Part1 今、なぜ管理会計が必要か?
第2回 次世代の管理会計システムで、勝ち残れ!
第2回 次世代の管理会計システムで、勝ち残れ!
登場人物のご紹介
ナビゲーター:勝見
会計システムに悩める人々を優しくナビゲートする。
A社会長:佐伯
国内に数箇所の子会社を抱える大手企業A社の会長。現場好き。
A社社長:岡本
A社社長。経営の可視化を目指し、日々奮闘している。
A社監査役:松田
岡本が社長を務めるA社の会計監査を担当している。
A社経理部長:友田
A社の経理部門を統括し、グループ全体の決算業務を担当。
A社情報システム部長:川上
A社のシステム部門を統括し、会計システムの連携を担当。
A社社長秘書:なかじ
社長を陰で支える心優しい秘書。前職はSEで、ITに強い。
【Part1】今、なぜ管理会計が必要か?
厳しい経営環境が続いています。経済成長の前提のもとで活動してきた多くの企業は、予想をはるかに超える市場全体の変化(トレンドの転換)を前に、抜本的な経営改革を余儀なくされています。
そのような状況下、管理会計(システム)が大きな注目を集めています。管理会計は、決して目新しいものではありません。既に多くの企業で取り組まれていると思います。ところが「管理会計で何かできるの?」「管理会計で競争に勝てるの?」そういったご質問をよく頂きます。なんとなく理解していても、上手く活用できていない、それが管理会計の現状のように思います。今回は管理会計に関する様々な疑問や誤解を少しずつ紐解きながら、これからの管理会計システムのありかたについてお話ししたいと思います。どうぞしばらくの間、お付き合い下さい。
こんなお悩みございませんか?
「経営を可視化したいが課題は山積。どうすればよいのだろう?」
そんな時は、「管理会計」への取り組みがきっとお役に立ちます。まず「管理会計」について正しく理解することが課題解決のスタートラインです。
「管理会計で何をすればいいんだ?」
何から手をつけてよいか分からない時は、まず実績データをしっかり管理することから始めましょう。
きちんと収集された実績は、不確実な現在において、最も信頼できる情報です。しっかり収集して分析すれば、経営に役立つ大きな発見があるはずです。
「管理会計システムの構築は大変、ゼロから作ると膨大な費用が掛かる。
それを少しでも削減する何かはないものか?」
そのようにお考えの方は、この後を是非ご覧下さい。きっとヒントが見つかると思います。
管理会計が本当の威力を発揮するまでには助走期間が必要です。必要なデータが蓄積される期間や企業内に管理会計を根付かせるための期間を考えると、最低でも2年から3年というスパンでの取り組みが必要だと考えます。
さぁ、今すぐ準備を始めましょう。正しく管理会計に取り組めば、その成果は3年後に圧倒的な力の差となって現れてくると思いますよ!
管理会計と制度会計の違いについて
制度会計
『制度会計』は社外の利害関係者に対して一定期間の活動成果を報告するもの。決算書類は法令等で定められた会計ルールに則り作成する必要があります。
管理会計
『管理会計』は企業内部の活動に用いるものであり、外部公開が本来の目的ではありません。よって、個々の会社の事業の特徴・実態を反映した独自の手法を採用することができます。
- ※但し、新会計基準「セグメント情報等の開示に関する会計基準」において導入されたマネジメント・アプローチでは、外部報告の単位を内部報告の単位に合わせることを求めているため、管理会計と制度会計の整合性の確保は、より重要になります。
自社の業績を左右する特性・要因を考慮して、自社独自の管理視点を見つけ、 その管理視点を経営に活かしていくことが重要になります。
そのためのツールが管理会計です。
ちょっと補足します。
ただし、管理会計システムを導入しただけでは、経営の見える化は実現しません。まして、管理会計システムが自動的に意思決定してくれることはありません。
出だしから盛り下げちゃってごめんなさい。だけど重要なことなので先に言っておきます。