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無人店舗の仕組みとは?メリットや課題、成功事例

入退室管理・顔認証コラム

無人店舗の仕組みとは?
メリットや課題、成功事例

目次

昨今注目を集めている「無人店舗」についてまとめた記事です。どのような仕組みになっているのかといった基本的な概要から、無人店舗ビジネスに向いている業種、メリット、クリアすべき課題について解説します。最後に他社の成功事例も紹介します。自社の店舗を無人化したいと考えている人にぜひ読んでいただきたい、おすすめの記事です。

無人店舗の仕組み

最近よく話題にもなる「無人店舗」とは、「レジなどで店舗スタッフが対応せず、人的なオペレーションを削った店舗」のことを指します。人が対応しない代わりに、AI(Artificial Intelligence:人工知能)カメラやAIセンサ、ICタグなど最先端のデジタルIT技術を駆使することで、顧客はスムーズな買い物が可能です。

業種によって異なりますが、コンビニなどの小売店の場合、まず顧客は店舗入り口でスマートフォンやIDカードなどをかざして認証を受け、入店します。購入したい商品を決めて買い物かごに入れたらレジスペースに進み、自分で商品のバーコードをかざし、キャッシュレス決済すれば購入完了、退店するというのが一般的な流れです。

顧客が店内で買い物をしている間、棚などに取り付けられたAIセンサやAIカメラからは、どの商品を手に取り、最終的にどの商品を買ったのか、といった購買にいたるまでの行動情報も収集できます。また、常に店舗スタッフが目を光らせていなくても、万引きなどのリスクを低減させられるのも見逃せないメリットです。

無人店舗の市場は伸びている

ニュースなどでも時折話題となっていることからもわかるように、無人店舗市場は、急速に需要が伸びてきました。
その背景として、日本が抱える社会的な課題、労働人口が減少が考えられます。実際に、内閣府が公表している「令和4年高齢社会白書」によると、15歳から64歳までの生産年齢人口は、1995年をピークとして減少に転じ、2050年には5,275万人と、2021年から29.2%も減る可能性高いと危惧されています。

店舗での業務は幅広いものの、レジ対応など定型的な業務について省人化を進めることで、人手不足を解決していこうとするのが近年の流れです。無人店舗や無人レジが注目されてきているとはいえ、まだまだ一般的ではなくこれから普及していくといった段階にあります。技術面や運用面での課題をクリアできれば、コロナ禍で重要視されるようになった非接触型の接客を実現するのにも、まさにうってつけのスタイルです。そのため、キャッシュレス決済と併せて、今後も無人店舗市場は伸びていくと考えられます。

無人店舗ビジネスに向いている業種

無人店舗にはメリットが多いものの、取り扱う商品やサービスによって合う・合わないがあります。コンビニではセルフレジをよく見かけるようになりましたが、スーパーマーケットなどよりは店舗の規模がコンパクトなため、無人店舗の導入もしやすいことが理由だと考えられます。また、完全に無人というわけにはいかないものの、たとえばコインランドリーの場合、使い方のPOPなどを掲示しておけば、スタッフが常駐している必要はありません。アパレルショップ、書店、トレーニングジムなども、スタッフは日々の点検や清掃といった限られた仕事をこなせば事足り、ほかの時間は別の仕事に注力できるメリットがあります。

無人店舗ビジネスに向いている業種

無人店舗のメリット

無人店舗の導入には、具体的にどのようなメリットがあるのか、おすすめできる3つのポイントについて深掘りしながら解説します。

レジの待ち列の緩和

オフィス街にあるコンビニをイメージしてください。ランチタイムともなれば、近隣のオフィスに勤める会社員が多く訪れます。有人レジであれば、ポイントカードを持っているか、レジ袋は必要かなどの確認作業を客ごとに口頭で行うことになり、接客にかかる時間は長くなりがちです。店内でレジ待ちの行列ができれば、客足が遠のいてしまうおそれもあります。
その点、無人店舗なら自分自身で商品のバーコードをかざし、ポイントカードやレジ袋の有無も画面による操作がで完了。キャッシュレス決済までが非常にスムーズです。対面式ではないため、入店から退店まで、非接触での購入が可能になります。リスク要因を減らしつつ、行列に並ぶといった非効率性も排除できることから、顧客満足度の向上が期待できます。ひいては「あのお店にまた行こう」とリピーターが増える可能性も高まります。

人件費の削減

2つめのメリットは、コスト面です。「無人」という言葉からもわかるように、店舗には従業員を必ずしも常駐させておく必要がなくなります。今後も少子化が進み労働力不足に拍車がかかったとしても、貴重な人的リソースを最適化できれば、経営への影響を軽減させられます。特に人件費は経営にとって負担になりやすい要素であるため、コストをできるだけ抑えられるのは大きなメリットです。

顧客行動のデータ収集

小売店舗業界では現在、店内で顧客がどのように行動すれば購買につながるのかを、データで収集し、マーケティングに活かしていく取り組みが活発化しています。そのために、陳列棚へAIカメラやセンサを設置することもよく行われるようになりました。顧客行動に関するデータを十分収集できれば、顧客を属性などによってセグメント化し、最適な方法やタイミングで広告を打つなど、効果的なアプローチができるようになります。商品をどのエリアのどの棚に陳列するかなど、店内レイアウトの改善にも有効です。今や小売業においても、DX(デジタルトランスフォーメーション)の重要性が高まっており、データ活用によって売上向上をめざすフェーズにあるといっても過言ではありません。

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無人店舗の課題

さまざまなメリットがある無人店舗にも、クリアすべき課題があります。それらを意識しないままで導入したとしても、思ったような成果が出ないかもしれません。ここでは、無人店舗を導入する前に確認しておきたい3つの課題について解説します。

初期費用コストが高い

無人店舗を導入するにあたっては、店内の設備に関する事前準備として、AIカメラやセンサ、キャッシュレス対応レジなど、さまざまなデジタル機器を用意しなければなりません。したがって、通常の店舗運営にかかる費用よりも、多くの導入コストがかかる点に、あらかじめ注意しておく必要があります。無人店舗で営業を継続していくなかで、どれほど収益や利益を出せるのか、リスクをどれだけカバーできそうか、といったさまざまな予測を立てたうえで、導入するかどうかを判断するのが賢明です。

宅配便の手続きなどは人手が必要

コンビニでは、カゴに入っている商品をレジで精算する仕事だけではなく、ほかにもすべきことが多くあります。たとえばタバコやお酒など、年齢確認が必要な商品を販売するには、店舗スタッフは購入しようとしている一人ひとりに、年齢を確認しなければなりません。また、宅配便の手続きをしたい人もいるはずです。
こうしたイレギュラーな作業をサポートするためにも、最低一人はスタッフを常駐させておかなければならないと判断することもあります。

顧客の心理的ハードルが高い

無人店舗は、これまでの店舗のスタイルとはまったく異なるため、顧客によっては違和感を覚える人も少なくないと推測できます。レジひとつにしてもそこに店舗スタッフはおらず、自分で完結させなくてはならないことに戸惑いや難しさを感じる人も多いでしょう。ただ、本来は難しい操作はなく、無人店舗の仕組みはどちらかといえばこれまでよりもシンプルで直感的に分かりやすくなっています。そのことを知り利便性を実感してもらうため、利用を促すプロモーションも大切です。
顧客が感じると思われる心理的なハードルを下げるために、提供する企業側はどのようなことができるかを考えてみましょう。

無人店舗の成功事例

ここからは、実際に無人店舗を導入して成功した3つ事例を紹介します。自社ではどのようなことができるかを検討する際、イメージをよりふくらませるためにも、ぜひ参考にしてみてください。

【事例1】Amazon Fresh

Amazon Freshは、Amazonがこれまで築き上げてきたEコマースプラットフォームの枠組みを活かし、リアルな食料品小売店舗へ参入した取り組みです。大きな特徴としては、レジに並ばず、レジ会計のないまったく新しいお店である点です。顧客はあらかじめAmazon Goアプリを自身のスマートフォンにインストールしておきます。Amazon Freshへの入店後は、好きな商品を手に取り、出ていくだけといったシンプルな動きでショッピングが完了する具合です。

【事例1】Amazon Fresh

そのからくりは、天井に設置されたカメラと陳列棚の重量センサーにあります。どの商品をカートに入れたり戻したりしたかの情報を読み取るため、退店時にカートに入っていた商品のみが請求対象としてカウントされる仕組みです。また、精算は退店後にAmazonアカウントへ自動的に請求されるため、先に登録してあるクレジットカードで決済可能です。もともと食料品小売業は利益率が低いといわれるなかで、Amazon Freshではデジタルとリアルとをうまく融合させ、斬新なショッピング体験を顧客に提供しています。米国を中心に出店攻勢がかけられており、今後もこうした取り組みの動向には注目が集まっています。

【事例2】ANA FESTA GO

ANA FESTAは、国内航空会社のANAが国内32の空港に展開しているギフト・フードショップです。搭乗までの待ち時間に、ご当地で人気のお菓子やお弁当を買えたり、フードコーナーで食事をできたりするとあって、日々多くの人でにぎわっています。このANA FESTAに無人決済システムを導入した「ANA FESTA GO」第一号店が、羽田空港第2旅客ターミナルビル内に誕生しました。

センサが入口に設置されており、来店すると自動でゲートが開閉します。商品を棚から手に取ると、天井のカメラと重量センサにより、何の商品をいくつ取ったのかを検知する仕組みです。レジでは購入商品と金額が画面上に表示されるため、任意の方法で支払えば自動的にゲートが開き、退店できます。

ANA FESTA GOでの一連の流れでは、店舗のスタッフと一度も接触しないのが大きな特徴です。利用客もレジ待ちのために並ぶことがないため、スムーズに買い物を楽しめるといったメリットがあります。

【事例3】NEC SMART STORE

NEC SMART STOREは、レジすら通らずに自動的に決済できる無人店舗で、国内ではNEC本社内に設置されています。あらかじめ顔写真を登録した従業員は、入口で顔認証がされると、立ち止まることなくゲートが開き入店できます。

各棚に設置された重量センサと店舗内に設置された35台のカメラによって、従業員がカゴに入れた商品の情報を瞬時に特定。同店にはレジがないことも大きな特徴であり、退店と同時に決済が行われ、連携した給与システムから、購入料金が引かれるといった仕組みです。

こうしたレジレス店舗を技術的に支えているのは、NECの顔認証AIエンジン「NeoFace」です。海外では台湾セブン-イレブンへ技術提供され、本社ビル内などに設置された店舗では、従業員のみならず一般客も利用可能です。
このように、次世代型の無人レジレス店舗は、国内外で大きな注目を集めています。

参照元:new windowNEC SMART STORE

無人店舗で活用できる顔認証ソフトウェア・Bio-IDiom KAOATOの紹介

最後に、NEC SMART STOREや台湾セブン-イレブンで実際に使われている顔認証ソフトウェア「Bio-IDiom KAOATO」について紹介します。
このソフトウェアは、基本的に店舗の入店時と退店時に利用されます。レジを通さずとも、購入しようとした商品情報と顔写真情報とを連携させることで正確に個人を特定させられ、セキュリティ面での対策にも期待できます。導入し運用する際には、あらかじめ人物の顔画像をデータベースに登録しておきます。すると、店内に設置されたカメラが捉えた人物の顔画像を高速・高精度に自動照合できるのが大きなメリットです。

Bio-IDiom KAOATO

Bio-IDiom KAOATO

Bio-IDiom KAOATOでは入室時に顔認証を行い、不正入室の防止や非接触での扉開錠を実現します。業界トップクラスの顔認証エンジンを搭載し、高い認証精度を実現した顔認証パッケージソフトウェアです。

NeoSarf/POS・Bio-IDiom KAOATOによるスマートショップ事例 株式会社タカミヤ様

NeoSarf/POS・Bio-IDiom KAOATOによる
スマートショップ事例 株式会社タカミヤ様

業界初となる24時間営業の無人店舗をオープンするために数ある課題をどのように解決しながら実現に至ったのかについてご紹介します。

まとめ

デジタル技術の発達により、徐々に広がりを見せている無人店舗。少子化による労働力減少などの課題解決にもつながるため、これからますます浸透していくことが見込まれています。併せて、顔認証技術を活用したレジレスの無人店舗もさらに増えていくことは想像するにかたくない事実です。店舗経営の無人化を検討しているのであれば、より高いセキュリティを確保できるメリットのある、こういったソフトウェアの導入も賢い選択です。

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