますが、さらなる業務改善も含めた新たな業務運用にて、業務効率化につなげていけるような環境づくりを進めていく計画です。「当初はスケジュール優先だったため、既存運用の見直しが十分にできなかったが、今後は業務改善につなげていけるように取り組んでいきたい」と岡村氏は言います。

「フジトランスグループとして共通する業務単位に機能コードを設定し、データ収集できているので、将来的には、グループ経営管理上で経営層はもちろん営業責任者にもセグメント別に可視化することで、データドリブンな経営判断に活用してもらえるようにしたいです。」と岡村氏は力説します。「SuperStream-NXにある会計データに、単価、トン数など非財務データも紐づけていくことで、さまざまな分析も可能です。DX推進による付加価値創出にも役立つことでしょう」と大畑氏も語ります。

さらに、グループ会社が手掛ける事業が多岐にわたる同社だけに、顧客別の収支管理を的確に把握できる環境が望まれています。「業務がグループ会社に分散しているため、お客さまごとの収支を把握することが難しい状況でしたが、新経理システムを利用してグループ全体での詳細な収支が可視化できれば、営業活動にも役立てられるはず」と永井氏は今後について期待を寄せています。