必死で取り組み、調整を繰り返しながら、組み上げてきたBCP。しかし、「これで本当に大丈夫だろうか?」という不安もどこかにあるのではないでしょうか。NECソリューションイノベータでは、「よくありがちな見落としポイントを紹介。見直しに向けた取り組み強化を支援。」というサブタイトルのもと、BCP策定にあたって見落としがちなポイントにフォーカスを当て、過去事例などを交えながら具体的に検証してみる実践型セミナーを開催。当日は、首都圏を中心に67社75名が参加し、BCPの見直し、強化に向けた取り組みの広がりを改めて確認するセミナーとなりました。
1万7千人調査をもとに熊本地震の際の企業対応を検証
熊本地震を受けて『リスク対策.com』では同社メルマガ読者1万7千人(うち50%が取引先など含め何らかの被災)を対象に企業の被災状況、事業への影響、課題と苦労などについてアンケート調査を行いました。第一部では、『リスク対策.com』編集長 中澤幸介氏が登壇し、『熊本地震での企業の対応大検証!』と題して、このアンケート結果を報告するとともに、熊本に事業所、拠点を置く大手製造業、小売業、建設業での具体的な取り上げ、それぞれの対応から学ぶべきポイントを紹介。危機管理の基本とBCPの改善方向について実践的な研究となりました。
また、BCPと地域(継続)の関係という視点から、各事業の継続により地域機能が維持し、事業の早期復旧により地域経済が復興・地域の雇用確保といった個々のBCPが地域継続につながることを紹介する一方、自社事業の復旧を優先した行動が地域に悪影響を及ぼしかねないことがある点についても言及。中澤氏は、BCPの改善方向に向けて、BCPを地元地域との関わり合いで見ていく視点が欠かせないと語りました。
BCPを阻害する原因検証について5事例をもとに解説
BCP 策定にあたって、自社の事業に影響を及ぼすだろうリスクの全てを洗い出すのは大変です。しかし過去事例をもとに、自社に当てはまることはないかチェックしてみることで見落としがちなリスク要因を再検証してみることは可能です。第二部では、当社の角道(BCPコンサルタント)が、BCPがうまく機能しなかった実事例として下記5つの事例をピックアップ。
- 事例1:水害発生時の海外支店への復旧指示の遅れ
- 事例2:熊本地震での余震による復旧作業の遅れ
- 事例3:BCP訓練時の情報システム復旧作業の遅れ
- 事例4:洪水発生時の自家発電装置に対する脅威
- 事例5:熊本地震での客先常駐者に対する対応不備
それぞれについて、どのような事態があって問題が発生したのか、その原因と解決ポイントについて解説し、セミナー参加者の皆様のBCPの策定・改善に向けた題材としていただきました。
生の声と具体事例をもとに、BCPの実践にあたって弱点となりかねない見落としポイントを読み解いた約2時間のセミナー。参加された皆様の今後の取り組みに役立つことを願っています。