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第1回 災害対策、危機管理対策を織り込んだ
事業継続力向上のシナリオづくりへ

BCP・リスク対策コンサルティング / シリーズ BCPの視点

大地震、大水害、巨大台風、大火災、インフラ障害、システムダウン、重大事故・・・
それは、不測のリスク、想定外の事態への備え。

BCP対策が必要不可欠な時代に

事業継続対策とは、言い換えれば、「何かあった時に事業を継続するためにどうするか対策」で、災害対策を想定したリスクマネジメント=危機管理の根幹を成すものといえるかもしれません。

中国で古来より名言名句として伝わる教訓説話のひとつに、「舟覆(くつがえ)りて乃(すなわ)ち善(よ)く游(およ)ぐを見る」という説話があります。船が転覆して海に放り出された時、はじめて上手に泳ぐ人が明らかになる、という意味です。事業継続対策にも通じるものがあるのではないでしょうか。

不意にリスクの海に放り出された時にも慌てず、波に飲み込まれず、事業という舟を早期に立て直すにはどうするか。あらゆるリスクを想定し、そのリスクが現実のものとなった時、実際に被災した時の対処法をシナリオ化し、事業を継続する手立て、あるいは早期に事業復旧する手立てを確保しておくことです。

最悪のケース、「想定外」の緊急事態、事業所そのものが壊滅的な被害を受ける重大危機をも想定し、事業復旧、事業継続の一の手、二の手、更には三の手、四の手までを考え、講じておく。事業継続対策は、危機管理能力あるいは危機対処能力が問われる課題といえるでしょう。

BCP対策を考える上での潜在リスク

事業継続にダメージを与えかねないリスク要因は多様です。事業継続対策の策定作業は、事業継続・復旧にあたっての優先順位付け、脆弱性(ボトルネック)の特定といったビジネスインパクト分析から始まります。最悪のシナリオを想定することが肝要ともされています。

地震等の自然災害、不測の事故、社会インフラの障害に起因した電力ダウンやシステムダウン、感染症パンデミックなど、数え上げればきりがありません。世界規模でサプライチェーンが構築された昨今では、調達先がある国・地域で起こった事故・災害が引き金となることも少なくなく、これらはドミノ倒しのように襲いかかる連鎖的な危機といえます。

3.11やタイでの大洪水においては、部品供給が断たれ、生産・製造・販売が立ち行かなくなる深刻な事態も起きています。仕入先、調達先、協業先に対しても同様に事業継続対策を共有する方法を考えておかなければなりません。サプライチェーン全体をひとつの事業構造体として考え、全体としてリスク分散を図る方法、危機に直面した時に早急にチェーン全体を再稼働できるよう、関係者全員でビジネスインパクト分析を入念に行い、危機管理対策を講じておくことも大切ではないでしょうか。

BCPとBCM、事業継続対策の両輪として

事業継続対策の全体計画となるのが、事業や業務を継続性の観点からシナリオを策定し、全体計画として具体化にとりまとめた事業継続計画「BCP(Business Continuity Plan)」です。具体的なリスクとそれによって被るダメージを想定し、継続対象とする事業や業務の優先順位を決め、復旧目標とする期間や時間を設定するなどの作業が含まれます。

このBCPを企業、事業所の各組織、関連部署に浸透させ、危機の際に有効化させる包括的なマネジメントプロセスが「BCM(Business Continuity Management)」です。(BCMにPDCAサイクルを含めたBCMS(Business Continuity Management System)という考え方もあります。)

BCPを基本計画書としたら、BCM(BCMS)は現場での実践的かつ戦略的な運営手法といったところでしょうか。事業継続対策を確立し、必要とされる事態が起こった際に迅速かつ的確に実行するには、BCPの策定とBCM(BCMS)の運営を両輪として機能させなくてはなりません。計画は立派なのに、BCP発動時に現場が即対応できなかった、そんなことでは済まされないのです。

BCP策定にあたってIT面での事業継続対策検討は不可欠

生産、製造、物流といった物理的なインフラと並び情報システムやネットワークのダウン、サイバー攻撃の脅威に備える対策も重要です。データや情報をはじめとしたIT能力の喪失によって事業が中断すると、事業所は陸の孤島と化してしまいます。

危機を回避するには、従前より行っていたセキュリティ対策、バックアップ対策、重要データの保護対策を、事業継続対策という視点から改めて見直し、より強化していく必要があります。BCPにおけるITの重要性を認識し、その対策を講じていく、IT-BCPという発想です。

昨今、低コスト化、効率化の徹底のために、ITインフラの整備にコストや人材をかけられないところも多いかとは思いますが、不測の事態に対して脆さを残したままにしておいてはいけません。既存設備については自然災害とそれに伴う火災、施設建屋の損壊などに備えた設備面での強化が不可欠です、新規対策としてはデータセンターサービスなどを積極的に活用していくのが現実的かと考えます。TCO削減にもつながることでしょう。
ちなみに、情報セキュリティマネジメントシステム(ISMS)の構築にあたっては、BCMも重要な要素のひとつとされています。

BCP対策は事業・業務の見直しに通じる

先に、事業継続対策の策定作業は、事業継続・復旧にあたっての優先順位付け、脆弱性(ボトルネック)の特定といったビジネスインパクト分析から始まると述べました。つまり、BCP事業継続計画策定に向けた作業は、事業や業務プロセスやオペレーションの見直しと問題点の抽出、課題の洗い出しなどに通じるということです。部品調達やサプライ供給体制の現状、代替先確保がきちんとなされているか、施設・設備・システム等の脆弱性のチェックなども併せて行うことができます。

BCPへの取り組みは、見方を変えれば、現状を冷静に診断・分析する作業を徹底して行う絶好の機会ともいえるのです。事業継続力を高めていくことは、より強固な事業基盤、事業体制をつくりあげていくことにつながる、そう考えてみてはいかがでしょう。

BCP、BCMの有効化へ、事業継続対策のプロの助言を

事業継続対策については、かなり前からその必要性が重要視され、内閣府や中小企業庁などの国レベルはもとより、地方自治体においても企業、事業者に対して事業継続対策策定ガイドラインを提供するなど取り組みを強化、推進してきています。
とはいえ、企業や事業者において事業継続対策への取り組みに温度差があったのは確かです。BCP、BCM(BCMS)の浸透は緩慢だったのではないでしょうか。

意識の転換点、取り組み必須化の契機となったのが、3.11の大震災、大津波被害でした。
3.11以降、事業継続への意識は急速に高まり、本腰を入れて整備に取り掛かるところが増えています。既に取り組んでいたところでは、計画およびマネジメントプロセスそのものの見直しを進める動きが広がっています。

NECソリューションイノベータでは、事業継続対策に関するコンサルティングサービスの提供をはじめ、事業継続プロジェクトの支援、現行のBCP/BCM(BCMS)の診断、見直し、再強化など、企業・事業者それぞれの事業展開に応じたコンサルティングにおいて数多くの実績を有しています。

大地震、大水害、巨大台風、大火災、インフラ障害、システムダウン、重大事故・・・不測のリスク、想定外の事態に備える災害対策、危機管理対策、事業継続対策がしっかり講じられているか、どうか。企業、事業所の評価基準としてBCP/BCM(BCMS)がクローズアップされてきた時代、私たちNECソリューションイノベータのBCPコンサルティングチームのノウハウ、適切な助言とサポートを是非活用していただきたいと考えます。

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