INTERVIEW 初動捜査の進化でより安全・安心な暮らしを創る。 | NECソリューションイノベータ

INTERVIEW

初動捜査の進化でより
安全・安心な暮らしを創る。

通信指令システム導入

尾崎 嘉昭

尾崎 嘉昭YOSHIAKI OZAKI

  • 電気工学科 卒業
  • 官公ソリューション事業部
小林 有

小林 有TAMOTSU KOBAYASHI

  • システム工学科 卒業
  • 官公ソリューション事業部
新地 秀美

新地 秀美HIDEMI SHINCHI

  • 人間科学学科 卒業
  • 官公ソリューション事業部
奥住 広大

奥住 広大KODAI OKUZUMI

  • システム工学科 卒業
  • 官公ソリューション事業部
伊串 佳那子

伊串 佳那子KANAKO IGUSHI

  • 情報系学科 卒業
  • 官公ソリューション事業部

SUMMARY

NECソリューションイノベータが警察の通信指令システムを高速化・正確化する新システムを提案。Web化で警察内連携が強化され、情報伝達が高速化・密度向上する。独自の提案で落札されたが、機密性の高い情報を扱うため権限の設定が課題となった。結果、100件以上の要件を達成し、新システムの開発が成功。今後はお客様目線でシステムを提案し、警察とともに通信指令システムの未来を拓いている。

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警察内の情報伝達をもっと高速にし、
正確さも高める新システムを提案。

今日も日本の各所で、助けを求める110番通報が鳴り響く。通報は発信場所を管轄とする自治体の警察本部の通信指令センターに接続され、通報の内容や位置情報をもとに指令を受けた警察官が現場へと急行する。事件解決にはそういった初動捜査において、情報の正確性やスピードが重要な要素となってくる。それを担う通信指令システムの開発に、NECソリューションイノベータは長年携わってきた。システムの更新は5年に一度、複数の企業で入札する。決定は提案内容で判断され、落札されれば契約を経て開発に移るのが通常の動きだが、ある県警とのプロジェクトは特別な事例となった。「他に類のない提案ができた」(小林)。特別な事例を生んだ要因は、開発リーダーの新地が担当する新システム。その仕組みは、情報をWeb化することで警察内の連携を強化する効果が期待できるというものであった。この他社にはない独自の提案が大きなリードにつながった。警察内の連携が強化されれば、情報伝達がより高速化され、さらに現場に伝わる情報の密度も濃くすることができる。新しい試みであるからこそ、提案活動は半年にも及んだが、通信指令システムで長年キャリアを積み重ねてきた尾崎と小林がタッグを組んで県警に通い詰め、要件をまとめ上げたことで見事落札した。

インタビュー写真1

警察が扱う情報は機密性が高い。
開発の課題は、システムの権限だった

他にはない新システムの提案で見事落札したが、開発においては問題もあった。開発に入る前に解決のための課題を取りまとめたのは、プロジェクトリーダーの小林と尾崎。「問題の整理と、ゴールに向かっての調整はプロジェクトリーダーの役割。今回は課題が複雑になりそうだったため、開発チームとの連携を大切にして進行しました」(小林)。今回のプロジェクトでは、課題の取りまとめに新システムの技術的な確認も必要であったため、ヒアリングには開発リーダーの新地も参加。「警察が扱っている情報は非常に機密性の高いもの。警察内であっても安易に情報を共有してはいけない」(尾崎)。システムの参照、更新、出力といった機能を誰にどこまで認めるのか、情報連携を強化したい一方でリスクも抑える、そのための制御には細心の注意が必要だった。システムの詳細を決めるために警察内で認識を合わせ、要件をまとめた結果、出揃った課題は100件を超えた。「警察内で合意をとる先が増え、通常よりもスケジュールの調整が大変だった」(新地)。膨大な要件を関係者に伝え統制していくのは至難の技だ。ところが、新地はそれをやりきった。大切にしたのは、各者との事前調整。このような現場の努力と地道な業務が、NECソリューションイノベータの技術力を積み上げてきた。

インタビュー写真2

新しい試みは、次の提案へとつながる。
プロジェクトのさらなる発展が始まった。

今回のプロジェクトのように新システムを導入する試みは、NECソリューションイノベータだけではなく、お客様にとっても膨大な時間とエネルギーが必要となる。しかし、プロジェクトをやり遂げれば、それは次の提案活動へとつながる。次世代を担う若手のプロジェクトリーダー奥住は、このとき、まさに当プロジェクトの導入実績を元に、別の県警に提案している最中であった。提案においてのこだわりは、「要件を伺ったうえで、お客様の意図や、本当に実現したいことをさらに深堀すること」(奥住)。提案中の県警にも新システムに興味をもっていただき、プロジェクトはさらなる発展を始めている。この先具体的な話が進めば、システムを導入する上で県警独自の課題を抽出し、より県警の環境に適した通信指令システムの仕様を考えて開発にあたることになる。仕様の違いが分かりやすく現れる部分は、事案と呼ばれる、情報を入力するためのフォームの設計だ。「運用しやすいバランスを考え、慎重に行っています」(伊串)。事案開発担当の伊串は、開発者としての心得を語ってくれた。

インタビュー写真3

大切なのは「お客様目線」。
警察とともに歩み、通信指令システムの未来を拓く。

開発を終えた今回のプロジェクトだが、通信指令システムの大前提は24時間止まらずに機能し続けること。導入して終わりではなく、この先システムを維持するための保守と修繕作業も重要な役目だ。そして、今後の展望を小林が語った。「長年業務に携わっているとどうしても開発者目線になってしまいますが、お客様目線であることが大切。今回のプロジェクトも、ひとつ掛け違えれば、全く異なる意味合いのものになってしまう。新しいシステムを使いたかったのではなく、警察組織の変化のタイミングをみて提案したもの。私たちがこの先も持ち続けなければならないのは、お客様の現場で役立つシステムは何かを考え、提案すること。お客様との関係性が、御用聞きになってはいけない。目的をしっかり考え、お客様に一歩踏み込んだ期待を超える提案ができるよう心がけています」(小林)。長年キャリアを歩んできた小林の言葉は、これまで築き上げてきたものを体現している。高度な技術力の向上を試みるだけではなく、真摯に向き合うことで生まれる信頼も大切にし、今後も警察とともに歩み通信指令システムの未来を切り拓いていく。

インタビュー写真4

※本記事の内容は取材当時のものです。
※所属組織は取材当時のものです。

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