今年も新入社員が大勢入って、ウチの部署もメンバーがたくさん入れ替わりましたね
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人事・総務コラム・第11回
チームビルディングとは?意味やタックマンモデル、手法や具体例について解説
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そうね、「タックマンモデル」で言うと、ウチのチームはちょうどいま形成期ね!
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タックマン…? なんですかそれ?
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チームビルディングの手法のひとつで、
チームの状態を段階ごとに分けたモデルのことよ
形成期はまずお互いのことを知るために、コミュニケーションを取ることが重要視されているわ -
わかります!
チームの雰囲気がいいと、自然と仕事がはかどりますもんね -
でもただ仲がいいだけじゃ本当のチームとは言えないわ
時にはぶつかっても、お互い意見を言い合って共通理解を深めることも大切よ -
確かにありますね
一緒に大きな壁を乗り越えることで、チームとして結束することって -
でしょ?
1人ではできないことを、全員で取り組むことで大きな目標を達成することがチームビルディングの一番の目的なの -
僕もチームの一員として、チームビルディングについてもっと知りたいです!
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それじゃ、今回はチームビルディングの手法や成功事例を紹介するわね
タックマンモデルについても詳しく解説するから、最後までお見逃しなく!
すぐに役立つ!人事総務・経理コラム スーパー総務、岡本リカの人事・会計講座 人事・総務コラム・第11回チームビルディングとは?意味やタックマンモデル、手法や具体例について解説
チームビルディングを実施すると、メンバーの結束が強まったりスキルアップしたりといった高い効果が見込めます。しかし、チームビルディングとは一体何でしょうか。ここではチームビルディングの概要と目的、タックマンモデルや手法、具体例について解説します。
チームビルディングとは?どんな意味を持つ?
チームビルディングとは、メンバーのスキルや経験を発揮して、パフォーマンスの高いチームつまり組織をつくっていくことです。チームビルディングは後述する組織開発に役立つとされています。
チームビルディングと戦略人事・組織開発
戦略人事とは、人事担当者が経営理念や事業戦略に沿う人事を進めて、経営資源であるヒトを通じ、経営戦略に参加するという考え方のこと。戦略人事によって人事の方向性が決まり、組織開発が進むのです。
戦略人事に欠かせないのがHRBP。HRBPとは、戦略・策略・方略といったストラテジーにかかわる人事担当のことで、「Human Resource Business Partner」の略語です。
組織開発とは、課題解決に向けた取り組みで、OD(Organization Development)とも呼ばれる戦略人事のひとつです。たとえば社員エンゲージメントの向上を目指した施策の実施、良い風土や人間関係を生む環境づくりなど。組織開発の過程でチームビルディングを取り入れるとより一層高い効果が生まれます。
なぜチームビルディングが必要なのか、その目的
そもそもなぜチームビルディングが必要なのでしょうか。目的について見ていきます。
目標達成とパフォーマンス向上のため
目標の達成に向けて、チームビルディングによりパフォーマンスが高いチームを生み出されるのです。またもともとあるチームのパフォーマンス向上にも役立ちます。
メンバーの関係を良くする
メンバーの関係が良くなれば、一人ひとりが自主性を持てるうえ、幸福感も得られます。それにより組織に一体感や安心感といった空気が醸成されるのです。
若手社員の育成
チームビルディングをとおして、若手社員ひとりではできない目標を達成します。そのプロセスや結果をとおして、若手社員は最後までやり遂げる姿勢やスキルを発揮する方法などを学びます。
中堅社員の育成
中堅社員は「若手の育成」と「管理職から与えられた仕事」といったように、中間でつなぐ立場が多いもの。また小さなチームのリーダーになる場合も多いです。そこでチームビルディングをとおしてリーダーシップやマネジメントを学びます。
管理職の育成
管理職は、経営目標を中堅社員や若手社員に浸透させながら、目標達成を目指して戦略を実行する立場です。また、戦略の実行と並行して、中堅社員や若手社員の育成も行います。そのためにチームビルディングをとおして、「組織のつくりかた」「人の動かし方」「マネジメント」などを学ぶのです。
経営層の育成
経営層は、企業活動の根幹となる経営目標を立案します。経営目標が社員に伝わらなければ、無駄な業務を行ってしまったり不要な長時間労働になったりする可能性も高いでしょう。適切な企業活動を行い、確実に目標達成を目指すため、チームビルディングをとおして「経営目標を共有」できるような方法を学びます。
チームビルディングとタックマンモデル
タックマンモデルとは、心理学者のタックマンが作成した組織の進化を示すモデルのこと。タックマンは「チームを結成しただけでは成果に結び付かない」と説いています。ここでは、タックマンモデルに含まれる5つの要素について解説しましょう。
形成期
形成期とは、チームが形成される時期のこと。知り合って間もないメンバーも多いため、どことなく緊張感が漂います。またまだ「目標」が完全に共有されていない時期ともいえるでしょう。
混乱期
混乱期とは、意見がぶつかったりもめごとが起こりやすかったりする時期のこと。目標が浸透しきっていないため、「全員が同じ方向を向いている」のではなく、それぞれが「自身の考えや行動」に意識を向けています。そのため人間関係でも対立が生まれやすいのです。
統一期
統一期とは、メンバー同士がお互いを認め合い、受容し始める時期です。このころになると目標が共有されて、それぞれに浸透しているため、一体感も生まれ始めます。チームとしてのパフォーマンス向上が見込める時期です。
機能期
機能期とは、チームとしての機能が完全に稼働している時期です。問題が起きても深い対立にはならず、議論も活発化します。また、その議論ではお互いの意見を尊重できる状態となるのです。
さらにメンバーの結束が強くなるため、メンバー同士でのサポートも活発化。メンバーの自主性も高まるため、一体感のもと活動が進み、成果も生まれやすいです。
散会期
散会期とは、異動や退職、プロジェクトの終了や目標達成などによってチームが終わりを迎える時期のこと。メンバーが新たなチームを生み出す場合もあります。
チームビルディングを学ぶ手法
チームビルディングはどのように学べばよいのでしょう。ここではチームビルディングを学ぶ手法3つについて解説します。
チームビルディングを学ぶゲーム
ゲームをとおしてチームビルディングを学ぶ方法で、「ビジネスゲーム」を提供している企業もあります。こうした企業のゲームは、「何が学べるか・どのくらい時間がかかるか・どういった人に効果が高いのか」が明確になっているため、高い効果が見込めるでしょう。
また「ゲーム」というスタイルのため、取りかかりやすく熱中しやすいです。自社でチームビルディングの手法を考えるより効率がよいでしょう。なかにはリモートでできるゲームもあります。
チームビルディングを学ぶワークショップ
ワークショップで体験をとおしてチームビルディングを学ぶ方法です。座学だけでなく実際に体を動かすため、飽きずに学べます。また共同作業も多いため、メンバーの結束も深まりやすいのです。たとえば下記のようなワークショップがあります。
- チェックイン:自分の状態や感情について人前で素直に話すワークショップ。参加者同士で自己開示するため、お互いの間に安心感が生まれる
- Where I’m from ポエム:自身の価値観や体験を「わたしは~から来ました」という定型文に当てはめてポエムをつくり、発表するワークショップ。聴く側はポエムから追体験できるため、発表者へ共感できる
チームビルディングを学ぶアクティビティ・イベント
スポーツやダンス、研修旅行などでチームビルディングを学ぶ方法です。長時間ともに過ごすため、メンバー同士が仲良くなりやすいメリットを持ちます。ただし昨今、コロナ禍ゆえ開催は難しい面も多いでしょう。
チームビルディングの具体例
最後にチームビルディングを行って成功した具体例をふたつ解説します。
ビールメーカーの例
あるビールメーカーの経営層が、別の企業主催によるチームビルディングのプログラムを受講したところ、「メンバーの強みが分かる」「全員が共通の目標を持つ」大切さを実感しました。そこからチームビルディングに取り組み始めました。
経営層は、自身が受講したプログラムを自社流にアレンジしました。アレンジされたプログラムは外部講師による研修や3時間ほどで終わるものなど多種多様。そうしてチームビルディングを進めた結果、「働きがいのある会社」ベストカンパニーに選出されたのです。
ソフトウェア企画・開発事業会社の例
2016年から全社員がテレワークを行っている同社では、コロナ禍によって社員同士の関係が薄くなる点を危惧していました。そこで配信サイトを活用して、自社独自の番組を開発。内容は、「ゲストに呼んだ社員にプレゼンをしてもらう」「匿名で質問できるコーナー」などです。
そのうちほぼすべての回を社員の95%が視聴し、社内で広く浸透しました。こうした自社番組によって社員同士が「ほかの社員を知る」きっかけになり、チームビルディングにつながったのです。
チームビルディングで組織が好循環に
チームビルディングとは、メンバーのスキルや経験を発揮して、パフォーマンスの高いチームつまり組織をつくっていくこと。良いチームが生まれれば、メンバー一人ひとりの育成が進むだけでなく、チームとしての成果も生み出せます。それは企業全体の業績向上にもつながるでしょう。
チームビルディングはリモートでも取り組めます。できる手法から取り入れて、良質なチームづくりを目指してみてはいかがでしょう。
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