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共創活動を通じて、高齢者の方の意思抽出から行動変容を目指しています

私たちの研究テーマ

DATE:2018.09.25
研究テーマ:高齢者自立・健康増進支援

私たちの研究テーマは、高齢者自立・健康増進支援です。今後、増加の一途をたどる高齢者層の方をターゲットに、デジタル機器利用時にAIに不慣れな方の敷居を下げたり、高齢者個人に望ましい行動を起こさせたり(行動変容)することで、自立的・健康的な生活を営めるようにすることを、最終目標としています。
その手段として、私たちは人とAIの間のコミュニケーションにおける、対話や行動などのインタラクションに注目しています。適切なインタラクションによって、両者間によりよい関係性が築かれ、AIに対して親近感・信頼感をもたらしたり、AIからの示唆を受けて、自分から望ましい行動がとれるようになることを目指して、研究を進めております。

共創活動のご紹介

その研究の一環として現在、new window医療法人社団KNI様とNECの共創活動へ、私たちも加わって取り組んでおります。今回はその内容をご紹介いたします。

前年度から、KNI様とNECが new window共創活動を実施しており、KNI様が目指す「医療をツールとした社会改革」のために掲げている、予防から地域医療までを包括する仕組みや、AIを医療現場に活用して医療の質向上や業務効率化を実現する取り組みを行っています。

つい先日の9月9日には、八王子にてKNI様が new window市民公開講座を開催し、予防から地域医療までを包括する仕組みのひとつであるトータルライフサポート(TLS)サービス、およびデジタルリビングウィル(DLW)について、ご講演されました。冒頭の画像は、KNI 浜崎 経営企画室室長によるDLWの事例のご紹介時の様子です。なお、当日は約1000人もの方に来場いただきました。KNI様の提唱するサービスにご興味を持っていただいた方が、大勢いらっしゃったことがうかがえます。

KNI様は、例えば救急搬送時対応・エンディング(いわゆる終活)へ向けて必要となる情報や、これからやりたいこと・目標などを抽出することで、緊急時にも迅速な対応を提供したり、日常生活を豊かにしたりすることができると考えており、これらの情報を蓄えておくシステム(DLW)を構築し、この情報をもとに、医療・介護から、生活支援などを含めた支援サービスを提供するサービス(TLSサービス)を実現しようとしています。

その中でDLWの情報を、介護や生活支援サービスの主な利用者である高齢者の方から引き出すのは、非常に難しいと私たちは考えています。なぜならば、得たい情報量が多いこと、心身が衰えてくると意思の表出がしにくくなること、人でも意思の抽出は容易ではないことなどがあるためです。その課題に対して、前述のインタラクションを活用して、希望や意思をさりげなく引き出し、DLWの情報を本人や支援者が苦労することなく抽出できるようにするために、KNI様・NECとともに検討を重ねています。以下の画像は、KNI様の北原リハビリテーション病院内にある共創ルームにて、各メンバが検討を実施している様子です。

今後、実際に体験してご意見をいただけるように、市民公開講座で紹介されたようなDLW情報の一部を引き出す部分を、デモンストレーションアプリとして作成する予定です。この体験版の評価を通じて、私たちが考えるインタラクションが有用であることを示したうえで、新たな社会価値を共創する一端を担えたらと考えております。

11月11日には、北原リハビリテーション病院で new window北原フェス2018が実施される予定で、楽しいイベントとともに、TLS・DLWについて、より詳しい内容を聴講・体感できるチャンスです!そのときに、上記のデモが体験できる、かもしれません。
乞うご期待ください。

担当者紹介

研究テーマ:高齢者自立・健康増進支援
担当者:藤田 光洋
コメント:高齢者の方への自立支援や、健康増進支援をITで実現すべく、調査・研究を進めております。
連絡先:NECソリューションイノベータ株式会社 イノベーションラボラトリ 社会行動理解グループ
sbu-contact@nes.jp.nec.com