今回のセミナーでは、4つのテーマを取り上げ、それぞれの技術のポイント、具体的な活用事例、利用提案について映像・デモ実演を交えて発表しました。発表を熱心に聞かれる皆様の様子に新技術・新ソリューションに対する関心の高さがうかがえました。
各発表のポイント、様子について以下にまとめました。
“直感ドローン操縦” (研究紹介)
顔を上げれば上昇、体を前に傾ければ前進。人の「体」の動きでドローンの動きをコントロール。ドローン活用の可能性を広げる新技術を紹介。
ドローンの操縦は、一般的にはコントローラについた2本のスティックを使い、ドローンが空間をどのように移動するのか想像しながら操作する必要があり、スキルの習得には時間を要します。その常識を変えるのがこの技術です。
発表では研究の狙い、技術開発のポイント、操縦の様子(映像)を紹介。保守点検業務でのドローン活用や、災害時の緊急利用に向けて新たな可能性の扉を開くものとして“直感ドローン操縦”のメリットをアピールしました。また、別会場にて「体」がコントローラになる実際をご覧いただくデモ飛行を実演しました。仙台では初お披露目の技術。質疑応答では動きの制御に関する具体的な質問もいただき、研究への関心を確認するセミナーとなりました。
遠隔業務支援システム
音声+映像、書込みによる指示…スマートグラスを使った作業現場支援の新スタイル。
熱心に体験される方の姿が印象的でした。
発表では、スマートグラスを使うことで作業者はハンズフリーの作業環境が確保され、現場映像をリアルタイムで共有している支援者からアドバイスなどが受けられることを事例を使って紹介。キャプチャーした映像にマーキングして指示したり、手順書を送ったり、地図情報を提供したりといった様々な情報共有のあり方が提案されました。また当面はスマホやタブレット等を活用し、将来的にスマートグラスへの移行を考えてもよいとの説明は、このシステムの活用をより身近なものとして受け取ってもらえたのではないでしょうか。製造業では安全確保支援や熟練者ノウハウの共有に、保守点検業務では現場支援、警備関連では緊急時対応支援など、具体的利用事例を交えて紹介された新技術。関心も高く、体験には多くの方が参加され、感嘆の声も聞かれました。
ご参考:遠隔業務支援システム
不審者検出・入退室チェック
世界最高レベルの顔認証エンジンを活用。
施設入退管理に注目の新技術として登録からチェックの実際までをご覧いただきました。
このソリューションは、データベースに登録されている顔とカメラに映った顔を照合することで本人の確認、特定人物の発見などが行えるもの。入退管理に利用すれば、顔認証だけでドアを開けることもできます。発表者からは技術によって可能になる利用例が様々に提案されました。
とはいえ、資料説明だけでは実感しにくい技術。そこで入退室チェックの使い方をその場で実演。発表者が自らを「不審者」としてその場で顔画像を登録し、会場にいる人物の中から自分がどのように不審者として検出されるのか、論より実演の技術紹介は、インパクトがあったものと思います。
性別・年齢自動推定システム
顔認識をマーケティングに活かす新技術。
イベントや商業施設での実際の利用方法に加え、笑顔を判定するユニークな使い方もご紹介。
時間帯別、入り口別、コーナー別にお客様の構成にどのような変化が見られるか。このシステムなら、性別・年齢を自動推定し調査に役立てることができます。
また、デジタルサイネージへの活用については、どのようなコンテンツをどのような人が見ていたかといった調査に加え、今サイネージの前に居る人にマッチしたコンテンツを放映をするといった動的なサイネージとしての活用例などを紹介。他データとの組み合わせ例や、今後のターゲット施策検討に役立てている例についても紹介がありました。
実演では会場内にカメラを向け、性別・年齢がリアルタイムで自動推定される様子、さらに関連技術として笑顔の判定の実際をご覧いただきました。
関連ソリューション
リモート支援システム「遠隔業務支援システム」
現場作業者と支援者が映像と音声を共有し、リアルタイムで遠隔の業務を支援するシステムです。
支援者や熟練者が現場に赴かなくても、現場作業者の作業効率や正確性を向上することができます。
顔認証・入退管理ソリューション「顔跡/KAOATO」
あらかじめデータベースに登録した人物の顔画像と、カメラが捉えた人物の顔画像を高速・高精度に自動照合。世界No.1評価の顔認証エンジンを搭載した顔認証ソリューションです。
性別・年齢自動推定システム「FieldAnalyst」
設置したカメラの映像から人物を自動的に検出し、性別/年齢層を推定、また入退場者数のカウントも可能。画像は録画せず、データのみを保存するので、個人情報やプライバシー権・肖像権にも配慮した性別/年齢層推定システムです。