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職員の休暇取得や残業の実態をわかりやすく「見える化」し、働き方改革や業務の平準化へ向けた推進力を獲得
倉敷中央病院様

倉敷中央病院
情報システム部
課長
松井 靖浩氏

倉敷中央病院
情報システム部
班長
原田 和樹氏
事例の概要
課題背景
- 専門性が高く特殊な業種業態の現場においても、働き方改革を推進するための関係法律の整備に関する法律(以下 働き方改革関連法)への対応が急務だった。
- 労働基準法の労使協定=36(さぶろく)協定にもとづき、法的に決められた職員の休暇取得や残業の実態を“見える化”し、正確に把握する必要に迫られていた。
- 特定職員への業務の集中や偏りをなくし、業務の平準化を推進したかった。
成果
- わかりやすいユーザーインタフェース(UI)で、働き方改革の推進に弾みがついた
機能に精通しなくても、簡単に操作できるビジュアルにより、職員自らが進んで活用でき働き方改革へ大きな弾みがついた。 - 休暇や残業の実態がひと目でわかり、是正への即時アプローチが容易
職員の休暇取得や残業の実態がひと目でわかるようになり、上司や周囲の職員からリアルタイムで休暇の勧奨や残業是正へのアプローチが可能になった。 - 残業時間の正確な把握を通じて、業務の平準化への基盤を整備
残業時間の正確な見える化により、業務負荷の高い職員や部署をすぐに特定することができ、業務の平準化に取り組むための基盤が整った。
導入前の背景や課題
働き方改革へ対応するため、勤務実態の見える化が喫緊の課題に
岡山県倉敷市にある公益財団法人 大原記念倉敷中央医療機構 倉敷中央病院様(以下 倉敷中央病院様)は、病床数1,172床、スタッフ総数が3,700名を超える、全国でも屈指の大規模な総合病院です。
倉敷中央病院様では、人事部の人事管理と勤怠管理の各システムを更新するにあたり、規定休暇の消化や残業時間の把握など、勤務状況の“見える化”が大きなテーマとなっていました。その背景は、医療機関という専門性の高い業種においても、2020年度から施行された働き方改革関連法への対応が求められたためです。
「客観的な打刻による勤怠管理や、法に定められた休暇の取得、残業時間の正確な把握が差し迫った課題として浮上していました。当院の36協定では、月45時間以上の時間外勤務を連続7か月、月80時間の時間外勤務を連続3か月、月100時間を超える時間外勤務は行ってはならないと取り決めております。
この取り決めに違反している状態であることを職員自身は自覚していたものの、上司や他の職員は正確に把握できていませんでした。」と松井氏は振り返ります。したがって、残業過多や休暇の取得不足の職員へ、上司や周囲のメンバーが注意や休暇取得を促すといった流れもできていなかったといいます。
倉敷中央病院様では、勤務実態を見える化し、それらの情報を部署内さらに院内で共有できれば、現状の業務環境をかなり改善できると考えました。また、残業時間や休暇取得状況の見える化を通じて、業務の集中や偏りを把握した上で、平準化への取り組みも可能になると判断しました。
これらの課題を解決するために、職員の勤務状況をわかりやすく見える化できる「NEC働き方見える化サービスPlus」(以下 本サービス)の導入を決定しました。

労働時間の適正化とチームの生産性向上で働き方改革をサポート
選択のポイント
操作が直感的に理解でき、ビジュアルでわかりやすいUIが最大の魅力
きっかけは、NECの中国NUA(*1)で本サービスのデモを実見し、きれいでわかりやすいという印象を抱いたからだといいます。
「実際に操作してみて、直感的に理解できるシステムだと思いました。機能に精通しないと使えないということはまったくないし、職員が直感的にすぐ使い始められ、システムに不慣れな職員でも簡単に操作できる点がとても重要だと感じました。院内へ普及させるためのレクチャーは、まったく必要ありませんでした」(松井氏)。
院内の業務は多忙なため、このようなサービスは短時間ですぐに理解できるUIが不可欠で、職員自らが進んで使いこなせるのが理想的です。また、管理者側から見れば、本サービスは非常に手離れのよい点でも印象的だったといいます。
「残業時間がひと目でわかり、黄色は残業超過気味で危ないとか、赤だから是正しようとか、わかりやすく色分けができる点が非常に優れていると思いました。また、ダッシュボード機能を見て、職員の勤務状況がすぐに把握できるのに大きな魅力を感じました」(原田氏)。
また、従来は残業超過や休暇未取得の職員の実態がわかりにくく、上司から部下へ積極的なアプローチができていませんでしたが、本サービスによるわかりやすい“気づき”を通じて、それがリアルタイムで可能になるという点が、導入への大きな動機になったといいます。
「当院ならではの休暇やスケジュールなどのカレンダーがありますが、NECさんもそれをよくご存じで、その一覧表を渡しただけで面倒な初期設定(*2)をすべてやっていただけたので、とてもスムーズに導入できました」(原田氏)と、導入時のサポートについても高く評価しています。
こうして、2019年の暮れに導入を決定し、2020年3月から情報システム部や他の部署を含め、まず30~40人の職員から本サービスの利用をスタートしました。
- *1:NUA:NECユーザー会/NEC Users Associationの略
- *2:倉敷中央病院様はオンプレミスで導入
導入後の成果
勤務状況の“気づき”を通じて、危険な職員への即時アプローチが可能に
倉敷中央病院様では、なによりも職員がどのような業務や働き方をしているのかが、グラフィカルにひと目で見えるようになったことが最大のメリットでした。従来は把握しづらかった年休取得数が、わかりやすく見える化され“気づき”が容易になり、取得の少ない職員には上司から即座にアプローチすることが可能になりました。
また、残業時間が見える化されたことで、業務負荷の高い職員をすばやく特定することができ、業務の平準化を進めていく基盤も整いました。同時に、職員の働き方改革への取り組みに大きな弾みがついたといいます。
「たとえば、院内では人事部門の業務負荷が非常に高いのですが、従来は負荷が低減したかどうかを客観的に見られるのが残業時間のみでした。それが、本サービスを導入する前と後でどれだけ負荷が減ったのかを見える化することで、はっきり低減してきていることが見てとれます。また、実際に見える化された効果は、導入の成果としてレポートしやすくなりました」(松井氏)。
さらに、職員の都合やスケジュールを、メールで関係者へ送信していますが、本サービスの「ひとこと機能」や「ダッシュボード」を活用することで、一括して周囲へ告知できるようになります。「今日は休暇です」「子供の運動会で休みます」「明日の予定です」など、職員の間では好評のようで積極的に利用する例も出始めています。

現在は、事務系や薬剤師などの部署で700~800名が本サービスを活用していますが、業務内容や勤務体制が異なる部署によってその使われ方は多様のようです。それだけ業態や業務に合わせ、さまざまな使い方ができる柔軟性の高い本サービスですが、コミュニケーション機能の本格的な活用はこれからだといいます。
「見える化を通じて、職員の間で業務や勤務の情報共有が進めば、相互に業務負荷をうまく分散したり、きちんと仕事をこなしている職員の評価が高まるなど、本サービスのさまざまな使い方がこれから増えてくると思います」(松井氏)。
倉敷中央病院様では、現時点で本サービスを活用している職員をコアユーザと位置づけ、多彩な機能を十二分に使いこなせるようにしていきたいとの意向です。また、本サービスの導入例をNECから紹介してもらい、それを院内の部署に当てはめるとどのような成果が得られるのかを研究し、働き方改革の推進に役立てていきたいと考えています。

公益財団法人 大原記念倉敷中央医療機構 倉敷中央病院
所在地 | 〒710-8602 岡山県倉敷市美和1-1-1 |
創立年 | 1923年 |
事業内容 | 「患者本位の医療」「全人医療」「高度先進医療」の3つの基本理念を掲げ、 地域住民の健康を守るため最新・最高の医学による最良の医療を志向する、倉敷市内に 本部を置く全国屈指の総合病院 |
病床数 | 1,172床(一般1,157床、精神病床5床、第2種感染症10床) |
建物面積 | 148,291m2(ヘリポート含む) |
職員数 | 3,426名(左記以外のパート職員350人) |
関連資料
3分でわかる。NEC働き方見える化サービスPlus

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