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大容量ファイルの送信をセキュアで効率的に行う4つの方法を徹底解説
「画像や動画、図面など、大容量のファイルを今よりスムーズに送信したいけど、どんな方法やツールがあるのだろう?」
「無料のファイル送信サービスを使うこともあるけど、より安全な方法はないのだろうか?」
そのように、今よりも効率的に・安全に大容量ファイルを送信できる方法をお探しではありませんか?
自社で特にツールやサービスを導入していない場合、「無料のファイル送信サービスを活用する」、「USBやDVDなどの媒体を郵送する」等の方法で大容量ファイルを送信されているかと思います。

でも、無料のファイル送信サービスでは、URL(+パスワード)を知っていれば誰でもファイルをダウンロードできてしまう等、セキュリティ上不安が残りますよね。
また、記録媒体を郵送する場合は、手間もかかりますし、何より相手に届くまでのタイムロスが発生します。
そこで結論をお伝えしますと、以下の表に示した4つの方法なら、そうした課題を感じることなく安全でスムーズな大容量ファイルの送信が叶います。
【大容量ファイルの送信方法と総評】
有料ファイル送信サービス使用 | オンラインストレージで共有 | 文書管理システムで共有 | ビジネスチャット添付 | |
---|---|---|---|---|
送信の仕方 | ダウンロード用URL発行 | ファイルの格納先情報を通知 | ファイルの格納先情報を通知 | チャット画面で添付 |
手軽さ | ◯ | ◯ | ◯ | ◎ |
ファイルに対する セキュリティ |
◎ | ◎ | ◎ | ◯ |
社内 or 社外向き | 社内外 | 社内外 | 社内外 | 社内 |
特徴 | ファイル送信に特化 | ファイル保管も可能 | 社内文書の適切な管理も可能 | ファイル送信に伴う連絡が効率化 |
メリット | 細やかにニーズを満たせる | ファイルを柔軟に扱える | ワークフローも効率化できる | メール添付と同じ感覚で送れる |
デメリット | ファイル送信以外のニーズに弱い | ファイル種別によっては機能が不足 | ツールを煩雑に感じることもある | 機密情報の送信には適さない |
おすすめケース | 閲覧してもらうだけで良い資料を送信したい | ファイル送信後の編集なども効率化したい | ファイル送信前後のプロセスも効率化したい | 社内向けに機密情報以外のファイルを送信したい |
このように、方法ごとに異なる特徴やメリット・デメリットがあるため、一体どの方法で送れば良いのか迷ってしまうかもしれません。
ただ、最近はこれらの方法ごとに多様なツールやサービスが提供されているため、自社にとって最適なツール・サービスを選ぶためには、しっかりと目的やニーズから吟味していくことが大切です。
そこで今回は、あなたの会社におすすめな大容量ファイルの送信方法を明らかにするため、以下の内容をご紹介します。
本記事の主な内容
- 大容量ファイルの送信方法紹介
- 各方法の概要とおすすめなケース
- 具体的なツール/サービス選定時のチェックポイント
自社にとってベストな大容量ファイルの送信方法が判断でき、ツール選定の段階でも役立つ内容となっています。
ぜひ最後まで目を通してみてくださいね。
1. 大容量ファイルの送信方法一覧

冒頭でも触れましたが、安全かつ効率的に大容量ファイルを送信する方法には、以下の4つがあります。
【大容量ファイルを安全かつ効率的に送信する方法】
有料ファイル送信サービス使用 | オンラインストレージで共有 | 文書管理システムで共有 | ビジネスチャット添付 | |
---|---|---|---|---|
送信の仕方 | ダウンロード用URL発行 | ファイルの格納先情報を通知 | ファイルの格納先情報を通知 | チャット画面で添付 |
手軽さ | ◯ | ◯ | ◯ | ◎ |
ファイルに対する セキュリティ |
◎ | ◎ | ◎ | ◯ |
社内 or 社外向き | 社内外 | 社内外 | 社内外 | 社内 |
ここでは、これらの方法がどのようなものか、概要を説明します。
また、次章以降では各方法のメリットとデメリット、その方法がおすすめなケースについて解説しています。もし、これらの方法がどういうものか大体イメージができているのであれば、「2. 【大容量ファイルの送信方法1】有料のファイル送信サービスを使う」から読み進めてみてください。
1-1. 有料のファイル送信サービスを使う
ファイル送信サービスは、サービスサイトにファイルをアップロードし、アップロード後に発行されたURLから相手にファイルをダウンロードしてもらうというサービスです。

無料で使えるものも多いので、あなたも一度は利用したことがあるかもしれませんね。
そのように無料で使えるものもあるファイル送信サービスですが、有料版を利用することで、大容量ファイル送信時の安全性・効率性を担保しやすくなります。
どんなサービスにも言えることですが、有料版にはその分運用費がかけられており、無料版よりも機能性やセキュリティレベルが高いためです。
もちろんサービスによっては無料でも機能性が高いものもありますが、一般的な傾向として、以下のように有料のサービスやプランの方が柔軟性は高いです。
セキュリティ機能・対策に関しても、やはり有料である方が細やかに対応してくれる傾向にあります。
【無料版と有料版の比較】
無料 | 有料 | |
---|---|---|
機能 |
|
|
セキュリティ対策・機能 |
|
※無料版の対策・機能に加えて…
|
こういったことから、メール添付や、無料版のファイル送信サービスを利用するよりも、有料のファイル送信サービスを使う方が、安全で効率的な大容量ファイルの送信ができると言えます。
1-2. オンラインストレージで共有する
オンラインストレージは、インターネット上にファイルを保管できるサービスのことで、クラウドストレージとも呼ばれます。
USBやHDDのようなストレージがインターネット上にあり、そこにファイルを保管することができるイメージです。
もちろんメールに添付できないような大容量ファイルも保管でき、保管先の情報(URLなど)を相手に通知することで、ファイルを閲覧・ダウンロードしてもらうことができます。

特定のURLでファイルの格納先にアクセスしてもらうことで、閲覧・ダウンロードができるため、ファイル送信の仕方だけ見れば、有料のファイル送信サービスとよく似ています。
ただ、オンラインストレージはファイル保管(のためのストレージ)が主要なサービスなので、大容量ファイルが送信できるだけでなく、ファイル保管に役立つ機能も利用できます。
特に法人向けのオンラインストレージは、安全で効率的なファイル保管・共有を叶える多様な機能を備えている場合が多いです。
このように、オンラインストレージでは、安全で効率的なファイル保管・共有を行えて、その一環として大容量ファイルの送信も可能となっているのです。
1-3. 文書管理システムで共有する
文書管理システムは、データ化された文書の、作成から廃棄までのライフサイクルを適切に管理するためのシステムのことです。
要は、ファイルを正しく創出し、保管し、活用し、廃棄することを目的としたツールです。
システム内でファイルを保管できるため、送りたい大容量ファイルの格納先情報を相手に通知することで、閲覧・ダウンロードしてもらうことが可能です。

ファイルの格納先を相手に通知する方法は、システムがオンプレミス型かクラウド型かによって、以下のように異なります。
【オンプレミス型の場合】
共有用のフォルダを作成し、フォルダ名や場所を通知する。
(基本的には社内向け)
- ※オンラインストレージと連携させることで、クラウド型と同様の方法で社外共有することも可能。
【クラウド型の場合】
格納先にアクセスするためのURLを通知する。
(社内外に大容量ファイルを送信できる)
こうした方法で大容量ファイルの送信を可能としているため、社内のファイルサーバーや先ほどご紹介したオンラインストレージとの違いがわかりづらいかもしれませんね。
ただ文書管理システムは、お伝えしたように、「ファイルを正しく創出し、保管し、活用し、廃棄すること」を目的としており、備わる機能もそれに応じたものとなっています。
これにより、適切に(=安全に、効率的に、間違いの無いように)ファイルを管理でき、その一環として大容量ファイルを安全かつ効率的に送信することもできるのです。
1-4. ビジネスチャットに添付する
ビジネスチャットとは、業務利用のためのコミュニケーションツールのことです。
チャット形式で連絡を取り合えるため、毎回「お世話になっております。」などの定型文を記載する必要はなく、メールよりも効率的なやり取りが叶います。
プライベートでチャット形式のメッセージアプリを利用される方も多いかと思いますが、そのビジネス版と考えると、効率の良さがイメージしやすいのではないでしょうか。
ビジネスチャットでは、業務上のやり取りができるだけでなく、メールよりも大容量(GB単位など)のファイルを添付することも可能です。

このように、ビジネスチャットは業務上の連絡だけではなく、大容量ファイルの送信も効率化してくれるのです。
2. 【大容量ファイルの送信方法1】有料のファイル送信サービスを使う

ここからは、大容量ファイルの送信方法別に、特徴やメリット・デメリット、おすすめなケースを解説します。
まずは、有料のファイル送信サービスを使う方法から見ていきましょう。
【有料のファイル送信サービスを使う方法の概要】
特徴 | ファイル送信に特化 |
---|---|
メリット | 細やかにニーズを満たせる |
デメリット | ファイル送信以外のニーズに弱い |
おすすめケース | 閲覧してもらうだけで良い資料を送信したい |
2-1. 特徴
有料のファイル送信サービスを使う方法の特徴は、「大容量ファイルの送信に特化している」ことです。
他の方法は、ファイル保管や文書管理、効率的な連絡などを目的としたツールの中に備わる大容量ファイルの送信(共有・添付)機能を活用するというものです。
一方、ファイル送信サービスは、その名の通り(大容量の)ファイル送信こそが主要な目的です。
このため、サービスに備わる機能も、以下のように大容量ファイルの送信に特化されています。
有料のファイル送信サービスに備わる機能例
- 数GB単位~容量無制限のファイル送信
- 海外へのスピーディーなファイル送信
- ファイル送信前の上長承認
- ファイルのアクセス履歴記録(誰がどのファイルを送信したか、ダウンロードしたかなど)
- ファイル送信後のURL無効化(送信ミス対策)
もちろんサービスによって細かい機能は異なりますが、どのサービスも、「より安全に、効率的に大容量ファイルを送信するため」の機能を備えています。
このようなサービスの特性からも、有料のファイル送信サービスを使う方法は、大容量ファイルの送信に特化していることがわかります。
2-2. メリット
有料のファイル送信サービスを使って大容量ファイルを送信することのメリットは、「大容量ファイルの送信に関する細かいニーズを満たしやすい」という点です。
先ほどお伝えしたように、有料のファイル送信サービスには、大容量ファイルの送信に特化した機能が備わっています。
この大容量ファイルの送信に特化した機能のおかげで、例えば、
「開発拠点のある東南アジアに必要な資料をスピーディーに送りたい。その際、宛先やファイルの内容に間違いの無いよう上長承認の上で送信できる仕組みが欲しい。」
といった詳細なニーズも実現しやすくなっています。
ファイル送信サービスにできることは、あくまで大容量ファイルの送信することのみですが、だからこそその周辺に存在する細かいニーズにも対応することができるのです。
2-3. デメリット
有料のファイル送信サービスを使う方法のデメリットは、「大容量ファイルの送信以外のニーズには弱い」という点です。
お伝えしている通り、ファイル送信サービスは、大容量ファイルの送信に特化されています。
このため、ニーズが横に広がるケースには対応しづらいのです。
例えば、製品カタログのデザインデータをクライアントに送るために有料のファイル送信サービスを活用するとします。
この場合、もちろんデザインデータは問題なく送信できますが、その後「データにコメントを入れる形でクライアントに修正指示を記載して欲しい」というニーズが出てきた時の対応は難しいです。
このように、「大容量ファイルの送信」とは別のニーズが派生した場合、ファイル送信サービスではそのニーズを満たせない可能性が高いのです。
2-4. おすすめなケース
ここまでの内容を踏まえると、有料のファイル送信サービスを使う方法は、「相手に閲覧してもらうだけでよい資料」を送付する場合におすすめです。
お伝えした通り、有料のファイル送信サービスは、安全で効率的な大容量ファイルの送信には長けていて、「どのように送りたいか」という要望にも細かく応えてくれます。
一方で、大容量ファイルの送信以外のニーズには対応しづらいです。
こういったことから、以下のように、改変・編集する予定がない、閲覧・保管用のファイルを送信する場合に適しています。
- 改訂の頻度が低い業務指示書/マニュアル
- 会議等の音声・動画記録
- 設計図面・仕様書
- デザインの素材(素材となるデータ自体は改変されないため)
このようなファイルをスムーズに送信できればそれで充分、という場合はぜひ有料のファイル送信サービスを使ってみてください。
3. 【大容量ファイルの送信方法2】オンラインストレージで共有する

続いて、オンラインストレージで共有する方法について、その特徴やメリット・デメリット、おすすめなケースを見ていきましょう。
【オンラインストレージで共有する方法の概要】
特徴 | ファイル保管も可能 |
---|---|
メリット | ファイルを柔軟に扱える |
デメリット | ファイル種別によっては機能が不足 |
おすすめケース | ファイル送信後の編集なども効率化したい |
3-1. 特徴
オンラインストレージで共有する方法の特徴は、「効率的なファイルの保管も可能」という点です。
そもそもオンラインストレージは、効率的にファイル(データ)を保管するためのツールです。
それを支える機能の一つに、「(大容量)ファイルの共有機能」があり、これを活用することで、相手に大容量のファイルを届けることができます。
つまり、大容量ファイルの共有機能は、オンラインストレージに備わる機能の一部に過ぎず、他にも次のような機能を利用できるのです。
法人向けオンラインストレージに備わる機能例
- 保管しているファイルの自動バックアップ
- 保管しているファイル・フォルダへのアクセス権限設定
- ファイル送信(共有)前の上長承認
- ファイルのアクセス履歴記録(誰がどのファイルを閲覧したか、ダウンロードしたか、送信したか、編集したかなど)
- オンラインストレージ上でのファイル編集と自動同期
- ファイルへのコメント追加機能
- ファイルのバージョン管理
オンラインストレージでは、大容量ファイルの送信(共有)機能に加え、これらの機能により、効率的なファイル保管が可能となっています。
3-2. メリット
オンラインストレージで共有する方法のメリットは、「送信した大容量ファイルの柔軟な扱いが可能なこと」です。
お伝えした通り、オンラインストレージには効率的なファイル保管を支える機能が備わっており、これにより送信(共有)したファイルに対する柔軟な扱いが可能となっているのです。
例えば、導入したオンラインストレージに「ファイルへのコメント追加機能」があれば、デザインデータや原稿データをクライアントに送付した後に、ファイル内のコメント欄に修正指示を記入してもらうこともできます。
また、オンラインストレージ上での複数人によるファイル編集機能があれば、別の場所に居るメンバーとWeb会議をしながら一緒に提案資料を作成するといったことも可能です。
このように柔軟な扱いができることで、大容量ファイルを送信した後の作業効率アップにも役立つのです。
3-3. デメリット
オンラインストレージで共有する方法のデメリットは、「送信するファイルの種別によっては機能が不十分な場合がある」という点です。
オンラインストレージでは、送信した大容量ファイルに対してコメントを入れてもらったり、送った相手と一緒に編集したり、と柔軟に扱えることがメリットでしたね。
ただ、よく送信するファイルが契約・稟議関連など一定のワークフローを伴うものである場合は、機能に不足を感じることもあるかもしれません。
というのも、導入するオンラインストレージやプランによっては、ワークフローの効率化まではフォローできないからです。
このため、もし契約・稟議関連の書類や資料の送付を効率化しつつ、契約や決裁までのフローもツール内で効率良く行いたいという場合は、ワークフローシステムと連携可能なオンラインストレージを探すか、文書管理システムを採用すると良いですよ。
3-4. おすすめなケース
ここまでの内容を踏まえると、オンラインストレージで共有する方法は、「大容量ファイルの送信だけでなく、送信後の作業も効率化したい」場合におすすめです。
お伝えしたように、オンラインストレージで共有すれば、送信した大容量ファイルにコメントを記載してもらったり、ファイルの共同編集をしたり、といった柔軟な扱いが可能です。
そのため、以下のような送信した後に改訂や編集が予定されている資料を送るケースにおいてはオンラインストレージでの共有がおすすめです。
- 頻繁に改訂される業務指示書/マニュアル
- デザインや原稿・動画のような修正が入る制作物
- 共同作業によりブラッシュアップする提案資料
これらの資料をオンラインストレージで共有すれば、共有後の業務についても効率化が図れるはずです。
4. 【大容量ファイルの送信方法3】文書管理システムで共有する

続いて、文書管理システムで共有する方法について、その特徴やメリット・デメリット、おすすめなケースを見ていきましょう。
【文書管理システムで共有する方法の概要】
特徴 | 社内文書の適切な管理も可能 |
---|---|
メリット | ワークフローも効率化できる |
デメリット | ツールを煩雑に感じることもある |
おすすめケース | ファイル送信前後のプロセスも効率化したい |
4-1. 特徴
文書管理システムで共有する方法の特徴は、「社内文書(ファイル)の管理も適切に行える」という点です。
すでにお伝えしたように、適切に(=安全に、効率的に、間違いの無いように)ファイルを管理するためのツールです。
つまり、大容量ファイルを安全かつ効率的に送信(共有)する機能は、適切なファイル管理を実現させるための機能の一つに過ぎず、他にも以下のような機能が搭載されています。
文書管理システムに備わる機能例
- 柔軟な検索(ファイル内の全文検索など)
- 保管しているファイル・フォルダへのアクセス権限設定
- ファイルのバージョン管理
- 保管期限を過ぎたファイルの自動廃棄
- 外部システムとの連携(基幹システム、ワークフローシステムなど)
- タイムスタンプ
- ファイルのアクセス履歴記録(誰がどのファイルを閲覧したか、ダウンロードしたか、送信したか、編集したかなど)
文書管理システムでは、こうした機能により、ファイル管理を適切に行えるようになっているのです。
4-2. メリット
文書管理システムで大容量ファイルを共有するメリットは、「ファイルを送信(共有)する前後のワークフローも効率化できる」ことです。
文書管理システムは、適切にファイルを管理するためのツールですから、契約書や稟議書などを適切に扱うための機能も備えています。
その例が、ワークフローの補助機能です。この機能は、例えば文書管理システムで稟議書共有した後、自動で回覧や承認の依頼が届き、システム上で決裁まで完了するといったものです。
※他のワークフローシステムとの連携を要する場合もあります。
その他、電子帳簿保存法に準拠する形で帳票類を送付・保管するためのタイムスタンプ機能を備えているシステムもあります。
このように、文書管理システムには、大容量ファイルを送信する前後に求められるワークフローまで効率化してくれるというメリットがあるのです。
4-3. デメリット
文書管理システムで共有する方法のデメリットは、「ツールが煩雑に感じられることがある」という点です。
文書管理システムは、適切なファイル保管のための多様な機能を備えています。
この機能の多様さにより、ツールの管理や操作が煩雑に感じられる場合もあるのです。
例えば、一般的な文書管理システムに備わる機能の一つに、保管期限を過ぎたファイルを自動で廃棄してくれるというものがあります。
不要なファイルを溜め込まずに済む便利な機能ではありますが、一方でファイルの登録時に保管期間を設定する一手間が必要です。
また、廃棄前に数回にわたって担当者へアラートが通知される場合もあり、本当に重要なアラートに気付きづらくなる可能性もあります。
文書管理システムは、ファイルの作成から廃棄に至るまで、その管理を広く助けてくれますが、そのための多様な機能を使いこなすために、ある程度の煩雑さが伴うことは留意しておきましょう。
4-4. おすすめなケース
ここまでの内容を踏まえると、文書管理システムで共有する方法は、「大容量ファイルの送信だけでなく、その前後のプロセスも効率化したい」場合におすすめです。
文書管理システムには、文書(ファイル)の管理業務を効率化するための機能が豊富に備わっています。
このため、
「業務システムから出力されたファイルをシームレスに送信したい」
「送信前後に必要なフロー(承認・電子サインなど)も効率良く回したい」
など、文書(ファイル)を送信する前後のプロセスも幅広く効率化することが可能です。
こういったことから、特に以下のような資料を送る機会が多い場合は、文書管理システムで共有する方法がおすすめです。
- 基幹システム、会計システム、CRMなどで作成・発行したファイル
- 契約関連の書類/資料
- 稟議関連の書類/資料
これらの資料を文書管理システムで共有すれば、その前後のプロセスも適切かつ効率的に進めることができますよ。
5. 【大容量ファイルの送信方法4】ビジネスチャットに添付する

続いて、ビジネスチャットに添付する方法について、その特徴やメリット・デメリット、おすすめなケースを見ていきましょう。
【ビジネスチャットに添付する方法の概要】
特徴 | ファイル送信に伴う連絡が効率化 |
---|---|
メリット | メール添付と同じ感覚で送れる |
デメリット | 機密情報の送信には適さない |
おすすめケース | 社内向けに機密情報以外のファイルを送信したい |
5-1. 特徴
ビジネスチャットに添付する方法の特徴は、「大容量ファイルの送信に伴う連絡が効率化される」点です。
そもそもビジネスチャットは、チャット形式でのやり取りが主要な機能であり、業務上の連絡を効率的に行うことを目的としています。
例えば、チャットではメールほど厳格な文体や形式を求められないため、文章を推敲する時間がメールより格段に短く済みます。
また、スマートフォン用のアプリが用意されていることも多く、いつでも・どこでも連絡を取り合うことが可能です。
このように、効率的な業務連絡を行うためのツールであるビジネスチャットで大容量ファイルを送信(添付)することで、ファイル内容を説明したり、チェックバック期限をお伝えしたり、といったファイル送信に伴うやり取りも効率良く行えるのです。
5-2. メリット
ビジネスチャットに添付する方法のメリットは、「メール添付と同じ感覚で大容量ファイルを送信できる」という点です。
お伝えしている通り、ビジネスチャットの主要な機能はチャット形式での連絡です。
その中で、大容量ファイルの添付も行えるようになっています。
このため、ファイルを送信する流れ自体は、メールにおけるファイル添付とよく似ているのです。
ただ、メールではビジネスマナーの観点もあり、添付ファイルの容量は2~3MBが上限とされていますよね。対して、ビジネスチャットでは数GB単位のファイルを添付できる場合が多いです。
このようにビジネスチャットなら、メールにファイル添付するのと変わらない感覚で、大容量ファイルを送信できるのです。
5-3. デメリット
ビジネスチャットに添付する方法のデメリットは、「機密情報の送信には適さない」という点です。
ビジネスチャットは、基本的に連絡ツールなので、添付するファイル自体にフォーカスしたセキュリティ機能には注力していない場合が多いです。
例えば、有料のファイル送信サービス・オンラインストレージ・文書管理システムでは搭載されていることの多い「ファイルへのアクセス履歴記録」のような機能は、ビジネスチャットにおいては一般的ではありません。
もちろん、ログイン時の2段階認証やファイルの暗号化といったセキュリティ対策は講じられており、メールでZIPフォルダを送信する場合に比べればセキュアに大容量ファイルを送信できると言えます。
ただ、機密情報のような絶対に漏えいさせてはならないファイルに関しては、ビジネスチャットに添付することはおすすめしません。
5-4. おすすめなケース
ここまでの内容を踏まえると、ビジネスチャットに添付する方法は、「社内向けに機密情報以外の大容量ファイルを送信する」場合におすすめです。
そもそもビジネスチャットに添付する方法は、ファイルを送る相手も、あなたと同じビジネスチャットを利用していることを前提としています。
このため、社外よりも社内での大容量ファイル送信に適した方法と言えます。
また、お伝えした通り、ビジネスチャットでは機密情報を含むファイルの添付はおすすめしませんが、そうではないファイルについてはメール添付と同じ感覚で手軽に送信することができます。
このため、以下のような資料を社内でやり取りしたい場合には、おすすめです。
- 社内行事の写真/動画
- 作業の進捗管理表/予定表
- ストック画像/動画など著作権フリーの素材
- 一般に配布されているパンフレットなどのPDFデータ
こうした資料であれば、ビジネスチャットに添付してもセキュリティリスクは低いはずですし、ファイル送信前後の連絡も効率的に行えますよ。
6. 大容量ファイル送信のツールやサービスを選ぶ際のチェックポイント

ここまでお読みになって、自社に適した大容量ファイルの送信方法に見当がついてきたのではないでしょうか。
方法が決まったら、次は実際に導入するツールやサービスを選定する必要があります。
そこでここでは、その際に参考にしていただきたいツール選定時のチェックポイントについてご紹介しておきます。
【ツールやサービスを選ぶ際のチェックポイント】
容量 |
|
---|---|
機能 |
|
利用料 |
|
セキュリティ対策 |
|
操作性 |
|
こうしたポイントを、ツールやサービスのWebサイトを確認したり、提供会社の担当者に問い合わせたりするなどしてチェックするようにしてください。
それぞれのポイントについて、もう少し詳しくお伝えしますね。
6-1. 容量
1つ目のチェックポイントは、容量です。
ここでいう容量とは、「一度に送信できるファイル容量の上限」と「利用可能なストレージ容量」のことです。
一度に送信できるファイル容量の上限
一言に大容量ファイルといっても、そのサイズは業務内容により数百MBのこともあれば、数GBになることもあるはずです。
「一度に送信できるファイル容量の上限」が、あなたの会社でやり取りするファイルのサイズに合っているかどうかを、まずチェックしましょう。
利用可能なストレージ容量
ファイルを保管するオンラインストレージや文書管理システムについては、「利用可能なストレージ容量」についても必ず確認してください。
もしあなたの会社に50GBのファイルが存在していたとすると、ツールの利用可能なストレージ容量が20GBだと、不十分ですよね。
そのような容量不足に悩むことのないように、十分なストレージ容量を備えたツールやプランを選ぶようにしましょう。
6-2. 機能
2つ目のチェックポイントは、機能です。
「大容量ファイルの送信に関する機能」はもちろん、「ファイル送信以外の機能」についても自社に必要なものが搭載されているかしっかりチェックしましょう。
大容量ファイルの送信に関する機能
「どのようにファイルを送信したいか」を明確にして、それを叶えてくれる機能を搭載しているツールを選びましょう。
例えば、「作業手順マニュアルの動画をスムーズに送りたい」のであれば、高速で転送・アップロードが行える必要があります。
また、転送エラーが出た際に自動で再送してくれるような仕組みもあると良いですよね。
このように、業務で大容量ファイルを送る際のシチュエーションを思い浮かべながら、大容量ファイルの送信に関する機能を確認してみてください。
ファイル送信以外の機能
オンラインストレージや文書管理システム、ビジネスチャットを導入するのであれば、ファイル送信以外の機能についても同じように確認する必要があります。
どのように、ファイル保管/ファイル管理/連絡したいのかを明確にし、自社に必要な機能を搭載しているツールを選定しましょう。
6-3. 利用料
3つ目のチェックポイントは、利用料です。
利用料をチェックする際には、「初期費用」と「運用費」それぞれに確認が必要です。
初期費用
ツールやサービスの導入時にかかる費用です。
クラウド型のサービスであれば不要な場合もありますが、必ずしもそうとは限らないので、必ず確認してください。
また、自社内でシステムを構築・運用するオンプレミス型のツールの場合は、サーバなどの機器類や導入作業などさまざまな項目の初期費用が必要です。
金額はもちろん、どこに費用がかかるのかも把握して、予算内で導入できるツールを慎重に選びましょう。
運用費
ツールやサービスを使い続ける間に発生するランニングコストです。
毎月(毎年)必要となる金額はもちろん、どこに課金されるかも把握しておきましょう。
例えば、ツールやサービスの利用人数(ID数)、容量、オプション機能の有無などに応じて毎月(毎年)コストが発生します。
6-4. セキュリティ対策
4つ目のチェックポイントは、セキュリティ対策です。
セキュリティリスクに対して、どのような対策が取られているかを確認しましょう。
特に注視すべきセキュリティリスクとして、以下のようなものがあります。
特に注視すべきセキュリティリスク
- 不正アクセス
- サイバー攻撃
- ヒューマンエラー(従業員の宛先ミスなど)
- 不正持ち出し
- ファイル送信先での二次漏えい
こうしたリスクを回避するために、どのようなセキュリティ対策・機能を備えているかチェックしてみてください。
もし、チェックしたものの、そのレベルが充分かどうか判断するのが難しい場合は、自社と同業・同規模の企業の導入事例を参考にしてみるのも一つの手です。
6-5. 操作性
5つ目のチェックポイントは、操作性です。
従業員にとって使いづらかったり、リテラシーに合わない複雑なツールを導入してしまうと、これまで以上に大容量ファイルの送信に時間がかかる恐れもあります。
そのように、逆に効率が悪化することのないように、無料のトライアルやプランを使ってみて操作性を確認するようにしましょう。
操作性の良し悪しは実際に使ってみないとわからないものなので、導入前にツール・サービスに触れる機会を設けてくださいね。
7. 安全で効率的な大容量ファイルの送信が可能な文書管理システムなら「PROCENTER/C」がおすすめ

お伝えしている通り、文書管理システムで共有することで、大容量ファイルを相手に届けることが可能です。
より安全で効率的な大容量ファイルの送信に、文書管理システムを活用しようとお考えなら、「PROCENTER/C(プロセンターシー)」がおすすめです。
「PROCENTER/C」は、当社NECソリューションイノベータが開発したシステムで、文書管理と情報共有を一手に担う強みがあるプラットフォームです。
文書(ファイル)管理システムとしての基本機能だけでなく、社内外の情報共有を助ける機能を豊富に搭載しているため、もちろん大容量ファイルの送信もスムーズに行えます。
PROCENTER/Cが叶える安全で効率的な大容量ファイルの送信
- 分割同時転送・エラー時再送による2GBを超えるファイルの高速転送
- 外部システムとの連携(基幹システム、ワークフローシステムなど)によるファイル送信前後のプロセス効率化
- ファイル・フォルダへのアクセス権限設定による改ざん防止
- ファイルのアクセスログ記録(誰がどのファイルを送信/閲覧/ダウンロードしたかなど)による情報セキュリティ強化
また、金融業や行政機関への導入実績もあり、セキュリティレベルにも定評があります。
セキュリティレベルを裏付ける実績
【金融業】
課題:
海外拠点への資料送付をメール添付や郵送で行っており、誤送信・誤配のリスクが心配だった。
また、紙文書で承認を行った後に資料を送付するため、状況がわかりづらくフローが滞ることも…。
▼
PROCENTER/Cの導入効果:
システム上で資料を送付(共有)できるため、誤送信・誤配リスクの心配が解消され、手間やタイムロスも大幅に低減!
さらに、ファイルを登録するだけで承認から交付までを一元処理できて、紙文書での行き来がなくなったことで、スムーズで確実な資料送付業務が実現!

【行政機関】
課題:
施設建築の際に必要な図面・設計図などを本部で管理するため、各地域管轄事務所から収集している。
しかし、その方法がメール添付や、記録媒体の郵送だったたため、セキュリティ面で問題があった。
▼
PROCENTER/Cの導入効果:
システム上で図面や設計図を送付(共有)できるため、情報漏えいリスクが大幅に低減し、各地域から資料を収集するための、セキュアな環境が実現!
また、ファイルへのアクセス履歴記録機能を利用することで、改ざんを防止。

「PROCENTER/C」は、こうした柔軟で幅広い機能と高いセキュリティレベルによって、次のような課題を解決に導きます。
PROCENTER/Cが解決する大容量ファイル送信における課題
- ファイルを記録したDVDの郵送にはタイムロスや手間がかかる
- DVD郵送時の紛失による情報漏えいのリスクをなくしたい
- メールへのファイル添付によるメールサーバーへの負荷が大きい
- メールへのZIPファイル添付によるセキュリティリスクが心配
- DVD郵送、メール添付の誤配や誤送信が心配
- FTPを使用したファイル転送で、通信エラーが頻発している
- いつ、誰に、どのような資料を送付したのか管理できていない
無料トライアルもご用意しておりますので、こういった課題にお悩みなら、ぜひお気軽にPROCENTER/Cについてお問い合わせください。
8. まとめ
大容量ファイルを送信する方法について、自社に合うものが見つかったでしょうか?
最後に今回の内容をまとめておきます。
安全で効率的な大容量ファイルの送信方法として、以下の4つをご紹介しました。
【大容量ファイルの送信方法と総評】
有料ファイル送信サービス使用 | オンラインストレージで共有 | 文書管理システムで共有 | ビジネスチャット添付 | |
---|---|---|---|---|
送信の仕方 | ダウンロード用URL発行 | ファイルの格納先情報を通知 | ファイルの格納先情報を通知 | チャット画面で添付 |
手軽さ | ◯ | ◯ | ◯ | ◎ |
ファイルに対する セキュリティ |
◎ | ◎ | ◎ | ◯ |
社内 or 社外向き | 社内外 | 社内外 | 社内外 | 社内 |
特徴 | ファイル送信に特化 | ファイル保管も可能 | 社内文書の適切な管理も可能 | ファイル送信に伴う連絡が効率化 |
メリット | 細やかにニーズを満たせる | ファイルを柔軟に扱える | ワークフローも効率化できる | メール添付と同じ感覚で送れる |
デメリット | ファイル送信以外のニーズに弱い | ファイル種別によっては機能が不足 | ツールを煩雑に感じることもある | 機密情報の送信には適さない |
おすすめケース | 閲覧してもらうだけで良い資料を送信したい | ファイル送信後の編集なども効率化したい | ファイル送信前後のプロセスも効率化したい | 社内向けに機密情報以外のファイルを送信したい |
こうした特徴や、メリット・デメリットを踏まえて、あなたの会社に適した方法を選び、最適なツール/サービス導入へつなげましょう。