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ペーパーレス化でESG経営推進ができる!貢献内容と実践ステップ

お役立ちコラム

「ESG経営を推進したいけれど、いい取り組みはない?ペーパーレス化は貢献できる?」
「ペーパーレス化はESG経営を推進するって本当?具体的にはどのような取り組みができるの?」

ESG投資の拡大により企業の財務情報に反映されない「ESGの要素」を、投資分析や意思決定などのプロセスに反映させることが重要視されています。

まずは比較的ハードルの低いペーパーレス化を機にESG経営の一歩を踏み出したいけれど、本当にペーパーレス化とESG経営には関連性があるのか気になりますよね。

結論から言うと、ペーパーレス化はESG経営推進に効果的に貢献できます。
ペーパーレス化はESGの3つの要素それぞれに貢献でき、ESG経営を効率よく推進するのです。

ESG経営に貢献できるようにペーパーレス化を進めるには重要なポイントを理解したうえで、適切なステップで取り組むことが欠かせません。

しかし、ESG経営で重要なのは、成果を可視化して公表し、投資判断に役立ててもらうことです。

せっかくペーパーレス化に取り組んでも、会議で削減できた紙の枚数や二酸化炭素の量などを公表できなければ、ESG経営に貢献していることが証明できません。

そこでこの記事では、ESG経営を推進するときのペーパーレス化の役割や具体的な取り組みステップなどをまとめて解説していきます。

とくに、ペーパーレス化の役割はESGの要素ごとに詳しく解説しているので、なぜペーパーレス化に取り組んだほうがいいのか理解できます。

この記事を読むと分かること

  • ペーパーレス化がESG経営推進に貢献する理由が分かる
  • ESG経営でペーパーレス化が果たす役割が分かる
  • ESG経営を推進するためにペーパーレス化に取り組むステップが分かる

この記事を最後まで読めばESG経営を推進するときに、ペーパーレス化から取り組もうと思えるでしょう。

競合他社に差をつけ、投資家に選ばれるESG経営を推進するためにも、ぜひ参考にしてみてください。

1.ペーパーレス化はESG経営推進に効果的に貢献できる

ペーパーレス化は、ESG経営推進に効果的に貢献できる取り組みの1つです。

ESG経営とはEnvironment(環境)・Social(社会)・Governance(ガバナンス)を重視する経営方法です。

ESG経営では、下記の3つの要素が長期的な企業の発展や成長に大きな影響を与えると考えています。

環境
Environment
二酸化炭素排出量の抑制や資源循環への貢献など「環境」に関する取り組み
社会
Social
労働安全衛生や労働環境の最適化など「社会問題」に関する取り組み
ガバナンス
Governance
BCP対策やコーポレートガバナンスなど企業統治や企業運営の透明性を保つ取り組み

昨今は、企業の財務情報に反映されないESGの要素を、投資分析や意思決定などのプロセスに反映させることが重要視されています。

そのため、企業も投資家から選ばれるよう、積極的にESG経営に取り組む傾向があるのです。

ペーパーレス化なら、ESG経営の課題になりやすい「成果の可視化」と「各要素への貢献度」をカバーでき、ESG経営推進に効果的に貢献できることが期待できます。

もちろんペーパーレス化のみでESG経営が推進できるわけではありませんが、まずはESG経営を推進する第一歩として取り組みやすいでしょう。

【ESGとSDGsとの違い】

ESG経営を推進するときに、SEGsとどのような違いがあるのか気になる方もいるかと思います。
両者は目指すべき姿が似ている部分がありますが、対象者が異なります。

ESGは企業と投資家が配慮するべき概念、SDGsは地球に住む誰もが対象となる国際的な目標です。

ESGとSDGsとの違い
ESG 企業と投資家を対象とした企業の持続可能性を評価するための概念
投資判断・企業評価をするための要素を基準としている
SDGs 地球に住む誰もが対象となる持続可能な開発目標
働き方や環境資源、人権の尊重など世界共通の17の目標を掲げている

ESG経営で取り組む内容にもよりますが、環境資源や働き方などの視点はSDGsにも含まれています。
そのため、ESG経営に取り組むことで、自然とSDGsに貢献できている可能性もあるでしょう。

ペーパーレス化とSDGsの関係性については下記の記事で詳しく解説しているので、参考にしてみてください。
「SDGs ペーパーレス化」

2.ESG経営推進にペーパーレス化が貢献できる2つの理由

ここでは、ESG経営推進にペーパーレス化が貢献できる理由をより詳しく解説していきます。
ESG経営とペーパーレス化の関係性を理解するためにも、ぜひ参考にしてみてください。

ESG経営推進にペーパーレス化が貢献できる2つの理由

  • 1)
    ESG経営の成果を可視化できる
  • 2)
    ESG経営の3つの要素に貢献できる
2-1.ESG経営の成果を可視化できる

1つ目は、ESG経営の成果を可視化できるところです。

ESG経営では財務情報だけでなく、非財務情報が重要視されます。

財務情報 経済的な健全性・業績を示す情報のこと
  • 財務諸表など
非財務情報 業務成績や財務情報では可視化できない情報のこと
  • 経営戦略や経営課題の状況
  • ESG経営の取り組み状況
  • サステナビリティの取り組み状況など

非財務情報とは、業務成績や財務情報では可視化できない情報のことです。
ESG経営や経営課題への取り組み状況が該当します。

pdf経済産業省の資料を見ると非財務情報は財務情報と同等の価値があり、今後重要性が増していくと考えられています。

一方で、約8割の企業がESGデータの活用に課題を感じている状況です。
財務情報と比較して歴史が浅く、どのように収集して活用していくのか悩んでいることが伺えます。

ペーパーレス化は成果を可視化しやすく、ESG経営のデータを公開し活用しやすいです。

【ペーパーレス化の成果の可視化例】

  • 毎月のコピー紙使用枚数をカウントして変化を公開する(1年で5万枚削減できたなど)
  • ツールを導入してペーパーレス化による二酸化炭素削減量を可視化して公開する

例えば、毎月のコピー紙使用枚数をカウントし変化を集計すると、資源循環の成果として公表できるでしょう。

ESG経営では成果を可視化し、外部に公表することが重要です。
ペーパーレス化なら可視化しにくい非財務情報を可視化でき、ESG経営促進につなげられます。

参考:pdf経済産業省「サステナビリティ関連データの効率的な収集及び戦略的活用に関する報告書」

【グリーンウォッシュ対策にも効果的】

ESG経営やサブリミナルなどへの関心が高まる中「グリーンウォッシュ(見せかけの環境配慮の取り組み)」に対する懸念も高まっています。

ペーパーレス化に取り組んで成果を可視化できれば、見せかけだけのSEG経営ではなく成果を伴う取り組みができていることをアピールすることが可能です。

2-2.ESG経営の3つの要素に貢献できる

2つ目は、ESG経営の3つの要素に貢献できることです。
先ほども触れたようにESG経営では3つの要素を可視化して、企業評価・投資判断に結びつけることが求められます。

つまり、できるだけ貢献度の高い取り組みを実施したほうが、ESG経営を推進できるのです。
ペーパーレス化なら下記のように、3つの要素すべてに貢献できます。

3つの要素 貢献度 ペーパーレス化が貢献できること
Environment(環境) 直接的
  • 温室効果ガス排出量の抑制
  • エネルギー使用量の抑制(電気代の削減など)
  • 廃棄物排出量の抑制(排気する紙・ファイルの削減など)
  • 紙の購入量の抑制(森林伐採の抑制につながる)
Social(社会) 間接的
  • ダイバーシティへの取り組み(多様な働き方に対応できる)
  • 労働時間の最適化(業務効率化・残業時間の短縮につながる)
  • 従業員満足度の向上(ワークライフバランスの取れた働き方に貢献できる)
Governance(ガバナンス) 間接的
  • リスクマネジメント体制の構築・実施(BCP対策ができる)
  • 情報セキュリティ対策の実施(紙による情報管理リスクを軽減できる)

Environment(環境)では紙の使用量を減らすことで、環境保全や廃棄物排出量の削減に貢献します。
それだけでなく、紙を製造・使用するうえで発生する温室効果ガス排出量・エネルギー使用量の削減も見込めるでしょう。

また、Social(社会)やGovernance(ガバナンス)では間接的ではありますが、労働環境の整備やセキュリティ強化にも貢献できます。

このように、ペーパーレス化ならESG経営を推進するために必要な複数の項目に貢献でき、ESG経営を進めやすくなるでしょう。

2-3.補足:業務効率化にも貢献できる

ペーパーレス化がESG経営に貢献できる大きな理由は「成果の可視化」と「各要素への貢献」の2つですが、同時に業務効率化も進められます。

日常業務を思い返してみてください。
あらゆる業務で紙の書類や資料などを扱っているかと思います。

例えば、紙の資料を作成する場合は資料を作成しコピーした後に、確認・修正する作業が発生します。
ペーパーレス化をすると作成した資料をそのままデータで共有し、確認・修正ができるため、工程削減ができるでしょう。

紙で資料を作成する場合

  • 資料を作成する
  • 作成した資料をコピーする
  • コピーした資料を確認してもらう
  • 資料を修正して再度コピーする
  • 承認を得たら製本する

ペーパーレス化した場合

  • 資料を作成する
  • ツールで共有する
  • ツール上で修正・最終提出する

このように、現在紙を使用している業務を順次ペーパーレス化していくと、工数削減や業務負担軽減につながります。

その結果、業務効率化が進み、従業員が働きやすい環境の整備やワークライフバランスの取れた働き方の実現ができるでしょう。

3.ESG経営においてペーパーレス化が果たす役割

ここまで読むと、具体的にペーパーレス化がどのようにESG経営に貢献しているのか気になるところです。

ここでは、ESG経営の3つの要素ごとにペーパーレス化が果たす役割を詳しくご紹介します。
要素ごとにペーパーレス化どのように貢献しているのか理解できるため、参考にしてみてください。

【ESG経営に決まった取り組みや指標はない】

ESG経営には今のところ、決まっている取り組みや指標はありません。

ESGの取り組みは社会的・時代的な背景を踏まえて、変化していくと考えられています。

そのため、この先紹介する指標や取り組みはあくまでも一例で、情報公開のフレームワークや評価指数により変化します。

3-1.Environment(環境):二酸化炭素排出量の抑制・資源循環への貢献

Environment(環境)は、環境課題に対する取り組みを指します。

現在、世界では地球温暖化による気候変動や環境負荷などが大きな課題となっています。

このまま経済活動を続けると環境を破壊し、将来快適に暮らせなくなる・経済活動ができなくなる可能性があるでしょう。

そこで企業には社会貢献活動の一環として、環境負担を軽減する取り組みが求められています。
環境への取り組み例としては、下記のように幅広い環境課題が対象になります。

項目 取り組みの一例
マネジメントシステム
  • 環境法令違反の発生状の報告
気候変動・脱酸素
  • GHG排出総量の抑制(GHGとは温室効果ガスのこと)
  • エネルギー使用量の抑制
  • 再生可能エネルギーの導入
  • 製品ライフスタイルでの二酸化炭素排出量の抑制
資源循環
  • 投入資源量の抑制
  • 廃棄物排出量の抑制
  • リサイクル量の可視化
  • 有害廃棄物発生量の抑制
  • 水の排水量・使用量の抑制
汚染の予防
  • 化学物質移動量の抑制
生物多様性
  • MSC認証(水産資源や海洋環境に配慮した漁業認証)品の調達率向上

※ペーパーレス化で貢献できる取り組みは赤色になっています

ペーパーレス化では二酸化炭素排出量の抑制や投資資源量の抑制、廃棄物排出量の抑制など、多くの項目への貢献に期待できます

項目 貢献が期待できる取り組みの一例
GHG排出総量の抑制
  • コピー機使用頻度の抑制やテレワーク促進により二酸化炭素の排出量を抑えられる
エネルギー使用量の抑制
  • コピー機などの機器稼働時間を削減できる
  • 業務効率化によりオフィスのエネルギー使用量を抑えられる
製品ライフスタイルでの
二酸化炭素排出量の抑制
  • 用紙の製造や配達、廃棄で発生する二酸化炭素排出量を抑えられる
投入資源量の抑制
  • コピー用紙や書類を保存するファイルなど業務で使う投資資源量を抑制できる
廃棄物排出量の抑制
  • 書類やファイル、書類を保存するボックスなどの廃棄物排出量を抑制できる

例えば、ペーパーレス化では余分なコピー用紙やファイルなどを使わなくなるので、企業の投資資源量の抑制が期待できます。

また、ペーパーレス化が促進すると、オフィスにいなくても文書の共有・確認ができる環境が整います。
その結果、業務効率化やテレワークの促進につながり、企業が利用するエネルギー使用量を抑えられるでしょう。

このように、ESG経営を推進するうえで、ペーパーレス化は環境課題に大きく貢献する指標です。

3-2.Social(社会):多様な働き方の実現・労働環境の最適化

Social(社会)は、社会問題への取り組みを指します。

持続的に経済活動を行うには、誰もが安心して働ける環境が欠かせません。
とくに労働環境・条件の整備や人権の尊重などは、経済活動を行う企業が直面する社会問題です。

そのため、投資判断や企業の成長性を見極めるときには、企業の社会問題への取り組みは考慮するべき事項だと考えられています。

社会問題への取り組み例を見ると企業の基礎データの公表や人権への配慮、社会貢献など様々な視点での取り組みが求められています。

項目 貢献が期待できる取り組みの一例
人材・労務
  • 人材基礎データの公表
  • ダイバーシティへの取り組み
  • 労働時間の最適化
  • 従業員満足度の向上
労働安全衛生
  • リスクアセスメントの実施・改善
  • 労災の発生状況の公表
人権
  • 人権リスク評価の実施・改善
  • 人権に関する相談や通報の状態
調達
  • 現地サプライヤー調達率の公表
  • サプライヤー評価制度の実施率
社会貢献
  • ボランティア活動の参加状況

※ペーパーレス化で貢献できる取り組みは赤色になっています

ペーパーレス化で直接的に社会問題を解決することは難しいですが、ダイバーシティへの取り組みや労働時間の最適化、従業員満足度の向上などには間接的な貢献が期待できます

項目 貢献が期待できる取り組みの一例
ダイバーシティへの取り組み ペーパーレス化によりテレワークなどの働き方を促進できるため多様な人材が活躍しやすくなる
労働時間の最適化 ペーパーレス化により業務の無駄を省けるため残業時間の短縮・労働時間の最適化に貢献が期待できる
従業員満足度の向上 ペーパーレス化によりワークライフバランスの取れた働き方を促進でき従業員満足度の向上につながる

労働時間の最適化やダイバーシティへの取り組みを実現するには、従業員視点での働きやすい労働環境構築も大切なポイントになります。

ペーパーレス化が進むとわざわざオフィスに出社しなくても、業務の質を維持しながら仕事を進めることができるようになることが期待できます。

【ペーパーレス化で実現できる働き方の一例】

  • ツールでの情報共有や情報の承認(出社して対面で実施する必要がない)
  • Web会議やWebミーティングの実施(参加者が同じ場所に集まる必要がない)
  • テレワークの実施(子育てや介護をしながら仕事ができる)

その結果、様々な人材の雇用と従業員のワークライフバランスの双方を維持しながら円滑な業務につながることが期待できます。

従業員もやりがいや楽しさを感じながら業務を遂行しやすくなり、従業員満足度の向上や離職率低下に貢献できるでしょう。

このように、ペーパーレス化を推進することで従業員が働きやすい環境が構築でき、社会問題への解決へと結びつく可能性があります。

3-3.Governance(ガバナンス):BCP対策・セキュリティ対策

Governance(ガバナンス)は、企業統治や企業運営の透明性を保つ取り組みを指します。

日本では過去に、企業の不祥事や汚職が問題視されたことがありました。
不祥事が起こる企業は信頼性やブランド価値が低下するのはもちろん、投資先として選定しにくいです。

安心して投資できる企業なのか、中長期的に信頼できる企業なのか見極めるために、社内管理体制や企業運営の透明性が重要視されています。

企業統治や企業運営の透明性を保つ取り組み例では、コーポレートガバナンスやコンプライアンス、リスクマネジメントなど企業の運営状況を明確にしているケースが多いです。

項目 貢献が期待できる取り組みの一例
コーポレート
ガバナンス
  • 社外取締役・監査役の設置や選定理由の公表
  • 取締役比率の公表
  • 各委員会の開催状況
コンプライアンス
  • 行動規範のカバー率
  • 違反の発生状況や改善策の公表
  • 内部通報制度のカバー率や通報発生状況の公表
リスクマネジメント
  • リスク監査の実施状況の公表
  • リスクマネジメント体制の構築・実施
  • 情報セキュリティ対策の実施
政策影響
  • 寄付金の公表

※ペーパーレス化で貢献できる取り組みは赤色になっています

ガバナンスの取り組みにペーパーレス化が直接貢献することは難しいですが、下記の取り組みでは間接的に貢献できます。

項目 貢献が期待できる取り組みの一例
リスクマネジメント体制の
構築・実施
ペーパーレス化を推進することでBCP対策ができる
情報セキュリティ対策の実施 紙での情報管理リスクを回避して強固なセキュリティ環境下で情報を保存する

例えば、リスクマネジメントでは、緊急事態時に事業資産の損害を最小限に抑え事業を継続する仕組み構築が必要です。

ペーパーレス化を推進するとオフィスに出社しなくても業務ができる基盤を整えられるため、万が一のときも長期的に業務が停止するリスクを低減できる可能性があります。

また、機密情報を紙で保管していると、盗難や紛失、火災や事故での紛失リスクがあります。
大切な情報が紛失した場合には、企業の信頼を損ねるかもしれません。

ペーパーレス化を推進しサーバやクラウド上で厳重に管理すると、企業の大切な資産を守りつつ安全性の高い企業運営を目指すことができるでしょう。

4.ESG経営推進に向けてペーパーレス化を実践する5ステップ

ESG経営推進でペーパーレス化が果たす役割が理解できたところで、実際にペーパーレス化に取り組んでみたいと感じたでしょう。

ここでは、ESG経営を推進するためにペーパーレス化を実際するための5つのステップをご紹介します。

5つのステップ 内容
ステップ1
企業の戦略を踏まえて目標を設定する
企業の戦略を実現するためのペーパーレス化目標を設定する
ステップ2
社内に既にある書類をペーパーレス化する
社内に既にある紙の書類をペーパーレス化する
ステップ3
業務で使用する書類をペーパーレス化する
業務フローを見直して業務で使用する書類や資料をペーパーレス化する
ステップ4
ペーパーレス化を維持する仕組みを構築する
ペーパーレス化を継続するためのルールを設定する
ステップ5
ペーパーレス化の成果を可視化して公表する
紙使用枚数や二酸化炭素排出量などを可視化して公表する

ペーパーレス化は闇雲に取り組むと、成果をESG経営に貢献できず失敗に終わるリスクがあります。

ペーパーレス化を効率よく進めてESG経営に貢献するためにも、どのように進めるべきか参考にしてみてください。

4-1.ステップ1:企業の戦略を踏まえて目標を設定する

まずは、企業の戦略を踏まえてESGの指標を設定しましょう。
ESG経営は、トップダウンのビジョン設定から始まります。

企業の戦略を実現するために、ESG経営にどのように取り組んでいくのか明確にしましょう。

【ESG経営の目的の一例】

  • 投資家から評価を得る
  • 企業利益の拡大
  • 企業やブランドのイメージ向上

ESG経営に取り組む目的が明確になったら、3つの指標に対して具体的な取り組み内容と目標を決めていきます。

3.ESG経営においてペーパーレス化が果たす3つの役割」で述べたように、ESG経営を推進するうえで取り組めることは多岐に渡ります。

今回はペーパーレス化に取り組むので、ペーパーレス化ではどのような目標を達成したいのか決めて、社内で共有しておきましょう。

【ペーパーレス化の目標の一例】

  • 紙の使用量を〇%抑える
  • 紙での文書管理を辞めて廃棄物排出量を〇%抑える
  • ペーパーレス化を促進して〇〇までに多様な働き方に対応できるようにする
4-2.ステップ2:社内に既にある書類をペーパーレス化する

ここからはESG経営の目標を達成するために、具体的にペーパーレス化に取り組んでいきます。
とは言え急に社内のあらゆる文書をペーパーレスにすることは難しく、混乱を招きます。

  • 既存の文書のペーパーレス化
  • 日常業務内でのペーパーレス化
  • ペーパーレス化を推進する仕組みづくり

と段階を踏んで、ペーパーレス化の範囲を拡大していくようにしましょう。
最初の段階は、既存書類のペーパーレス化です。

社内に溢れている紙の書類を下記のように一定のルールに沿って、区分けしていきます。

既にある紙の書類を整理する区分けの一例
保管 オフィスに残す書類を整理する
保存 外部倉庫など社外環境で保存する書類を整理する
廃棄 重複書類・不要な書類など廃棄する書類を整理する

保管する書類が決まったら、その中からデータ化して管理する書類を選定します。
「複数人で共有する書類」「3年以内に作成した書類」など一定のルールを決めると、選別しやすいでしょう。

データ化する書類は下記の方法で、ペーパーレス化を進めます。

【書類をデータ化する方法の一例】

  • 紙の書類をスキャンしてデータ化する
  • 紙のデータをExcelやワード、システム内に転記する
  • 書類電子化サービスを使用する

例えば、マニュアルなど複数人が共有する書類はコピー機でスキャンして、データ化します。
文書管理システムや共有サーバなどに保存しておくと、紙でなくても必要なときに閲覧できます。

既存書類のペーパーレス化を進めることで、今後の投入資源量・廃棄物排出量の抑制につながるでしょう。

また、紙の書類の紛失や不正持ち出しリスクを軽減できるため、リスクマネジメントにも貢献します。

4-3.ステップ3:業務で使用する書類をペーパーレス化する

続いて、日常業務で使用する資料や書類をペーパーレス化していきます。
業務内容にもよりますが、日常業務ではマニュアルや会議資料、請求書など紙を使用する場面が多々あります。

これらの業務に優先順位をつけて、ペーパーレス化を進めていきましょう。
ここで重要なのは単に書類をデジタル化するのではなく、業務フロー全体を見直すことです。

例えば、会議の資料をペーパーレス化したいと考えているとしましょう。

このときに資料をデジタル化するだけで終わってしまうと「会議中にどのように資料を閲覧するのか」「どのように資料を共有・保存するのか」など、ペーパーレス化した資料を活用するための課題が残ります。

資料をペーパーレス化しても問題なく会議ができるように、会議の工程を見直すことが欠かせません。
会議の準備に焦点をあてると、紙の資料を使用していたときには資料を作成してコピー・製本する一連の流れを行っていました。

会議の資料をツールで共有を行うフローに変更することで、ペーパーレス化しても問題なく会議を進められます。

会議の資料を準備する場合

  • 資料を作成する
  • 作成した資料をコピーする
  • コピーした資料を確認してもらう
  • 資料を修正して再度コピーする
  • 製本して配布する

会議の資料をペーパーレス化して準備する場合

  • 資料を作成する
  • ツール上で確認してもらう
  • ツール上で修正を行う
  • 会議参加者にツールで共有する

日常業務をペーパーレス化すると、投入資源量・廃棄物排出量の抑制などにつながることが期待できます。

ペーパーレス化によりテレワークなどが進めば、労働時間の最適化や従業員満足度の向上などにも貢献できるでしょう。

4-4.ステップ4:ペーパーレス化を維持する仕組みを構築する

ESG経営は中長期的に取り組み、改善状況や取り組み状況を公表することが重要です。

ペーパーレス化も一時的な取り組みで終わらないように、企業内に浸透させる仕組みづくりが欠かせません。

下記のようにペーパーレス化のルールを定めて、従業員の誰もがペーパーレス化を意識できる環境を構築しましょう。

【ペーパーレス化のルールの一例】

  • 紙の書類や資料は1ボックスまでしか保存しない
  • 50枚以上のコピーが必要な場合は承認を受ける
  • 廃棄する紙は資源回収に出す

また、ペーパーレス化を進める上で課題になるのが「ペーパーレス化で業務が増えた気がする」「ペーパーレス化に取り組む意義が分からない」など、消極的な従業員が一定数いることです。

ペーパーレス化を浸透させるには、従業員の足並みを揃え前向きに取り組む必要があるでしょう。
ペーパーレス化に関する研修や情報発信を積極的に行い、従業員の意識を高めることも重要です。

4-5.ステップ5:ペーパーレス化の成果を可視化して公表する

ESG経営では3つの指標の成果を可視化し、外部に公表することが求められます。
そのため、ペーパーレス化に取り組み終わりではなく、下記のような方法で成果を可視化しましょう。

【ペーパーレス化の成果の可視化例】

  • 毎月のコピー紙使用枚数をカウントする
  • ツールを導入してペーパーレス化による二酸化炭素削減量を算出する
  • ペーパーレス化による電気代削減量を可視化する
  • 従業員満足度調査を実施する

例えば、毎月コピー用紙の使用枚数をカウントしていれば「3ヶ月で5万枚削減」「1年で15万枚削減」など、具体的な数値を公表して取り組み成果をアピールできます。

ESG経営は報告書(統合報告書・CSR報告書・サステナビリティレポートなど)や自社のWebサイトで情報開示を行うことが一般的です。

継続して数値化し公表できるように、毎月のペーパーレス化の成果を可視化する仕組みを整えましょう。

【ESG経営の成果の可視化にはツール使用がおすすめ】

ペーパーレス化の成果を可視化し管理するには、ペーパーレス化を推進するツールやESG経営の指標を管理できるツールの活用がおすすめです。

例えば、使用したコピー用紙の枚数を従業員が管理することもできますが、コピー機の台数が多い場合は負担が大きくなります。

二酸化炭素排出量や電気使用量なども管理したい場合は、自力で算出することが難しいでしょう。

私たちが提供しているペーパーレス会議システム「ConforMeeting」は会議のペーパーレス化貢献度を自動で算出し、手間をかけずにESG経営の成果を可視化できます。

5.ESG経営に貢献するペーパーレス化はツールを活用しながらスモールスタートしよう

ここまで解説してきたようにペーパーレス化はハードルが比較的低く、ESG経営を推進するときに取り組みやすいです。

しかし、とりあえず社内業務をペーパーレス化しようと範囲を決めずに始めてしまうと「どのようなデータを可視化すればいいのか」「どこまでペーパーレス化ができているのか」曖昧になり、ESG経営への貢献度が分からなくなります。

【ESG経営に貢献するペーパーレス化が失敗するパターンの一例】

  • どの部署がどの程度ペーパーレス化できているのか分からず成果を可視化できない
  • ペーパーレス化できている書類とできていない書類が混在していて成果がよく分からない

そこで、ESG経営推進にペーパーレス化を活用するには、着実に成果を可視化できる範囲から始めることがおすすめです。

例えば、ペーパーレス化を推進する会議システムを導入し、会議からペーパーレス化を始めたとします。

ペーパーレス化の範囲が明確であるうえに会議でのペーパーレス化成果は確実に可視化できるため、ペーパーレス化の成果を公表しやすくなるでしょう。

このように、まずは管理できる範囲からペーパーレス化をスモールスタートし、少しずつペーパーレス化の範囲を拡大していくと失敗することなく進められます。

6.ESG経営をサポートするペーパーレス会議システム「ConforMeeting」

ESG経営を推進するためにペーパーレス化に取り組む場合、どの業務からスタートするべきか迷う方もいるかと思います。

  • 会議の回数が多い
  • 会議で大量の資料を使用している
という場合は、ペーパーレス化への貢献度が高い会議から始めるといいでしょう。
その場合は、私たちが提供しているペーパーレス会議システム「ConforMeeting」がおすすめです。

ペーパーレス会議システムとは、会議の準備から完了後までのペーパーレス化・効率化を推進するシステムです。

「ConforMeeting」は豊富な機能に加えて、会議のペーパーレス化貢献度を可視化できる機能があります。
手間をかけなくても削減できた紙の枚数や削減できた二酸化炭素の量などを可視化し、ESG経営に貢献します。

ここでは「ConforMeeting」の魅力をご紹介するので、ぜひ参考にしてみてください。

ESG経営に貢献する「ConforMeeting」の魅力

  • 1)
    会議のペーパーレス化貢献度を自動で可視化できる
  • 2)
    負担の大きい会議の準備から完了後までの工程をサポート
6-1.会議のペーパーレス化貢献度を自動で可視化できる

「ConforMeeting」では、会議の終了後にSEG経営に貢献する数値を可視化して表示できます。

①会議の準備費用 ConforMeetingを利用して削減できた人件費/印刷費
②紙に換算した資料の枚数 ConforMeetingを利用して削減できた紙の枚数
③脱炭素化コスト ConforMeetingを利用して削減できた二酸化炭素の貨幣価値
④二酸化炭素排出量 ConforMeetingを利用して削減できた二酸化炭素の量

各会議のデータを集計してレポート表示することも可能です。
レポートでは、ペーパーレス化により削減できた印刷コストや紙のコストなどを見やすく表示できます。

自動作成したデータを基にESG経営の成果を公表できるため、運用にかかる負担を軽減しながら継続して取り組めます。

6-2.負担の大きい会議の準備から完了後までの工程をサポート

「ConforMeeting」は、会議の準備から完了後までを一貫してサポートする機能が揃っています。

ペーパーレス化をサポートする機能の一例
会議前 会議資料をペーパーレス化できる
会議中 印刷しなくても画面上の資料に手書き・テキスト入力ができる
資料の印刷権限を設定できる
会議後 会議資料をキャビネ※に保存できる
(サーバで暗号化して一元管理)

※キャビネ:過去の会議資料が手書きメモを含めて保存されている場所です

会議の資料をペーパーレス化して共有・活用できるのはもちろん、会議の進行をサポートする機能や会議資料を管理する機能も用意しています。

例えば、会議の資料を印刷しなくても画面上で共有しながら、円滑に会議を進められます。
会議完了後はキャビネに資料を保存でき、いつでも見返すことが可能です。

会議のペーパーレス化を推進するのと同時に、会議の質の向上や効率化も実現できるところが大きな強みです。

「ConforMeeting」を導入すると、ペーパーレス化の成果を可視化しながらESG経営を推進できることが期待できます。
「ConforMeeting」は30日間の無料トライアルを用意していますので、まずは試しに活用してみてください。

「Conformeeting」をもっと詳しく知りたい方へ

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7.まとめ

この記事では、ESG経営推進に貢献するペーパーレス化の役割や具体的な実践方法をご紹介しました。
ESG経営を推進するうえで、ペーパーレス化に取り組んでみようと思えたかと思います。

最後にこの記事の内容を簡単に振り返ってみましょう。

〇ESG経営推進にペーパーレス化が貢献できる理由は下記のとおり

  • 1)
    ESG経営の成果を可視化できる
  • 2)
    ESG経営の3つの要素に貢献できる
  • 3)
    補足:業務効率化にも貢献できる

〇ESG経営を推進するときにペーパーレス化が貢献できる取り組み一例は下記のとおり

3つの指標 ペーパーレス化が貢献できること
Environment(環境)
  • 温室効果ガス排出量の抑制
  • エネルギー使用量の抑制(電気代の削減など)
  • 廃棄物排出量の抑制(排気する紙・ファイルの削減など)
  • 紙の購入量の抑制(森林伐採の抑制につながる)
Social(社会)
  • ダイバーシティへの取り組み(多様な働き方に対応できる)
  • 労働時間の最適化(業務効率化・残業時間の短縮につながる)
  • 従業員満足度の向上(ワークライフバランスの取れた働き方に貢献できる)
Governance(ガバナンス)
  • リスクマネジメント体制の構築・実施(BCP対策ができる)
  • 情報セキュリティ対策の実施(紙による情報管理リスクを軽減できる)

〇ESG経営推進に向けてペーパーレス化を実践する5ステップは下記のとおり

  • ステップ1:企業の戦略を踏まえて目標を設定する
  • ステップ2:社内に既にある書類をペーパーレス化する
  • ステップ3:業務で使用する書類をペーパーレス化する
  • ステップ4:ペーパーレス化を維持する仕組みを構築する
  • ステップ5:ペーパーレス化の成果を可視化して公表する

〇ESG経営に貢献するペーパーレス化はツールを活用しながらスモールスタートする

ESG経営を推進する第一歩として、ペーパーレス化は取り組みやすいです。
「ConforMeeting」を導入すると、会議のペーパーレス化の成果を可視化しながらESG経営を推進できることが期待できます。

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