ペーパーレス会議システムを活用した役員・経営会議の基礎知識から進め方と会議の進行方法について解説します。

目次

会社経営には業務執行の方針を決定するいくつかの会議が存在します。ここでは、経営幹部が参加する役員会議の一部を解説します。

取締役会は、株主総会で選任されたすべての取締役によって構成されます。経営の基本方針の決定をはじめとする会社の業務執行に関する資金計画、投融資などの重要な意思決定を行うとともに、取締役の職務執行を監督する責務を担っています。

会社によっては、取締役会とは別に、重要な会議体として経営会議（名称は会社によって異なります。）等を任意に設置している場合もあります。
一般的に、経営会議は、執行役員や事業部長など重要な役職に就いているメンバーで構成され、経営方針や経営戦略など会社経営に関する重要事項の審議を行います。特に重要な案件については、経営会議で予め十分な審議を行ったうえで取締役会に付議することにより、審議の充実と適正な意思決定の確保をはかっています。

何人もの経営幹部が、同じ空間で限りある時間を消費する「役員会議」では、その機会を最大限生かすためにも、「集中して議論に臨む」ことが求められています。

「議論の活性化」を高める環境作りと「情報の鮮度」を保つインフラ整備、「効率的な会議運営」と「情報の徹底管理」の支援が必要です。

役員会議において確実ですばやい決定を促し、経営の判断、伝達、実行のスピードを上げる方法の一つが会議のペーパーレス化です。

【メリット1】迅速な経営判断を支援
会議資料の印刷の必要がなく、開催直前でも資料の修正ができるため、常に最新の経営情報を反映した資料で会議に臨むことが可能になります。会議資料の先読みや別資料参照、前回の会議資料もメモ入りで参照可能なので必要な情報を即時キャッチアップ出来ます。

【メリット2】事前に会議資料を配布・確認しやすくなるので議題に集中
役員会議資料は機密性が高く、メール添付や持ち出しが禁止されており、会議当日に配付されるケースも少なくありません。ペーパーレス会議システムを使えば安全に資料共有が可能になるため、事前に目を通しておくことで、参加者は議題への集中を高め、さらに会議の時間短縮にもつながります。

【メリット3】会議のリモート化が容易
会議をペーパーレス化して資料をデジタルで共有すれば、世界中のどこにいても会議に出席することが容易になります。緊急事態宣言下の出社制限や自然災害などの緊急事態の際にもBCP（Business Continuity Plan＝事業継続計画）対策としても効果を発揮します。

【メリット4】会議の運営準備を削減できる
会議前の資料印刷や準備などのアナログなオペレーションが原因で、役員会議の事前準備に膨大な労力がかかっています。会議前日は遅くまで残業対応していたケースも稀ではありません。ペーパーレス化することにより「準備の手間」を大幅に削減することが可能です。

役員会議という特徴柄、経営幹部もシステム操作が必要となり、また会議資料も機密性の高いため、ペーパーレス会議の導入のハードルが高いと言われています。スムーズにペーパーレス会議へ移行するには、特に以下のポイントを押さえる必要があります。