ふー決算書の作成がようやく終わりました…
決算て時間がかかるんですね
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会計コラム・第2回
決算早期化の必要性とメリットは?業務効率化によって実現する方法を紹介
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決算は経理部の最も重要な仕事のひとつだもんね
とは言え、毎回多くの時間がかかるのは考えものよ -
僕は1週間残業続きでした
もっと早く終われば、その分ほかの業務に充てることもできたはず -
それに決算が早期化すれば迅速な経営判断にもつながるし、企業全体にもメリットが大きいわ
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なんでスピードアップできないんでしょうか…?
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原因は企業の置かれている状況によって様々ね
まずは自社が抱える問題を把握することが大切よ -
はい!原因がわかれば対策も立てやすいですね
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今回は決算を早期化するために知っておきたいポイントや「業務効率化」を実現するための最新の技術を紹介していくわね
すぐに役立つ!人事総務・経理コラム スーパー総務、岡本リカの人事・会計講座 会計コラム・第2回決算早期化の必要性とメリットは?業務効率化によって実現する方法を紹介
「現状把握」「予算計画の進捗確認」などをスムーズにし、利益を出せる体制づくりをするためにも、決算業務の早期化は実現させたいですね。とはいえ、現場では決算業務の負担が重く、これ以上の効率化は望めない状態かもしれません。決算早期化による会社メリットをあらためて認識し、現状を打開していきたいところです。決算早期化を阻む要因と打開策を紹介します。
決算早期化の必要性とメリット
最初に、決算早期化が求められる背景やメリットを確認しましょう。
決算早期化による会社メリット
近年は通信環境の整備や通信機器の普及により、情報伝達のスピードが速くなっています。そのため経済情勢や市場ニーズの変化などを素早く察知し、いち早く対策を立てることも企業競争力の重要な要素になってきています。そのようななかでは自社の決算スピードの重要性も増してきます。
決算早期化がかなえば、自社の事業分析をその分素早く行えるため、経営陣はより迅速に経営戦略の立案が可能となります。合理的なコスト削減や資金繰りの効率化をすることにより、キャッシュフロー改善を従来よりも前倒して行うことで、早く効果を得ることができます。また、外部へ決算情報を公開する観点からも、決算の早期化が望ましいと言えます。
決算早期化による経理メリット
決算早期化は経理部にもメリットをもたらす可能性があります。決算早期化のためには業務効率化が欠かせないため、経理業務全体の効率化が図れるはずです。その結果、効率化により生じた余裕をほかの経理業務に充てることが可能です。
経理担当者の繁忙期が短期化するのも大きなポイントでしょう。決算期は残業が多くなる経理部も少なくありません。決算期の業務負担が重い会社は、決算早期化がそのまま経理部の働き方改革にもつながります。
財務・経理業務におけるDX推進状況や阻害要因、今後の対応について、システム導入やDX推進プロジェクトのご担当者250名にアンケート調査を実施しました。
決算早期化への取り組みは、業種別では製造業での対応が進んでおり、従業員規模では従業員数5000名以上の企業において対応が進んでいるという傾向が見られました。詳細はこちらの調査レポートをご覧ください。
“DXによる業務変革の実態を暴く!”DX導入に関するユーザーアンケート実態調査レポート
決算早期化を阻む要因
一般的な決算早期化の課題について、個別決算と連結決算の場合に分けて紹介します。
個別決算早期化の課題
決算の流れは大まかに言うと、「日々の記帳」「試算表による日々の記帳の確認」「決算に伴う調整」です。書類出力作業や調整など決算特有の業務もありますが、基本となる記帳や、試算表による確認作業は日々の業務の延長線上にある業務と言えます。特別な作業ではないはずですが、スムーズに進まないことも多いようです。個別決算に時間がかかる会社は、次のような課題があると考えられます。
1:必要な書類が経理に届くまでに時間を要する
経費書類、請求書や納品書などが集まらず、勘定科目の残高確定に時間がかかります。
2:書類の入力作業が非効率的
書類が集まっても手入力が多く、入力作業に時間がかかります。
3:既存会計システムの使い勝手が悪い
例えば「各部門データの連携が悪い」「出したいレイアウトでデータが出力できない」といった会計システムは、手間がかかります。また、法改正のたびに手作業で修正が必要であると、業務量が大幅に増えてしまいます。そもそもシステムの処理速度が遅く、効率化したくともできないケースもあるでしょう。
連結決算早期化の阻害要因
連結決算は子会社および関連会社を含めたグループ全体の決算方法のことです。個別決算の作成では問題ないと仮定すると、主に親会社が子会社及び関連会社の財務諸表を取りまとめるプロセスに阻害要因が存在すると考えられます。
1:子会社等の会計方針が異なり、連携がうまくいかない
最初に子会社等から、連結財務諸表の作成に必要な情報を収集します。必要情報は個別財務諸表のみならず、関係会社との取引明細や未実現損益計算書類など多岐にわたります。子会社等と提出時期をすり合わせて、必要な書類をすべて集めなければなりません。連携がマニュアル化されていないと、毎回同じ苦労が生じかねません。
2:子会社等と書式や勘定科目体系が異なり、手作業による調整が必要
集めた項目の名称や書式などが統一されてないと、確認や調整の手間が増えます。例えば子会社ごとに取引先コードや勘定科目の設定が異なる場合は、連結の際に手作業で調整が必要です。取引コードや勘定科目を親子間ですり合わせることができればいいのですが、会計システムが異なるとシステム上のすり合わせが難しいこともあります。
なお、親子間の取引や子会社間の取引など、連結決算で必要な調整を行うためのデータに齟齬(そご)がある場合は、確認して正しい金額を算出しなければならず、やりとりがスムーズでないとそれだけで時間が取られてしまいます。
上記のほか、決算業務の全体的な課題として、絶対的な経理人員の不足も考えられます。一般的に経理部においては繁忙期と平時で必要な人員数が異なり、平時を基準とした人員で決算業務をこなしている場合があるからです。人件費の無駄を省く観点からは、そのような企業も少なくないと推測されます。しかし、業務体質の健全化のためには解決を図っていきたいところです。
このような課題を解決するためには、業務効率化とシステムの見直しが有効です。2つを順に紹介します。
決算早期化のために取り入れたいDX
決算早期化実現のために、「業務効率化」のコツやテクニックを紹介します。
業務効率化を助けるOCRやRPA
経理業務の作業効率を上げるためにできることとして「OCR」と「RPA」の導入があります。
OCRとは
OCRは紙の文章をデータ化できる技術のことです。紙文書をスキャナーで読み込み、書かれている文字をデータ化することで、PC上で扱うことができるようになります。以前は手書きの文字は読み取りミスが生じたり読み込みできなかったりすることもあったようです。しかし、近年はAI技術が盛り込まれた「AI-OCR」が登場し、手書きの領収書や伝票も読み込み精度が上がっています。
OCRを導入することで、手入力で伝票を記帳していた時間を削減することができるでしょう。データ化が進めば、PC上でキーワード検索や日時検索も可能になります。
RPAとは
RPAはロボットによる作業の自動化です。例えば「エクセルデータの抽出やファイル作成」「データの転記や社内の別システムへのデータ受け渡し」などといった定型業務を、自動化して任せることが可能です。
RPAを導入すれば、それまで該当業務に充てていた時間にほかの業務を行うことができます。また、設定さえ適切に行えば正しい処理が行えるため、単純作業のミスが減る効果も期待できます。
これらDX(デジタルトランスフォーメーション)と呼ばれる技術の導入は、人材の有効活用という側面も持ちます。効率化によって生じた余剰時間を、過去の数字の集計、分析などのより専門的な業務に回すことができるからです。経理人材がこれら経理の本質的な役割を果たすことで、会社への貢献度も高まるはずです。
ペーパーレス化も決算早期化に効果的
決算早期化の対策として、各部署から上がってくる経費書類、請求書や納品書など各書類の締日を早める方法もあります。単純に考えれば、締日が1日早まれば決算も1日早まる計算です。
すでに締日がギリギリであれば、ペーパーレス化を検討してみましょう。ペーパーレス化になれば「送る」タイムロスがなくなるため、各部署の負担を変えずに締日を早めることができるかもしれません。ペーパーレス化が進めば、書類に疑問があり確認や差し戻しが必要な場合もデータのやりとりですみますので、対応スピードも増すことでしょう。
決算早期化を実現する会計システム見直しのポイント
DX化やペーパーレス化によって業務効率化が図れれば、それだけで決算早期化を図ることができます。しかし、会計システム自体が使いにくく業務効率化を阻んでいる可能性も考えられます。また「自社のシステムに不満はないが、連結決算において子会社とのシステムの違いによる調整に課題を感じている」といった経理担当者もいるかもしれません。そのような課題を解決するには会計システムを見直すことも有効です。会計システムを見直す場合のポイントを紹介します。
まず新システムを選ぶ場合、導入後の各部門の連携など、使いやすさが向上するのが最低限の条件であると考えます。そのうえで、移行に関するサポートや既存の業務フローを考慮した移行がかなうかも重視します。移行のサポートが不十分であったり、業務の大幅改変が必要であったりすると現場の負担が大きいからです。また、業務の大幅改変が必要である場合、それまでの経験則が生かせなくなってしまうデメリットもあります。
連結決算であれば、子会社も含めてシステム移行がしやすいかを考慮します。現状で子会社等がない場合も、今後の業務拡大を見据えて幅広い業種の会計に対応できるかの視点を持ちたいところです。
現場のDX化と組織改革の2つの柱で決算早期化を実現させよう
OCRやRPAなどのDXを取り入れて業務効率化を図ることで、経理業務の負担を減らすことが可能です。それによって決算早期化が期待できます。
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