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オンプレミス型文書管理システムとは|クラウドにないメリットも解説
「オンプレミス型の文書管理システムとはどういうものなのだろう?クラウド型とは何が違うの?」
「セキュリティの観点からオンプレミス型が良いという意見が上がっているが、本当にそうなのだろうか?」
そのように、文書管理システムの、特にオンプレミス型の特性について色々と疑問が浮かんでいるのではありませんか?
クラウド型のツールやサービスが一般的になってきている中で、オンプレミス型の文書管理システムがどういうものかはイメージしづらいところですよね。
簡単に説明すると、オンプレミス型の文書管理システムは、社内に設置したサーバ上に構築し自社で運用する、文書(ファイル)管理のためのシステムです。
こうした自社運用するオンプレミス型と対になるのがクラウド型で、他社(クラウドサービス事業者)が運用する文書管理システムをインターネットを介して利用します。
文書管理システムに限らず、オンプレミスとクラウドは、自社運用か否かという点で対照的な概念です。
そのため、オンプレミス型の文書管理システムについても、以下のようにクラウド型と見比べることで、より確かな理解が得られます。
【文書管理システムにおけるオンプレミス型とクラウド型の違い】
オンプレミス型 | クラウド型 | |
---|---|---|
運用・管理 | 自社 | 提供事業者 |
初期費用 | 高額 | 不要/少額 |
運用費 | 保守費用が必要 | 利用料が必要 |
セキュリティ | 自社でコントロール可能 | 提供会社に依拠 |
機能 | カスタマイズ性が高い | 独自のカスタマイズは難しい |
こうして比較してみると、オンプレミス型の文書管理システムは、クラウド型と比べて、自社の要件に合わせたセキュリティや機能を叶えやすいことが見えてきますよね。
ただ、初期費用が高額になりやすかったり、自社で管理を担わなければならなかったりするなど、クラウド型には無い負担があるのも事実です。
こういったことから、自社にオンプレミス型の文書管理システムが適しているかどうかは、クラウド型との違いや、オンプレミス型ならではのメリット・デメリットを詳しく把握した上で慎重に判断することが重要なのです。
そこでこの記事では、オンプレミス型の文書管理システムについて、以下の通り詳細に解説します。
本記事の主な内容
- オンプレミス型の文書管理システムの概要(クラウド型との違いも含む)
- オンプレミス型の文書管理システムのメリット・デメリット
- オンプレミス型の文書管理システムがおすすめなケース
- オンプレミス型の文書管理システムの選定ポイント
- おすすめのオンプレミス型文書管理システム紹介
自社にとってオンプレミス型の文書管理システムが適しているのかどうか判断でき、必要に応じて具体的なシステム選定に一歩踏み出せる内容となっています。
ぜひ最後まで目を通してみてくださいね。
1. オンプレミス型の文書管理システムとは
まずは、オンプレミス型の文書管理システムがどういうもので、クラウド型とはどう違うのか、といったことから押さえていきましょう。
1-1. 社内サーバで運用するのがオンプレミス型文書管理システム
冒頭でも触れましたが、オンプレミス型の文書管理システムとは、「社内に設置したサーバを用いて構築・運用する文書管理のためのシステム」のことです。
社内で構築・運用するという特性上、自社に合わせて、ある程度セキュリティや機能を調整・カスタマイズすることが可能です。
ただ、オンプレミス型の文書管理システムを導入するなら、システムを動かすためのサーバやストレージを社内に用意する必要があります。
システムの運用においても、それらの機器類の管理が求められます。
対して、クラウド型の文書管理システムは、提供事業者が用意したシステムをインターネットを介して利用するイメージです。
サーバやストレージといった機器類を含め、システム全般の管理は提供事業者によって行われるため、機器類を社内に設置する必要も、システム管理を自社で行う必要もありません。
このように、システム自体の構築や管理を提供事業者にほぼ一任できるクラウド型に対して、良くも悪くも自社で対応(コントロール)する範囲が広いのが、オンプレミス型の文書管理システムです。
1-2. オンプレミス型の文書管理システムでできること
文書管理システムは、(オンプレミス型かクラウド型かに限らず)その名の通り適切な文書管理をサポートしてくれます。
社内の膨大な文書(ファイル・データ)を適切に保管し、取り扱い、最終的に廃棄するのは、人力だけではなかなか難しいものです。
フォルダ構成やファイルの命名規則を定め、その通りにファイルを保管したり、機密ファイルへのアクセスを制限したり、不要なファイルを破棄したり…と必要な対応は多岐に渡ります。
また、各従業員がどんなに気をつけていても、必要なファイルの削除や、最新版ではない文書の参照といったミスをゼロにはできないものです。
文書管理システムでは、そのように人力だけでは限界のある文書管理を、以下のような機能によってサポートしてくれるのです。
【文書管理システムの機能とできることの一例】
ファイル保管・共有機能 | フォルダや階層構造によって、ファイルを適切に分類・整理しながら保管できる。 共有用のフォルダを作成すると、そのフォルダへのアクセスを許可した相手とファイルを共有できる。 |
---|---|
ファイル検索機能 | ファイル名や、ファイルの作成日・作成者・更新日・属性などで必要なファイルを検索できる。 絞り込み検索や、全文検索が可能な場合もある。 |
セキュリティ機能 | 機密情報を無闇に閲覧・編集・ダウンロードさせないために、ファイルごとに操作権限を設定できたり、改ざんを防止するために、ファイルの操作履歴を記録したりすることができる。 |
バージョン管理機能 | ファイルが更新された際に、旧版のデータも残しつつ、最新版を表示させる等の対応ができる。 |
自動廃棄機能 | 指定した保管期限を過ぎたファイルを自動で廃棄してくれる。 |
ワークフロー補助機能 | 文書(ファイル)を確認してもらい、承認・決裁を得るためのフローをシステム上で完結できる。 |
こうした基本的な機能については、オンプレミス型とクラウド型で大きく違いません。
ただ、自社に合わせて、これらの機能を調整・カスタマイズできるのはオンプレミス型の文書管理システムならではと言えます。
1-3. クラウド型文書管理システムとの違い
ここまで、クラウド型も引き合いに出しつつ、オンプレミス型の文書管理システムについて紹介してきましたが、改めてクラウド型との違いを見ておきましょう。
【文書管理システムにおけるオンプレミス型とクラウド型の違い】
オンプレミス型 | クラウド型 | |
---|---|---|
運用・管理 | 自社 | 提供事業者 |
初期費用 | 高額 | 不要/少額 |
運用費 | 保守費用が必要 | 利用料が必要 |
セキュリティ | 自社でコントロール可能 | 提供会社に依拠 |
機能 | カスタマイズ性が高い | 独自のカスタマイズは難しい |
各項目について、もう少し詳しく説明しますね。
1-3-1. 運用・管理
オンプレミス型 | クラウド型 | |
---|---|---|
運用・管理 | 自社 | 提供事業者 |
お伝えしている通り、オンプレミス型の文書管理システムは社内のサーバを用いて構築・運用するため、運用・管理を担うのは自社側です。
文書管理システムの稼働状況や、ウイルス・攻撃等への監視など、日々正常な状態を保つための工数を割く必要があります。
一方、クラウド型の文書管理システムは、インターネットを介して提供されるサービスのようなものであり、システムの運用・管理も含めて提供されます。
こうした違いから、運用における工数負担はほとんど必要なく、社内にエンジニアが在籍していない場合でも利用しやすいクラウド型に対し、オンプレミス型は、社内インフラやシステム運用に詳しいエンジニアが居なければ導入のハードルは高いと言えます。
1-3-2. 初期費用
オンプレミス型 | クラウド型 | |
---|---|---|
初期費用 | 高額 | 不要/少額 |
オンプレミス型の文書管理システムでは、自社にシステム用のサーバや、場合によってはストレージ機器も導入する必要があります。
このため、機器類の代金やサーバライセンス料、導入作業費などがかかり、初期費用は高額になりやすいです。
導入する文書管理システムや、利用規模によりその金額は異なりますが、数百万円以上の額になることも珍しくありません。
一方、クラウド型の場合、社内にシステムを構築するわけではないことから、初期費用は数万円程度など少額で済む場合がほとんどです。初期費用を不要としているタイプも存在します。
こういったことから、スモールスタートも可能なクラウド型に対し、オンプレミス型では最初から大きな投資を見込んでおく必要があることが分かります。
1-3-3. 運用費
オンプレミス型 | クラウド型 | |
---|---|---|
運用費 | 保守費用が必要 | 利用料が必要 |
オンプレミス型の文書管理システムでは、主に保守費用が運用費として必要となります。
この保守費用は、文書管理システムを利用するにあたり、重大なインシデントや事故から守ってもらうための費用で、例えばシステムのアップデートや、不具合対応などが費用内で実施されます。
基本的には年額となっており、数十万円単位の費用が必要ではありますが、1ヶ月あたりで換算すると10万円前後に収まることも多いです。
一方クラウド型の場合は、運用費として、月額の利用料を支払う必要があります。
利用料は、文書管理システムを利用するユーザー数やストレージ容量に比例し、オンプレミス型で言うところの保守費用や、日々の運用・管理に対する費用も含まれることが多いです。
こういった違いから、クラウド型では利用規模(ユーザー数・ストレージ容量)に応じて運用費が変動しやすく、オンプレミス型では運用費に大きな変動は起こりづらいということも見えてきます。
1-3-4. セキュリティ
オンプレミス型 | クラウド型 | |
---|---|---|
セキュリティ | 自社でコントロール可能 | 提供会社に依拠 |
オンプレミス型の文書管理システムでは、セキュリティの強度を自社でコントロールできます。
オンプレミス型の場合、自社で日々の管理が必要ですが、だからこそセキュリティに関するツールやソフトを選択したり、システムにアクセスするための社内ネットワークの安全性を高めたり、といった対応も可能です。
一方、クラウド型の場合は、セキュリティ対策も含めて提供事業者がシステム運用を担います。
もちろんクラウド型の文書管理システムを提供する事業者でもセキュリティは重視しており、高度なセキュリティ対策が取られている場合がほとんどです。
ただ、その程度は提供事業者に依拠することとなります。
このように、クラウド型の場合は自社でセキュリティの手綱を握ることはできませんが、オンプレミス型では、自社のセキュリティポリシーに合わせた設計・運用が可能なのです。
1-3-5. 機能
オンプレミス型 | クラウド型 | |
---|---|---|
機能 | カスタマイズ性が高い | 独自のカスタマイズは難しい |
オンプレミス型の文書管理システムの場合、社内のサーバに構築するという特性上、自社に合わせてある程度機能を調整・カスタマイズすることができます。
例えば、既存の業務システムと連携させて、生成される帳票類を自動的に文書管理システム内に保管させたり、ユーザーごと・ファイルごとに柔軟にアクセス権限を設定したり、といった対応をしやすいです。
一方、クラウド型の場合、基本的には製品として既に完結しているものをインターネット経由で利用します。
あらかじめ用意されたオプションを追加することはできますが、それ以上のカスタマイズは難しい場合が多いです。
このように、カスタマイズの余地が大きくないクラウド型に対して、オンプレミス型は柔軟なカスタマイズが可能で、業務に合わせた仕様を叶えやすいと言えます。
2. 文書管理システムがオンプレミスであることのメリット3つ
ここまでで、オンプレミス型の文書管理システムがどのようなものか、概要がお分かりになったかと思います。
そこで次に気になるのが、文書管理システムがオンプレミスであることの利点ではないでしょうか。
クラウド型との比較により、大まかにイメージがついているかもしれませんが、改めてそのメリットを挙げると以下の通りです。
文書管理システムがオンプレミスであることのメリット
- ニーズに合わせて機能を最適化できる
- セキュリティリスクを低減しやすい
- より一元的な文書管理が実現しやすい
それぞれ詳しく見ていきましょう。
2-1. ニーズに合わせて機能を最適化できる
文書管理システムがオンプレミスであることのメリットとして、まず、文書管理上のニーズに合わせて機能を最適化できる点が挙げられます。
一言に文書管理と言っても、どのようにファイルを保管・共有・活用したいかは企業によって違いますよね。
データで生成されたファイルをスムーズに社内共有したいという場合もあれば、FAXなどの紙媒体の文書も含めてシステム上で保管したい場合もあるはずです。
お伝えした通り、オンプレミス型の場合、機能や仕様を自社に合わせてある程度調整・カスタマイズできますから、そのような企業ごとのニーズに沿って機能や仕様を最適化できるのです。
例えば、以下のようなニーズにも、オンプレミス型の文書管理システムなら対応しやすいです。
【ニーズ例1:営業ナレッジマネジメントの強化】
エンドユーザーの操作画面は社内ポータル仕様にして、文書管理システムに保管してある資料や顧客情報等をナレッジとして共有する。
【ニーズ例2:紙媒体の文書もシームレスに保管】
社内の複合機と連携させて、スキャンしたデータやFAXを文書管理システム上に保管できる仕組みを構築する。
【ニーズ例3:社内外でのセキュアな情報共有】
技術文書など機密データダウンロード時の暗号化や、クライアント側での操作制限・キャプチャ制限を実装する。
こうした柔軟な対応が可能な点は、オンプレミス型の文書管理システムを利用する大きなメリットと言えます。
2-2. セキュリティリスクを低減しやすい
2つ目のメリットは、セキュリティリスクを低減しやすいことです。
先述の通り、社内に構築するオンプレミス型の文書管理システムは、自社のセキュリティポリシーに合わせた設計・運用が可能です。
つまり、一般的なレベルより高度なセキュリティを求める企業にとっては、そのニーズに合わせてシステム周りのセキュリティをどんどん高めていけるので、セキュリティリスクを低減しやすいと感じられるはずです。
またオンプレミス型の場合、システム自体だけでなく、システム上に保管されるファイルも社内で管理することとなります。
そのように重要な情報を外部に出さなくて良いという点においても、リスク低減が見込めます。
【POINT:クラウド型がセキュリティ面で劣るというわけではない】
クラウド型の文書管理システムの場合、そのセキュリティレベルは提供事業者に依存することとなりますが、だからといってクラウド型がセキュリティ面で劣っているわけではありません。
あくまで自社でコントロールできないだけであって、基本的にはクラウド型の文書管理システムにも、提供事業者の方でしっかりと対策が講じられています。
そのため、自社で独自にセキュリティ対策を実施したいわけではないのなら、クラウド型を選択してもセキュリティ上の問題は無いはずです。
2-3. より一元的な文書管理が実現しやすい
3つ目のメリットは、より一元的な文書管理が実現しやすいという点です。
これは、オンプレミス型の文書管理システムが、機能や仕様をカスタマイズしやすく、他のシステムとも柔軟に連携できることに起因します。
社内文書は、業務で用いるさまざまなシステムやツールを通じて生成されるため、文書管理システムとその他のシステムを連携できることが、文書の一元管理を一層推し進めてくれるのです。
例えば、社内文書の生成元となるシステムやツールとして以下のようなものがあります。
- 会計ツール…帳票類を生成
- 販売管理システム…販売実績・売上予測などを生成
- Web会議システム…Web会議の録画データを生成
- CADソフト…製造・設計図面を生成
これらのシステムと連携を取り、生成された文書(ファイル・データ)をシームレスに文書管理システム上に保管すれば、点在していた社内文書が集約されますよね。
オンプレミス型であれば、このような外部システムとの柔軟な連携が取りやすく、より一元的な文書管理が実現するのです。
3. 文書管理システムがオンプレミスであることのデメリット3つ
文書管理システムがオンプレミスであることには、ご紹介したようなメリットがある反面、デメリットも存在します。
それが以下の3つです。
文書管理システムがオンプレミスであることのデメリット
- 初期費用が高額になりやすい
- システム管理を行える人材が必要
- 災害時などに利用できなくなる可能性がある
自社にとってオンプレミス型の文書管理システムが適しているかどうか判断する前に、こうしたデメリットについても詳しく把握しておきましょう。
3-1. 初期費用が高額になりやすい
1つ目のデメリットは、初期費用が高額になりやすいことです。
すでにお伝えしたことではありますが、オンプレミス型の文書管理システムは、初期費用としてサーバの代金や、サーバライセンス料などが必要です。
さらに、システムを導入するための作業に対する費用も発生するため、その金額は数百万円以上の規模になるケースが多いのです。
まとまった金額の初期投資が必要な点は、留意しておきましょう。
【POINT:長い目で見るとクラウド型よりリーズナブルなケースもある】
オンプレミス型の文書管理システムには、安くはない初期費用が必要ですが、運用費を含めて長期的に見ると、クラウド型よりリーズナブルになるケースも珍しくありません。
クラウド型の場合、初期投資はほとんど必要なくても、月額利用料がかかりますし、その金額は利用人数・容量に比例して大きくなるからです。
このため、特に利用規模が大きくなる場合において、オンプレミス型とクラウド型でコスト比較をするなら、運用費まで含めて見比べることをおすすめします。
3-2. システム管理を行える人材が必要
2つ目のデメリットは、システム管理を行える人材が必要なことです。
社内のサーバに構築し、運用するオンプレミス型の文書管理システムは、自社で管理する必要があります。
そのため、システム管理を担えるエンジニアや、それに準ずる情報システム担当者などの存在が欠かせません。
システム管理の内容としては、例えば以下のようなものがあります。
自社で対応が必要なシステム管理の内容(一例)
- ハードウェアの管理(適切な室温の維持、清掃、電源管理など)
- 社内ネットワークやシステムの稼働状況の監視
- システムにアップデートがあった際の対応
- ウイルス・不正アクセス等の監視
- システム利用者である従業員からの問い合わせ初期対応
こうした業務を担える人材が社内に必要であり、逆にそういった人材が在籍していない場合や、在籍していてもすでに手一杯で管理にまで手が回らないという場合は、導入のハードルが高くなってしまうのです。
3-3. 災害時などに利用できなくなる可能性がある
3つ目のデメリットは、災害時などに利用できなくなる可能性があることです。
大きな災害や、あるいはテロ攻撃などによって自社が損壊した場合は、社内で運用する文書管理システムも利用できなくなってしまいます。
システムの運用の仕方によっては、重要な文書やデータが失われる恐れもあります。
実際、東日本大震災の際には、文書管理システムに限らず、オンプレミス型の重要な業務システムが利用不能に追い込まれ、事業や業務の再開が困難な例が多発しました。
そのように、社屋が損壊するレベルのイレギュラーに弱いことは、文書管理システムがオンプレミス型であることの大きなデメリットと言えます。
【POINT:BCPに準拠した運用が必要】
大規模な災害などのイレギュラーに弱点を抱えるオンプレミス型の文書管理システムを導入するなら、BCP(事業継続計画)に準拠した運用体制を取るべきです。
一例として、重要データのアーカイブを記録したメディアを別の拠点で管理する、クラウド上にアーカイブの保管先を設ける、といった対応が考えられます。
自社のBCPに応じて、イレギュラーが発生しても事業や業務をすぐに再開できるようにシステムを運用しましょう。
4. クラウド型に満たせないニーズがあるならオンプレミス型の文書管理システムがおすすめ
ご覧いただいたように、文書管理システムがオンプレミスであることには、メリットもあればデメリットもあります。
このため、文書管理システムを導入するにあたって、オンプレミス型が適している場合もあれば、そうでない場合もあるのです。
結論をいえば、クラウド型の文書管理システムではニーズを満たしきれない場合は、オンプレミス型が適していると判断すべきです。
というのも、クラウド型の文書管理システムは、企業ごとにカスタマイズすることが難しいからこそ、文書管理上の一般的なニーズには応えられる仕様になっているものが多いからです。
にも関わらず、クラウド型ではあなたの会社のニーズを満たしきれないのであれば、細やかなニーズにも対応しやすいオンプレミス型の文書管理システムを採用すべきと言えます。
具体的には、以下のようなニーズがある場合を指します。
クラウド型の文書管理システムでは満たしきれないニーズ
- 自社の業務に合わせて機能や仕様をカスタマイズしたい
- 他の業務システム・ツールと柔軟に連携させて多様なデータを一元管理したい
- 機密性の高いデータを保管・共有するため、自社独自のセキュリティポリシーを遵守したい
- データを外部に出さず社内で保管したい
このように、自社の業務内容やプロセスに合わせた文書管理システムが必要な場合や、非常に機密性の高い情報を取り扱う場合、クラウド型では対応しきれないことも出てくるはずです。
初期費用や運用リソースを投じられることが条件にはなりますが、クラウド型に対応できないニーズがあるなら、オンプレミス型を採用することで、あなたの会社が望む通りの文書管理が実現できるはずですよ。
【POINT:ニーズが明確になっていないならクラウド型のトライアルがおすすめ】
本格的な文書管理システムを導入するのが初めての場合、「どのように文書管理をしていきたいか」というニーズが社内で明確になっていないこともあるかと思います。
その場合は、Webで手軽に申し込めるクラウド型文書管理システムの無料トライアルを利用してみるのも一つの手です。
実際に使ってみることで、「こういうことができれば良いのにな」と、自社が求める仕様や機能がはっきりしてきます。
また、クラウド型で充分自社のニーズを満たせることが判明する場合もあります。
そのように、自社のニーズを明確化したい・確認したいという場合は、弊社の提供するクラウド版の文書管理システム「PROCENTER SaaS」の無料トライアルをぜひご利用ください。
「PROCENTER SaaS」は、クラウド型の文書管理システムでありながら、豊富なAPIで他の業務システムやクラウドサービスとの柔軟な連携が可能です。
さらに、以下の通り高水準のセキュリティレベルを備えています。
- 防衛産業サイバーセキュリティ基準のベースとなっているNIST SP800-171対応
- ISO27017(クラウドサービスセキュリティ)認証取得
このように、クラウド型でありながら機能面・セキュリティ面のニーズに広く対応できる「PROCENTER SaaS」の無料トライアル、ぜひお気軽にお申し込みください。
5. ベストなオンプレミス型文書管理システムを選ぶ際のポイント
オンプレミス型の文書管理システムが自社に適していると判断できたら、次に必要となるのが導入するシステムの選定ですよね。
ここでは、あなたの会社にとってベストな文書管理システムを導入できるように、選定時に見るべきポイントをご紹介します。
それが以下の4点です。
オンプレミス型の文書管理システムを選ぶ際のポイント
- ニーズに応じた機能を使えるか
- セキュリティ要件を満たしているか
- 予算内で導入・運用可能か
- 従業員が無理なく使えるか
一つずつ説明しますね。
5-1. ニーズに応じた機能を使えるか
まず、自社の文書管理上のニーズに応じた機能を使えるかどうか確認しましょう。
せっかくオンプレミス型を導入するのであれば、最大限自社のニーズに応えてくれる文書管理システムを導入したいですよね。
そのために、導入候補となっている文書管理システムがどのような機能を備えているか、またどのようなカスタマイズが可能かを細かくチェックしましょう。
例えば、以下は文書管理におけるニーズの例と、各ニーズに対応する機能をまとめたものです。
【文書管理上のニーズと必要な機能】
ニーズ | 必要な機能 |
---|---|
文書を探す時間を短縮したい | 高度な検索機能 (絞り込み検索、全文検索など) |
契約書など承認が必要な文書を効率的に管理したい | ワークフロー補助機能 |
技術文書など機密性の高いデータを安全に共有したい | ダウンロード/キャプチャの制御機能 |
頻繁に改訂されるマニュアル等の旧版誤用を防ぎたい | 柔軟なバージョン管理機能 (最新版のみ表示されるなど) |
基幹システムなど他の業務システムと連携させたい | 柔軟な外部連携 |
海外の提携先に図面やマニュアルを確実に共有したい | 回線の弱い海外地域へもデータを転送できる仕組み |
こうした例も参考にしつつ、自社に必要な機能が使えるシステムなのかどうかを判断するようにしてください。
5-2. セキュリティ要件を満たしているか
セキュリティについても、自社の要件を満たしているかどうか確認しましょう。
オンプレミス型の文書管理システムは、セキュリティレベルを自社でコントロールできるとはいえ、完全に自由にセキュリティ機能を実装できるわけではありません。
どのようなセキュリティ対策が講じられているか、自社に合わせてどの程度調整できるのか、という点は事前にチェックしておいてください。
具体的なチェックポイントとしては、例えば以下のようなものがあります。
セキュリティのチェックポイント
- 閲覧・編集など細かなアクセス権限を設定できるか
- アクセスや操作履歴を確認できるか
- ダウンロード・印刷・キャプチャを制御する機能はあるか
- 多要素認証やアカウントロックなど、不正アクセスを防止する仕組みがあるか
- 希望するセキュリティソフトやツールを使用できるか
このように、自社でコントロールできる範囲も含めてセキュリティ面を確認してみてください。
5-3. 予算内で導入・運用可能か
予算内で導入・運用が可能かも、しっかりチェックしましょう。
すでにお伝えしたように、オンプレミス型の文書管理システムは初期費用が高額になりやすいです。
また、初期費用に比べれば負担は小さいとはいえ、運用開始後は保守費用も必要となります。
こうした費用について、見積もりを取って正確に把握し、自社の予算内で利用できるかどうかを見極めましょう。
その際、以下のポイントに注意して、確認するようにしてください。
費用のチェックポイント
- 作業費は見積もりに含まれているか
- 見積もり内でどこまで対応してもらえるか(自社でどの程度対応が必要なのか)
- 「別途」となっている費用項目と金額
- 「◯%の保守費用」等の記載において、具体的にどの項目に対するパーセンテージなのか
- ライセンスの考え方(同時接続数に対する金額なのか、ユーザー数に対する金額なのか等)
見積もりで示された金額だけでなく、こうした細かい点にも着目することで、「想定より高額になってしまった」ということがなくなるはずです。
5-4. 従業員が無理なく使えるか
エンドユーザーである従業員が無理なく使えるかも重要な選定ポイントです。
文書管理のために従来利用してきたツールやソフトとあまりに操作感が異なっていたり、従業員のリテラシーに合っていない文書管理システムを導入してしまうと、業務効率が悪化する恐れもあります。
そういった事態を回避するため、従業員の使いやすさもチェックするようにしましょう。
オンプレミス型の文書管理システムの中には、そうした操作感や機能性を評価するために試用が可能なものもあります。
できるだけ、そのように事前に試せるツールを積極的に導入候補とするようにしましょう。
6. オンプレミス型文書管理システムなら「PROCENTER/C」がおすすめ
ここまでお読みになっている方は、柔軟な機能性やセキュリティを重視して、オンプレミス型の文書管理システムを検討されているのではないでしょうか。
そんなあなたにおすすめなのが、「PROCENTER/C(プロセンターシー)」です。
「PROCENTER/C」は、当社NECソリューションイノベータが開発したシステムで、文書管理と情報共有を一手に担う強みがあるプラットフォームです。
文書(ファイル)管理システムとしての基本機能はもちろん、オンプレミス型ならではの柔軟なカスタマイズ性も備えています。
PROCENTER/Cの仕様・機能の一例
【文書管理機能】
- ファイルの登録、参照、編集
- 作成日、作成者、更新日、絞り込み等による柔軟な検索
- 保管期限を設定し、不要なファイルを自動削除
- 常に最新版のファイルを関係者と共有できる仕組み
- 2GBを超える大容量ファイルのスムーズな転送
【セキュリティ機能】
- ファイルごとの柔軟なアクセス・操作権限設定
- ログイン時の多要素認証
- 保管ファイルの暗号化
- ダウンロード・印刷・キャプチャ制御
【カスタマイズ性】
- 一つのシステム内に複数の環境を構築可能
- 豊富なAPIによる柔軟な他システム連携(基幹システム・複合機等)
また、金融業や行政機関への導入実績も増えており、強固なセキュリティにも定評があります。
セキュリティレベルを裏付ける実績
【金融業】
課題:
本社と海外にある拠点ごとでマニュアル等の資料を管理しており、一元管理がされていない。散在している状態で、必要な資料を探すのも手間…。
海外拠点への資料送付をメール添付や郵送で行っており、誤送信・誤配のリスクが心配だった。
また、紙文書で承認を行った後に資料を送付するため、状況がわかりづらくフローが滞ることも…。
▼
PROCENTER/Cの導入効果:
本社と海外拠点の情報が一元化され、検索性が向上したことで、時間と手間のロスが驚くほど無くなった!
システム上で資料を送付(共有)できるため、誤送信・誤配リスクも解消。
さらに、ファイルを登録するだけで承認から交付までを一元処理できて、紙文書での行き来がなくなったことで、スムーズで確実な資料送付業務が実現!
【行政機関】
課題:
施設建築の際に必要な図面・設計図などを本部で管理するため、各地域管轄事務所から収集している。
しかし、その方法がメール添付や、記録媒体の郵送だったたため、セキュリティ面で問題があった。
また、各情報を体系化して管理していなかったため、必要な情報の検索が難しく、業務の正確性と効率性に課題があった。
▼
PROCENTER/Cの導入効果:
システム上で図面や設計図を送付(共有)することで情報漏えいリスクが大幅に低減。
ファイルへのアクセス履歴記録機能で、改ざん防止にもつながり、各地域から資料を収集するための、セキュアな環境が実現!
さらに、アクセス権の設定などにより、ハイレベルのセキュリティを確保しながら文書・資料を一元管理。
柔軟な検索機能も手伝って、業務への安心感と効率化を両立!
こうした柔軟な機能性や高度なセキュリティを実感していただくため、試用もご用意しています。
「社内で散在する文書・資料を一元的に管理したい。」
「基幹システムやワークフローシステム等と連携させて、文書管理を最大限効率化したい。」
「自社でのセキュリティコントロールと柔軟なセキュリティ機能により強固に情報を守りたい。」
といったニーズに少しでも心当たりがあれば、操作性のチェックも兼ねて、ぜひお気軽に「PROCENTER/C」をお試しになってみてください。
7. まとめ
オンプレミス型の文書管理システムがどのようなものか、お分かりいただけたでしょうか。
最後に今回の内容をまとめておきます。
オンプレミス型の文書管理システムとは、「社内に設置したサーバを用いて構築・運用する文書管理のためのシステム」のことです。
提供事業者が用意したシステムをインターネットを介して利用するクラウド型の文書管理システムとは、以下のような点で違いが見られます。
【文書管理システムにおけるオンプレミス型とクラウド型の違い】
オンプレミス型 | クラウド型 | |
---|---|---|
運用・管理 | 自社 | 提供事業者 |
初期費用 | 高額 | 不要/少額 |
運用費 | 保守費用が必要 | 利用料が必要 |
セキュリティ | 自社でコントロール可能 | 提供会社に依拠 |
機能 | カスタマイズ性が高い | 独自のカスタマイズは難しい |
文書管理システムがオンプレミス型であることには、以下のようなメリットがあります。
文書管理システムがオンプレミスであることのメリット
- ニーズに合わせて機能を最適化できる
- セキュリティリスクを低減しやすい
- より一元的な文書管理が実現しやすい
一方で、次のようなデメリットも存在します。
文書管理システムがオンプレミスであることのデメリット
- 初期費用が高額になりやすい
- システム管理を行える人材が必要
- 災害時などに利用できなくなる可能性がある
こういったオンプレミス型の文書管理システムは、以下のようなクラウド型では満たせないニーズがある場合におすすめです。
クラウド型の文書管理システムでは満たしきれないニーズ
- 自社の業務に合わせて機能や仕様をカスタマイズしたい
- 他の業務システム・ツールと柔軟に連携させて多様なデータを一元管理したい
- 機密性の高いデータを保管・共有するため、自社独自のセキュリティポリシーを遵守したい
- データを外部に出さず社内で保管したい
このようなニーズがあり、オンプレミス型の文書管理システムを導入するなら、以下のようなポイントをチェックするようにしましょう。
オンプレミス型の文書管理システムを選ぶ際のポイント
- ニーズに応じた機能を使えるか
- セキュリティ要件を満たしているか
- 予算内で導入・運用可能か
- 従業員が無理なく使えるか
あなたの会社に最適なオンプレミス型文書管理システムを導入するために、本記事の内容が役立てば幸いです。