リカさん、この間「HRBP」に関するウェビナーに参加してきたんですよ!
僕もHRBPとして人事のスペシャリストを目指そうと思います!
すぐに役立つ!人事総務・経理コラム スーパー総務、岡本リカの人事・会計講座
人事・総務コラム・第5回
HRBPは新時代のプロフェッショナル!役割・スキル・求められる背景を解説
- トップ>
- すぐに役立つ!人事総務・経理コラム スーパー総務、岡本リカの人事・会計講座>
- 人事・総務コラム・第5回 HRBPは新時代のプロフェッショナル!役割・スキル・求められる背景を解説
-
-
しょうわくん、さっそく影響されてる…
でも確かにこれからはHRBPの存在がより重要になってくるわね -
そうなんです!
決められた枠組みの中だけで人材管理をするだけじゃなくて、事業戦略の視点から組織や人材のサポートを担えるようになりたいんです! -
いいわね!
この間話した、「戦略人事」の考え方にもマッチすると思うわ!
でも急にどうしたの? -
僕もウェビナーの登壇者のように、みんなの前でカッコよくプレゼンできるような人事になりたいんです
-
なるほど、そういう事か…
じゃあまずはこれを読んで勉強ね!
今回は今求められるHRBPとは何か、その役割や必要なスキルについて解説していくわ!
すぐに役立つ!人事総務・経理コラム スーパー総務、岡本リカの人事・会計講座 人事・総務コラム・第5回HRBPは新時代のプロフェッショナル!役割・スキル・求められる背景を解説
社会の急速な変化と激しさを増す市場競争。柔軟な思考を持てない企業は、いずれ時代に置いて行かれてしまうでしょう。現代の経営戦略で重視されるべきポイントは、タイムリーな人材活用。それを可能とするのが、HRBPの存在です。
HRBPは新たな視点をもつ人事のプロフェッショナルとして、企業経営の中枢に参画します。HRBPの役割と必要なスキル、そして今HRBPが求められる背景について解説しましょう。
HRBPとは
人事分野における経営トップとのビジネスパートナーであるHRBP。今注目される職種の基本的知識と役割を解説します。
HRBPという存在
HRBPとは「HR=人事」+「BP=ビジネスパートナー」という考え方をもとに、人事担当としてプロの知見を持ち、経営戦略・事業戦略に参画する人材のこと。「Human Resource Business Partner」の略語です。
HRBPは採用・育成の方法を経営戦略に照らし合わせて改善・開発する人事戦略的な側面のほか、経営戦略に貢献する人物像や必要人数の提案といった、事業運営の中枢に関わる仕事を行います。経営戦略の実現を多角的視点からの組織・人材管理によってサポートし、各人と組織全体のパフォーマンスの最大化を担うのです。
従来型人事が作業・実務を担うオペレーション主体であることに対して、HRBPは戦略・策略・方略といったストラテジーに関わる点が大きく異なります。
HRBPの役割
HRBPの役割は4つです。
1:戦略実現のパートナー
経営トップやプロジェクト・戦略リーダーとパートナーシップを構築し、企業戦略・事業戦略にもとづいた人事戦略を提案します。人事に精通したプロの視点から最適な人材を配置し、また、経営戦略上で必要となる能力育成に努めます。
2:管理エキスパート
労務管理のプロとして、人事施策の管理・実行・運営を実施します。法的なリスクの発生を回避し、適切な組織運営がなされるよう配慮すると同時に、業務の効率化を図ります。内容的には従来の人事に近い領域ですが、そこに経営戦略への貢献という視点が加味されます。
組織やチームの管理に加え、個々の能力開発や人材発掘も重要です。社員の能力測定や評価について可視化できる体制整備の立案・実行などを進め、経営戦略にダイレクトに役立つ詳細で客観的なデータを提供します。
3:社員チャンピオン
HRBPは経営戦略に沿いながら、社員のまとめ役・社員を代表する立場としても機能しなければなりません。そこで現場の声にしっかりと耳を傾け、ときには要望として上層部へつなぐ役割を果たします。
それぞれの社員が良好なパフォーマンスを発揮できるよう、メンタルのケアやモチベーション維持・向上、キャリア開発などを通じ、組織の設計を図っていきます。
4:チェンジエージェント
チェンジエージェントとは、経営戦略に貢献する人事的戦略の実施に向けて変革を起こす人物です。既存のやり方や慣例にとらわれず、必要とされる人材の育成や起用など、組織としての変革を促します。
新人材の獲得・既存社員の潜在の能力掘り起こしのためのアプローチといった業務に、これまでに培った経験や独自の工夫により新しい手法を取り入れ、施策を推し進めます。
チェンジエージェントとしての役割を担ううえで、独善的・強硬的な姿勢は障害となるため、日常的に協働関係を築いていきます。また、新しいやり方に対しては客観性を持って説明し、関係各所の理解と信頼を得られるよう努めます。
HRBPが求められる背景
これまで人事は、コア事業をオペレーション業務から支える役割でした。しかしHRBPでは、企業運営の中核へと活躍の場を広げます。HRBPが求められる背景には社会の変化に対応する「戦略人事」という考え方があるのです。
不安定な社会と業務の複雑化
現代は、「Volatility(変動性)」「Uncertainty(不確実性)」「Complexity(複雑性)」「Ambiguity(曖昧性)」の4つを合わせたVUCA社会と呼ばれるほど、非常に先が読みにくい時代となっています。変化が早く複雑さが増す世界で安定した企業経営をしていくには、人的資源活用がこれまで以上に重要です。
企業の確固たる基盤となるのは、優秀な人材です。流動性の高い世の中では、社員のロイヤリティと生産性の関係が重視されます。より緊密な連携を保ち、人材活用に有効性の高い組織づくりが必要でしょう。
戦略人事の導入
競争力強化のため、人事部門を経営戦略に融合させる戦略人事という考え方が、世界的な大企業を始めとして浸透していきました。
戦略人事は、人事部門が積極的に経営戦略に参画する手法です。HRBPはその中心となり、人事戦略をけん引していく役割を担います。経営戦略としての人事を具体化させるためには、どの人材をどのように動かすかという案が必要です。
また、将来に向けてどんな人材が求められているのか、育成するには何が必要かを考えなければなりません。人材および人事に精通したエキスパートの存在がなければ、実際の経営戦略に沿った人事施策を実施していくのは難しいでしょう。
HRBPに必要なスキル
HRBPにふさわしい活躍ができる人物像をスキル面から解説します。
人事実務経験と関連する幅広い知識
HRBPは戦略パートナーである前に、人事のプロである点が求められます。そのため一般的には、最低でも5年の人事での実務経験は必須と考えられます。採用活動経験や人事考査、組織開発や日々の労務管理、さらに労働法にも精通している必要があるでしょう。
ビジネスに関する広く深い知見
経営トップや戦略リーダーのビジネスパートナーである以上、人事分野のみの知識だけでは視点に偏りが生じます。自社・他社・業界全体・日本社会とビジネス・海外までを視野に入れ、それぞれの企業文化に対する知識と理解が必要です。
単に情報の収集力だけではなく、独自の解釈をもってオリジナルの知見を有していなければ有効な提案に結び付きません。
客観的かつ冷静な課題分析と解決能力
経営戦略に参画するうえで重要なのが、冷静かつ偏りのない視点です。客観的に状況を見極め、課題を掘り起こして改善へとつなげるには、人事分野にこだわらず社内の全分野へも目を向ける必要があります。
人事のプロでありつつも柔軟な思考を持ち、各部署との連携を柔軟に創造できれば、強い組織の開発につながっていくでしょう。
卓越したコミュニケーション能力
HRBPにはこれまで存在しなかった人事のプロとして、経営トップと渡り合えるだけのコミュニケーションスキルが必要です。経営戦略に貢献する案を進言する際、相手を納得させられるだけの説得力と理論構築力が求められます。
また、広く人事管理を行う立場のため、現場と信頼関係が構築できる姿勢を心掛ける必要もあります。社員チャンピオンの役割を果たすためにも、傾聴力・共感力のスキルを磨き、社内の声や情報に常に耳を傾けて注意を払います。
経営戦略に変革を!戦略人事をけん引するHRBP
HRBPは人事領域のプロフェッショナルとして経営戦略に参画し、戦略の実行と成功のために最適な人材配置を提案します。自社の強みを伸ばし、課題を解決するための人材採用・育成から組織開発まで、幅広い役割を担う存在なのです。
もっとも重要な資産である人的資源を最大限に活用し、競争力を高めていくためにも、戦略人事およびHRBP導入の検討を進めてみてはいかがでしょう。
NECソリューションイノベータでは、戦略人事に貢献する統合HCM(Human Capital Management)システムPOSITIVEを提供しています。AI(人工知能)を活用し人材の最適配置を可能とするほか、人事分野の多岐にわたる業務をサポートします。
戦略人事におけるHRBPの活動を容易にし、経営戦略参画という大きな責務をこなす際の盤石なサポートを行います。HRBP導入を検討する際には、ぜひ一度ご相談ください。