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「人的資本経営」について社員の本音を探る!
CHROと社員が直接対話するオープンミーティング開催

NECソリューションイノベータは、2023年3月に「人的資本レポート」を公開しました。自社の人事制度を社内外に広く発信し、いかに“人材”を重視しながら価値創出につなげているかを伝えるためです。この取り組みについて、NECソリューションイノベータで働く社員はどう感じているのか。生の声を聞こうと、人事担当部門と社員が話し合う様子を社内に公開するミーティングを「オープンミーティング」と名付けて開催しました。
人的資本経営って何?
オープンミーティングには、「人的資本レポート」発行に携わった理事 兼 人財企画部長 兼 CHROの上浜と人財企画部の丸岡、佐野、若手社員の代表として、水上(リテールソリューション事業部)と魚見(システム基盤ソリューション事業部)、ファシリテーターとして本間(経営企画部)の6名が出演しました。ミーティングの様子はオンラインで配信され、視聴している社員からも質問を募りました。
ここ最近まで、人は単なる「労働力」として捉えられていました。人件費は決算書上のコストであり、従来多くの会社では利益を出すためにコストを圧縮する施策をとっていました。一方、人を資本として捉える「人的資本経営」においては「人」を投資の対象として考え、社員一人ひとりが持っている能力や才能に投資し、個々の力を高めることで企業価値向上につなげます。
丸岡は、人的資本経営について、次のように説明します。
丸岡 欧米各国では2014年以降、人的資本情報の開示が義務化され、日本でも2023年3月末から上場企業の人的資本情報開示が義務化されました。一方、当社は非上場企業ですが、求職者の方や社員に広く自社の取り組みを知ってもらう必要性を感じ「人的資本レポート」を公開しました。ブランド力向上を目指すとともに、社員との対話を重ねることで、さらにブラッシュアップしていきたいと考えています。
子育て世代に優しい「時間休」制度

オープンミーティングに登壇した水上と魚見は、「人的資本レポート」の存在を知らなかったと話し、今回のミーティングをきっかけに読んだといいます。
水上 恥ずかしながら「人的資本レポート」の存在を知らず、今回のミーティングで初めて読みました。社員の私でも知らないことがあり驚いています。社内の取り組み全般を知ることができるものですね。
魚見 私は「人的資本経営」という言葉すらも聞いたことがなく、レポートのことも知りませんでした。また今回の話を聞いた時も、「人的資本レポート」は私のような若手社員には関係ない、経営層の方が読むものかな、難しそうだなと思っていました。でも読んでみたらわかりやすく、自分たちに関係があるものだと知りました。


「人的資本レポート」を読んだ社員はどのように感じたのでしょうか。
子育て中の水上は、「ちょうど今年第二子が生まれたばかりだったので、スマートワークや、働きやすさについて興味を持ちました。育児休職は取得しなかったのですが、私はよく時間休を使っています。以前なら半休を取らなければならなかった子どもの送迎も、2時間の時間休を取ることで対応できるようになりました。リモートワークで家にいると『ほんのちょっとの間だけ、子どもの面倒を見る』というのができるのもいいですね。実際に抱っこひもで赤ちゃんを抱っこしながら仕事もします」と話します。


一方で、オンライン参加の社員からは「時間休の取得は上司や同僚のサポートなしでは実現できない。そういう協力体制が、全てのチームにあるわけではない」という指摘も。これには上浜が答えます。
上浜 たしかに時間休の取得をはじめ、子育て中などの社員をサポートするには、上司がメンバーの成長を支える姿勢が不可欠です。常に「メンバーが本当に成長できるかどうか」を見極める必要があります。こうした「コーチング文化の定着」は、重要な経営課題です。

社員のやる気をサポートする充実の研修制度
上司のサポートが適切に機能するためには、メンバーの意欲が不可欠です。当社には社員の成長を促す制度や研修が充実しています。魚見が「人的資本レポート」の中で目を付けたのも、自身が今まさに関わっている部分でした。
魚見 一番身近に感じたのは、育成や研修についてです。ちょうど下期から強化領域人材(人的資本レポートP7記載)に選抜され、クラウドの研修を数多く受講させていただいています。上司にはずっと「クラウド関連事業に携わりたい」と伝えていたので、選出してもらえてうれしいです。それ以外にも当社には幅広い研修や有志の勉強会などがあり、参加したいと上司に相談すると、「挑戦してみて」と背中を押してくれます。そういう雰囲気や環境が整っているのもありがたいです。
「人的資本経営」、本当に儲かるの?
オンラインの参加者からは率直な質問が出ました。中でも多くの人が聞きたかったのが、このことではないでしょうか。
「人材を資本として投資しリターンを得るというが、それって本当に儲かるの?」
これに対し、上浜は明確に答えています。
上浜 人的資本の情報開示をしない企業には、労働市場から人も流れないし、資本市場からお金も流れない。人もお金もない状態では、儲かるか儲からないか以前に、まともな企業経営ができません。人的資本経営は、利益が出るかどうか以前の前提条件になっているのです。

このほかにも、さまざまな職種や部門の社員からの意見が飛び交いました。制度や施策はトップダウンで策定されることが多いもの。適切に機能させて効果を上げるためには、ボトムアップで社員の意見をとり入れて、改善していくことが欠かせません。NECソリューションイノベータは、こうした対話の場を設けることで社員の声に真摯に向き合い、人事制度をより充実したものに発展させていきます。
【出演者】
理事 兼 人財企画部長 兼 CHRO:上浜(「人的資本レポート」発行責任者)
人財企画部 主席主幹:丸岡(「人的資本レポート」執筆者)
人財企画部:佐野
リテールソリューション事業部:水上
システム基盤ソリューション事業部:魚見
経営企画部:本間
【オンラインで参加した社員へのアンケート】
① 人的資本経営という言葉やその意味を、知っていましたか?
言葉の意味も含めて知っている40%
言葉は聞いたことがあるが意味は知らない47%
知らなかった13%
② NECソリューションイノベータの「人的資本レポート」を読んだことがありますか?発行していることを知っていましたか?
発行していることは知っているし、読んだことがある 28%
発行していることは知っているけど、読んだことはない 27%
発行していることを知らなかった 45%
<参考リンク>
2022年度人的資本レポート:https://www.nec-solutioninnovators.co.jp/csr/management/pdf/human_capital.pdf
UPDATE:2023.12.26