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すぐに役立つ!人事総務・経理コラム スーパー総務、岡本リカの人事・会計講座

会計コラム・第9回
国際財務報告基準(IFRS)とは?日本会計基準との違いやIFRS16を解説!

  • リカさん、来年からうちの会社で適用されるIFRSってなんのことですか?

  • IFRSは国際財務報告基準と言って、今世界の標準になっている会計基準のことよ
    最近日本でも、世界規模で活動する企業を中心にIFRSを適用する所が増えているわ

  • うちも海外に子会社があるから、あらかじめ世界基準に揃えるってことですね!
    でも日本の会計基準とは何が違うんですか?

  • ひとつは原則主義と言って、日本の会計基準と比べると自由度が高くなるわ
    もうひとつの大きな違いは貸借対照表を重視している点ね

  • 日本は損益計算書を重視していますよね

  • そう、だからこれからは新基準に合わせて、今まで以上に正確な管理が必要になるのよ

  • ということは…経理の責任はより重大になりそうですね!

  • 相変わらず、やる気スイッチが入るの早いわね…
    でもまずはコラムでIFRSについてしっかりおさらいしてね

すぐに役立つ!人事総務・経理コラム スーパー総務、岡本リカの人事・会計講座 会計コラム・第9回国際財務報告基準(IFRS)とは?日本会計基準との違いやIFRS16を解説!

日本において国際財務報告基準(IFRS)を適用している企業は217社、予定を含めると231社にのぼります(2021年3月現在)。今後も適用企業が増えると考えられるIFRSとは、どのような会計基準なのでしょうか?本稿では、その特徴や日本の会計基準との違いについて解説していきます。

国際財務報告基準(IFRS)とは?基本事項や策定背景、どんな国で用いられているのかを押さえよう

まずは、IFRSが用いられている国を見ていきましょう。また、それぞれの基本的な内容、設けられた背景についても解説します。

IFRSの基本事項と策定理由

IFRSは国際会計基準審議会(IASB)が策定する、世界に通用する会計基準です。企業は自国の会計基準に基づいて会計処理を行いますが、各国の会計基準には考え方の違いによる相違点があり、最終的に作成される財務諸表も異なったものになることがあります。経済活動のグローバル化への対応のため、各国共通の会計基準が求められた結果、IFRSが制定されました。

IFRSの世界勢力図は?どこが用いていて、どこが用いていない?

欧州連合(EU)では2005年から、IFRSのうち欧州委員会が認めたものを上場企業に強制適用しています。また、自国の会計基準がIFRSと同等でない外国上場企業には、2009年以降IFRSを強制適用しています。
アメリカは過去、米国財務会計基準審議会(FASB)によりIFRSと同様な会計基準を採用する動きを見せました。米国証券取引委員会(SEC)も上場企業を対象に任意適用や強制適用を進める方向性を示したものの、それ以降は表だってIFRSを取り入れる動向はありません。

任意であるにもかかわらず日本で適用企業が増えている背景

日本でのIFRS導入は企業会計基準委員会(ASBJ)により推進されています。2010年3月期から一定の要件を満たす企業にIFRS任意適用が認められ、2013年10月からは要件緩和により、さらに多くの企業がIFRSを任意適用できるようになりました。強制適用への動きもあり、いったんは2015年から強制適用することが金融庁より発表されます。しかし、反対する声が企業から多く上がったこと、バブル崩壊後の長期にわたる不況や東日本大震災の影響が残っていること、アメリカのIFRS導入が進んでいないことなどから見送られました。

IFRS任意適用時には従来の会計処理から変えなければならない点も多くあり、その変更作業には非常に多くの労力を要します。またIFRSは規定の改訂が頻繁にあり、そのたびに対応を迫られてきています。しかし、国外からの資金調達の必要性や海外子会社との連携強化の観点から、世界規模で企業活動を行う大企業を中心に多くの企業がIFRSを任意適用してきました。

原則主義と貸借対照表主義がIFRSの2大特徴!その内容を解説

IFRSにはどのような特徴があるのでしょうか。IFRSの大きな特徴2つについても知っておきましょう。

原則主義とは?会計処理に対する注記が多くなる理由

IFRSは原則のみを規定する原則主義で制定されている基準です。細かな規定を設けず、基本とすべき考え方や原理原則だけが示されています。ひとつの会計処理だけでなく、ほかの多くの会計処理を認める自由度の高さを特徴としています。そのため用いた会計基準を明示する必要があり、会計処理に注記が多くなります。また、貸借対照表が重視され、利益の算出も貸借対照表の資産や負債といった項目を基準として行われます。

新リース会計基準(IFRS16)は日本会計基準とここが違う!新リース会計基準への対応方法

日本の会計基準と新リース会計基準(IFRS16)は異なります。どういった違いがあるのか、詳細をチェックしておきましょう。

新リース会計基準(IFRS16)とは?

IFRS16はIFRS最新の会計基準です。IFRSを任意適用している企業では2020年3月からすでに導入され、以降の決算より適用しなければならなくなっています。

IFRS16でのリースの定義と契約期間

IFRS16では、対価を支払って一定期間にわたって資産を使用する権利を得ることをリースと定義しています。これにより原則的にすべてのリースが貸借対照表に資産と負債として計上されることになります。これまでリースは、ファイナンスリースとオペレーティングリースに区分され、ファイナンスリースのみが資産として取り扱われてきました。IFRS16の新しい定義付けにより、リースとして貸借対照表上に計上しなければならない範囲は拡大されます。

また、契約期間についてIFRS16は、契約期間に加えて解約オプション期間・延長オプション期間も含めるとしています。変更されることがあまりない契約期間をリース期間とする場合に比べ、解約オプション期間・延長オプションを含めてリース期間とする場合は流動的で、対応にも多くの考慮が求められます。

IFRS16適用で財務諸表はどう変わる?

IFRS16の新しい定義付け、契約期間の変更により、これまでよりも多くのリースが貸借対照表上に資産と負債として計上されることになります。
5,000ドル未満の少額なもの、1年未満の短期なものを除き、すべてのリースを貸借対照表に計上することがIFRS16の基本です。ものを使用する権利を均等に捉えて平等に扱う、という考え方をIFRSがしていることに基づくもので、財務諸表にも大きな影響を与えます。

それまでは貸借対照表へ影響してこなかった多くのリースが、IFRS16適用によって貸借対照表に記載されることになります。資産額・負債額が増加し、多くの経営指標も変化しました。財務状況や経営状態が悪化したように見える数値が計算される傾向にあるからです。

IFRS16への対応方法

IFRS16は日本の会計基準に採用される可能性が大きいとして、注目されている会計基準です。将来的に適用される可能性が大きく、動向が注目されています。日本の会計基準にはIFRS16では廃止されたファイナンスリースとオペレーティングリースの区分が設けられていて、一定の基準を満たすファイナンスリースのみが貸借対照表記載の対象とされています。中途解約不可やフルペイアウトといった条件が課せられ、借入による資金調達での資産購入と実質的には変わらないリースのみを貸借対照表記載とし、そのほかのリースは貸借対照表不記載として財務諸表を作成するのが現行です。

IFRS16では条件のいかんにかかわらず、例外を除くすべてのリースに貸借対照表記載が求められます。基本的にオペレーティングリースを含めたすべてのリースを反映した財務諸表を作成し、公表しなければならなくなり、今まで以上に正確性を期した管理が求められます。また、解約オプション中の解約、延長オプション期間中の延長といった権利の行使・不行使を合理的に判断し、対応する処理を行う必要もあるでしょう。

SuperStream-NXでのリース管理機能

SuperStream-NXは会計業務の効率化・最適化を図る会計ソリューションで、IFRSにも準拠しています。固定資産やリースの管理では最大5つまでの台帳作成が可能で、会計用、税務用のほかにIFRS用、管理会計用の台帳を持つことができます。ひとつの台帳に記載したデータは複写機能により簡単にほかの台帳にコピーでき、同じデータを複数回入力することなく、どの台帳でも固定資産やリースについての詳細を把握することが可能です。

リース資産では、リース契約の内容を管理するリース契約管理機能、物件設置場所別・物件種類別・費用管理部署別にリース物件の管理などを行うリース物件管理機能、費用管理を行うリース料支払・費用管理といった機能があります。

まとめ:どんな会社もIFRSの知識は不可欠な時代に!対応方法も考えておこう

IFRSの任意適用は主にグローバルに企業活動を行う大企業によって進められています。しかし、どんな企業でも、世界の多くで用いられている会計基準が無関係ということはありません。IFRS16といった新しい会計基準の動向に注意し、常に知識をアップグレードするようにしましょう。

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