INTERVIEW 世界に誇る顔認証技術で、スムーズなウォークスルー社会へ。 | NECソリューションイノベータ

INTERVIEW

世界に誇る顔認証技術で、
スムーズなウォークスルー社会へ。

顔認証入退場管理システム開発

小林 通

小林 通TOORU KOBAYASHI

  • 機械工学科 卒業
  • エンタープライズシステム事業部
木ノ嶋 崇

木ノ嶋 崇TAKASHI KINOSHIMA

  • 理工学研究科 卒業
  • エンタープライズシステム事業部
半田 享

半田 享SUSUMU HANDA

  • 物理学科 卒業
  • デジタル事業ライン
外山 紘之

外山 紘之HIROYUKI TOYAMA

  • 理工学研究科 卒業
  • デジタル事業ライン

SUMMARY

NECグループは、オフィスセキュリティ向上のために入退場管理システムに顔認証技術を導入。顔認証技術は認証に時間がかからず効率向上に最適。ただし、マスク着用者や古い写真で認証が難しいケースも。技術はライブ会場でチケット転売防止を目的に実用化が始まっており、今後、イベント会場や世界中のオフィスの入退場管理にも広がることが期待されている。NECの顔認証技術は、セキュリティと効率性を両立させることで、入退場管理を革新的に進化させる可能性がある。

VIEW MORE

重要性を増しているオフィスセキュリティ。
入退場を24時間、管理する責任。

情報漏えいの防止は、あらゆる企業にとって重要さを増している。セキュリティ強化のために、オフィスの入り口で社員やゲストの入退場を管理するシステムは、多くの企業で導入されている。駅の自動改札のように、ICカードをかざすとゲートが開いて入退場できる、あのシステムだ。NECグループにおいても、このような入退場システムは、グループ共有のシステムとして、多くのグループ企業で導入が進んでいる。このシステムの運用と新たな機能の開発を担っているメンバーが、NECソリューションイノベータにいる。エンタープライズシステム事業部の小林通と木ノ嶋崇だ。
特に木ノ嶋は入社以来、ずっと入退場システムを担当してきた。「入退場システムから各社の管理しているゲート運用システムへ社員のデータを渡して、ゲートの開け閉めを管理しています。夜間も含め、24時間、止まらずに動いている必要があるのが難しいところです」(木ノ嶋)。社員の申請を元に、入場権限を付与したゲストカードの発行を行う申請システムとの連携も得意とし、申請されたフロアの自動ドアだけが開くゲストカードを発行できるなど、セキュリティ強化のためのノウハウがこの入退場システムには詰まっている。

インタビュー写真1

人の動きが多様化している。
セキュリティと効率を両立させよ。

当初はセキュリティ強化だけを考えていた入退場管理だったが、近年、事業環境の変化により、求められることが増えていると小林は言う。たとえば、グループ内での社員の行き来が増えていることへの対応。NECグループは社会ソリューション事業を推進するなかで、様々なグループ企業同士が連携している。同じグループ企業の社員であれば、ゲスト扱いではなく、自社の社員と同様にスムーズな入退場を可能とすることが求められる。これを実現するためには、NECグループ全体の約10万人をシステムへ登録する必要があった。所属企業や雇用形態も様々ななかで、『誰に、どこまでの入場権限を認めるか』など、ルールは複雑になりがちだ。
とはいえ、あまりに管理を厳しくして、いちいち社員がゲートで足止めされてしまっては、入退場システムが、グループ企業の協力や仕事の効率を妨げる足かせとなってしまう。“高度なセキュリティレベルを保ちつつの効率化”という、相反しがちなものを両立させるべく、入退場システムをバージョンアップするプロジェクトが2012年から始動した。「NECの総務部と一緒になって、ずっと改善を重ねてきたわけですが、さらに視野を広げ、新しい技術も取り入れようと、顔認証のチームにも加わってもらうことにしたんです」(小林)。

インタビュー写真2

世界に誇るNECグループの
顔認証チームがプロジェクトに合流。

入退場管理におけるセキュリティと効率の両立を目指して、プロジェクトに招かれたのが、先端技術ソリューション事業部の半田享と外山紘之。NECグループの顔認証技術は、認証精度では他社の追随を許さない世界一の技術。この技術を様々な企業や団体の課題解決に活かそうと動いているメンバーだ。様々な生体認証があるが、顔認証は、指紋や静脈認証などよりも認証に時間がかからないため、入退場管理の効率向上に最適な技術として選ばれた。「ゲートを通る可能性のある約10万人の社員の顔認証用データを、試験や評価目的でなく、実運用上で登録するのは私たちにとっても初めてのことでした」(半田)。NECグループの顔認証技術は、撮影した時期から10年ほど経過している写真や、メガネの有無に関係なく認証できることが強み。しかし、それでも登録を行う顔写真のなかには、解像度が足りなかったり暗かったりと、顔認証に適さないデータも多く苦労したと言う。認証のスムーズさを追い求める一方で、誤認証は許されないという高度なセキュリティレベルが求められる。試行錯誤を繰り返し、半年ほどかけて、まずは2013年、社員証を忘れた社員の本人認証を行うものとして開発した。「実際にゲートのところで社員証を忘れたことにして、試してみたことがあったのですが、きちんと自分も認証されたときは嬉しかったですね」(半田)。

インタビュー写真3

自社で鍛えた技術を展開し、
世界の入退場ゲートを担う存在へ。

現在は入退場のゲートを、NECの関連部門と協力して顔認証のみで通行可能とする実験がまさに進行中。NEC本社地区の一部のゲートにカメラを設置し、データをとりながら分析が進む。「やはり出勤時や退社時は、ものすごい数の人が次々と通ります。現場にも時々足を運びながら、想定外のことでシステムトラブルが発生し、混乱が生じないよう、実環境で試しているところです。冬から春にかけてはマスクをしている人が多いことも課題です。魔法の技術ではないので、顔の大部分が隠れてしまっていると、うまく認証を行うことができません。通る人たちにマスクを外して通行してもらうよう説明するなど、運用も含めてノウハウを蓄積しています。ハードルは多いけれど、越えられないものはないと思っています」(外山)。入社以来、顔認証を担当している外山は、社内外からの顔認証への強い注目を感じていると言う。実際に見せてほしいというお客さまも多く、スーツケースにデモ機を入れて、実演に行くことも多いと言う。「やはりこのすごさは体験してもらうのがいちばん早いです」(外山)。すでに「ももいろクローバーZ」のライブ会場などで、チケット転売防止を目的に入場者の顔認証システムの実用化も始まっている。10万人規模のNECグループの入退場管理で技術と運用を確立させ、各種スポーツイベントを始め、コンサート会場の入退ゲートや、世界中のオフィスの入退場管理などをNECソリューションイノベータが担っている日も近い。

インタビュー写真4

※本記事の内容は取材当時のものです。
※所属組織は取材当時のものです。

ENTRY

26卒ENTRY